鎌倉
鎌倉観光
古都の町並みが美しい日本を代表する観光地のひとつ

スキンヘッドの布袋様のお腹をなでてパワーチャージ!鎌倉【浄智寺】

取材・写真・文:

神奈川在住
訪問エリア:47都道府県

2017年8月10日更新

3,319view

お気に入り

写真:えいぶゆう/TossyPhoto

鎌倉幕府が制定した鎌倉の代表的な禅寺を「鎌倉五山」といいます。「浄智寺」はその第4位に名を連ねるとっても格式高いお寺です。境内には、趣き溢れる石段、日本では珍しい中国風の鐘楼門、そしてフォトインパクト大の布袋様と見どころが沢山あるんです!特に布袋様はお腹をなでると元気モリモリになれちゃうご利益が。そして人間よりちょっと大きいサイズの布袋様の横に並んで写真を撮ると、まるでボケとツッコミの漫才コンビのような写真がとれますよ。もちろんツッコミは布袋様!さっそく浄智寺をご案内しましょう。

この記事の目次表示

浄智寺ってどんなところ?

鎌倉でも代表的なお寺「鎌倉五山」のひとつ

かつて鎌倉幕府が制定した、鎌倉の代表的な禅寺を「鎌倉五山」といいます。

もともと鎌倉は、源頼朝に台頭される武士がおさめた鎌倉幕府によって栄えた土地です。その武家社会に受け入れられたのが禅宗でした。

禅とは、心を澄まして自分の中にある真理を知るという教えです。武士の己を磨くストイックな当時の生き方にフィットしたこの教えは、瞬く間に武士の間に広がっていきました。そして幕府によって代表的な禅寺が選定されます。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto浄智寺

名が示すとおり5つあり、「第1位 建長寺」「第2位 円覚寺」「第3位 寿福寺」「第4位 浄智寺」「第5位 浄妙寺」と位と共に制定されました。

浄智寺はその第4位に名を連ねる、とっても格式高いお寺なんです!

【関連記事】禅を知るならココに行け!鎌倉の荘厳な禅寺「建長寺」
【関連記事】鎌倉どこ行こう?迷ったら鎌倉寺院の要素がぎゅっと詰まった「円覚寺」へ。
【関連記事】本当は教えたくない!鎌倉の隠れ寺「寿福寺」
【関連記事】「鎌倉」の語源はここにあり。鎌倉「浄妙寺」に残る御由緒を探る旅

どんな理由で建てられたお寺なの?

もともとは、「北条宗政」という人が29歳の若さで亡くなってしまい、その魂を弔うために、その息子である「北条師時」が創建したと言われるお寺です。

と・こ・ろ・が、この創建当時、息子の「北条師時」はわずか8歳!

さすがにその若さでお寺を建てるのは無理なので、実際には宗政の妻が作らせたのでは?と言われています。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto浄智寺の石碑

浄智寺は、創建当時はと~っても立派なお寺と言われていました。現在でも十分立派なお寺なのですが、当時は沢山のお堂が境内に並び、500人もの人が働いていたと言われています。ちょっとした企業という感じですね。

しかし、鎌倉幕府が滅亡すると、武士に支えられていた禅寺は次第に衰退していきます。さらに火災や大地震により多くの建物を失ってしまいました。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto境内の建物

現在の建物は、関東大震災以降に復元されたものなんです。

でも、現在では沢山のお堂が建っていた広い境内には、日本でも珍しい中国風の鐘楼門、清々しいパワーをチャージできちゃう竹林や、フォトインパクト大の布袋様と見どころが沢山あるんです!

それでは、さっそく浄智寺にお邪魔してみましょう。

鎌倉十井のひとつ「甘露ノ井」

浄智寺の境内に入る前、総門の手前には鎌倉の代表的な井戸である「甘露ノ井」があります。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto総門

鎌倉では、昔から大事にされてきた井戸のうち、代表的なものを「鎌倉十井」と呼んで大事にしてきました。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto甘露ノ井

この「甘露ノ井」はそのうちの一つに数えられる曰くのあるもの。

しっかりとその存在を示すように、「甘露の井」と掘られた石柱があります。

好きな人にはタマラナイ浄智寺の石段

浄智寺の玄関口は、緩やかに長い石段です。

石段をよく見てみると、ところどころ石材の端がまあるくなっていたり、多くの参拝者が歩いてきたためか、敷き詰められている石材の高さがまばらになっています。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto石段

ああ、鎌倉を長い年月見守ってきたんだなあ・・・と感じさせる趣ある雰囲気が素敵ですよね。

濃い緑が浄智寺の入り口を守るかのように、石段の周りを縁取っています。ここ浄智寺の緑は鎌倉のお寺の中でも、なぜだか理由はわからないけれど他に比べて、「濃い」と言われていて、厳かな雰囲気の写真を好まれる方に人気のあるスポットでもあります。

珍しい中国風鐘楼門

そんな濃い緑に守られるようにして、石段を登っていくと、2階建ての門が現れます。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto鐘楼門

パッと見て普通のお寺の門と、かなり雰囲気が違うと思いませんか?実はこれ、とってもめずらしい中国風のつくりなんです。

中国の影響を受けた建物は、屋根が大きく反り返っているのが特徴。この鐘楼門も屋根の端に進むにつれて上へ反り返っていますよね。

また2階部分には、壁をお花のような縁取りでくりぬいた窓があります。これを「花頭窓」と言います。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto花頭窓

鐘楼をくぐると、ビャクシンの木が立っています。こちらは、鎌倉市指定天然記念物です。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoビャクシン

曇華殿

仏のメッセージを伝える三世仏

境内に入るとすぐに見えるのは、「曇華殿(どんげでん)」。「どんげでん」とは少し舌を噛みそうな名前ですね。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto曇華殿

仏教界では、3,000年にたったの一度だけ咲く花があり、そのお花を「優曇華(うどんげ)」 と言うんです。

3,000年に一度しか咲かないわけですから、私たち人間にとっては、よっぽどタイミングよくないと見れないお花ですよね。つまり、とっても珍しく貴重なものの意味で、このお堂を「曇華殿」と名付けたんです。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto曇華殿の額縁

曇華殿の内部には、向かって左に「阿弥陀如来」、中央に「釈迦如来」、右には「弥勒如来」が安置されています。この3人が一緒にいるのには意昧があり、阿弥陀如来は「過去」を表し、釈迦如来は「現在」、弥勒如来は「未来」をあらわしているんですよ。3人セットで「三世仏」と言います。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto三世仏

心もち現在を表す「釈迦如来」が大きいですね。仏教は、現在の一瞬を大切に生きる!というお釈迦様の教えが根幹にあります。過去でもなく未来でもなく、現在。ここに何か参拝する者に向けたメッセージを感じます。

この三世仏像は、室町時代に作られたと言われています。

見逃さないで!観音様

三世仏を見て、曇華殿を見た気になってはいけません!「え、ここに!?」という意外なところに観音様が隠れていらっしゃるのです。

曇華殿の建物をぐるりとまわり、裏側に行ってみましょう。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto観音様拝観の案内

裏側には、人ひとり通れるくらいの幅に、格子がはめ込まれた窓があります。この奥に観音様がいらっしゃるんです。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto観音様

知らないと、通り過ぎてしまいそうなくらい、ひっそりといらっしゃいます。

次のページを読む

鎌倉の旅行予約はこちら


鎌倉のパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

鎌倉のホテルを探す

鎌倉の航空券を探す

鎌倉の現地アクティビティを探す

鎌倉のレンタカーを探す

鎌倉の高速バスを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


日本の最強パワースポット24選!神社やゼロ磁場、自然のパワースポットも

日本の総氏神のように信仰される天照大御神をお祀りする伊勢神宮や、”願いが叶うパワースポット”として有名な来宮神社、全体が最強パワースポットと言われる皇居など、日...


【2023年版】旅行者が行った日本国内の人気観光スポットランキングTOP48!

2023年にトリップノートのトラベラー会員が登録した「行ったスポット」のデータを元に、トラベラーのみなさんが実際に訪れた国内の人気観光スポットランキング【202...

【2023年版】全国の人気神社・お寺TOP52!旅行好きが訪れた寺社ランキング

2023年の1年間にトリップノートのトラベラー会員が登録した「行ったスポット」のデータを元に、トラベラーのみなさんが実際に訪れた国内の寺社ランキング【2023年...

関東のデートスポット32選!カップルのお出かけにおすすめ

スクランブル交差点を一望できるルーフトップラウンジや、台湾旅行気分を味わえる法水寺、カップルでのドレス体験も人気のロックハート城など、カップルで行きたいデートに...

【2024】鎌倉の人気観光スポットTOP41!旅行好きが行っている観光地ランキング

鎌倉の大仏や鶴岡八幡宮、小町通りをはじめとする鎌倉の観光スポットを、トリップノートの9万2千人を超える旅行好きトラベラー会員(2024年1月現在)が実際に行って...

この記事を書いたトラベルライター

旅はいつも心のまんなかに
知らない土地、知らない文化、知らない人。知らない何かがいつも自分の心を広げてくれます。広がったその先を見てみたい。その探求心や好奇心はそのまま「旅」として、いつも心のまんなかにあります。

えいぶゆう(文)とTossyPhoto(写真)の2人で、心のまんなかにある「旅」を切り取っていきます。

あなたの心にも旅の灯がともりますように。

本当は教えたくない!鎌倉の隠れ寺「寿福寺」

沢山の寺院が並ぶ鎌倉の中で、鎌倉幕府が定めた鎌倉五山に名を連ねる「寿福寺」。鎌倉幕府の中核を担った北条政子のお墓があるなど、鎌倉を興した人々に多くのゆかりがある...


絶対後悔させない!湘南【江の島】の超詳しい観光&時間ガイド

湘南を代表する観光スポット「江の島」。どメジャーな観光スポットですが、意外にもガイドブックでは紙面の都合からか、江の島の見どころを収めきれていないんです。実際に...


【神奈川県・三浦半島】侮れない!プチ本格登山を楽しむ三浦アルプス

神奈川県の三浦半島にある三浦アルプスは、逗子、葉山、横須賀の境界にある山稜地帯です。三浦アルプスの一番の魅力は、200m程度の低い山々にもかかわらず、まるで原生...

超超超初心者におすすめ!本当に楽な神奈川のハイキング5選

神奈川県には気軽に登山・ハイキングできる自然がたくさんあります。でも、「初心者におすすめ」の情報を見て、行ってみたらキツかった。なんてことはありませんか。超がつ...

【ベトナム】半日で巡る!お土産天国ダナン市街の見どころ

ベトナム中部の都市ダナンは、お土産天国と言っても差支えないほど、様々な名品が低価格で購入できるんです。中には女子ウケするカワイイ小物もいっぱい。そんなダナン市街...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります