
海水浴やマリンスポーツなどで知られる鎌倉の材木座海岸ですが、本当に美しいと感じるのは季節外れの冬の海です。特に夕陽に染まる水面は、何度見ても心に染み入る感動があり、波の音がさらに癒しの演出をしてくれます。今回は鎌倉駅から材木座海岸を経由し逗子マリーナまで、海沿いを行くお散歩コースをご紹介します。
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材木座海岸は穴場スポット
鎌倉駅から大通りをひたすら南へ進むと、突き当たりに海が見えてきます。ここは正面の川を境に、向かって右側が由比ヶ浜、そして左側が材木座海岸で、夏は多くの海水浴客で賑わうスポットです。
活気に満ちた夏の海に比べ、季節外れの冬の海には波の音だけが響きます。そして風の穏やかな日の砂浜では、家族が散歩をしていたり、ゲイラカイト(三角形の凧)を飛ばしていたりと、のんびりとした時間が流れています。
鎌倉の海といったら、稲村ヶ崎から江ノ島辺りまでが何かと注目されがちですが、材木座海岸は人が少ない分だけ穴場といえるかもしれません。特に早朝や夕方などの昼と夜が入れかわる時間帯は、空と海とのコントラストがとても美しい、癒しの時間となるでしょう。
朝から昼にかけての穏やかな海の様子
早朝の海は犬の散歩やウォーキングをする人、それから発生練習をする人なども時々見かけます。海に向かって大きな声を出しても波がかき消してくれるので、周囲の目を気にする必要はありません。
材木座海岸は江ノ島方面に比べて海水が澄んでいるので、もやもやした気持ちなどを、波がすっきり洗い流してくれそうです。
ただ海を眺めるだけでも気持ちがいいですが、砂浜を歩く感触もまた心地が良いので、風のない日は道路から海岸に降りて、波打ち際を散歩してみるといいでしょう。
ちなみに材木座という地名は、鎌倉時代に各地から建築資材の材木が集められ、その名の通り「材木の座」があった場所という意味なのだそう。当時港として扱われていた日本最古の築港遺跡も残っています。
鎌倉には有名な観光名所が多いですが、このような小さなスポットもたくさんありますので、 お散歩ついでに歴史を感じてみるのもステキですね。
少し足を伸ばして逗子マリーナまで行ってみよう
材木座海岸から少し奥へ進むと光明寺というお寺があり、その先のトンネルを抜けると逗子マリーナに抜けられます。逗子マリーナは道沿いにヤシの木が並ぶヨットハーバーで、独特なリゾート感を漂わせるセレブなスポットです。敷地内のレストランで、ヨットを見ながらランチをいただくのもいいですね。
あまり知られていませんが、逗子マリーナの隣にはもう一つマリーナが存在しています。そこは小坪マリーナと言って、小坪漁港を奥へ向かうとたどり着くことができます。
小坪マリーナの脇道から海へ出ると、足元は砂利や枯れ木などで歩きにくくなっていますが、正面には江ノ島が見え、最近話題のシーグラスもここで拾えます。
夕日に照らされる美しい海の様子
逗子マリーナで一息入れた後は、再び材木座海岸に戻ります。夕暮れは1日の中で一番オススメの時間帯であり、沈む夕陽が水面を照らし、分刻みで様々な表情を見せてくれます。
不思議なことに、夕陽がつくり出す光の表情は1日として同じ日がなく、何度見ても飽きないのは、決して同じ景色を見ていないからかもしれません。
日没後は夕焼けに染まった空の中に、ひときわ輝く一番星が見つかるでしょう。暮れていく空に建物の明かりがともり始め、昼から夜へと移り変わるこの時間、海は神秘的な姿を見せてくれます。
夜は波に映った明かりがとてもきれいです。真冬は海風が冷たいのでおすすめはしませんが、こうして辺りが暗くなってからも、海の輝きは消えずにあり続けているのですね。