「近鉄週末フリーパス」は近畿日本鉄道が販売している、金・土・日か土・日・月の3日連続で近鉄が乗り放題になるお得な切符です。この切符を使って、近鉄でお得に旅行する方法をご紹介します!
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近鉄の基礎知識
近鉄とは
正式名称を「近畿日本鉄道」という、近畿地方の大手私鉄です。総営業距離はなんと日本の全私鉄の中で最長。大阪府・京都府・奈良県・三重県・愛知県の2府3県に線路を張り巡らせています。
近鉄の列車の種類
特急列車
近鉄の特急は全列車全席指定です。一般的に私鉄の特急によくある、乗車券だけで乗れる自由席というのは存在しないので注意してください。なので、乗車には乗車券 + 指定席特急券が必要です。
普通列車
特急以外の種別は基本的にこちらに分類されます。乗車券だけで乗車できる列車です。
観光列車
「しまかぜ(難波・名古屋・京都~賢島)」や「青の交響曲(大阪阿部野橋~吉野)」がこれに分類されます。乗車には、乗車券 + 特急券 + 特別車両料金が必要になります。「伊勢志摩ライナー」や「アーバンライナー」には基本的に特別車両料金が必要にならないので、観光列車には分類されません。
相互直通
近鉄は難波線大阪難波駅から尼崎・神戸三宮方面に向け、阪神電気鉄道と相互直通しています。また、けいはんな線長田駅から本町・大阪港方面へ地下鉄中央線と、京都線竹田駅から四条・烏丸御池方面へ地下鉄烏丸線とそれぞれ相互直通しています。
「近鉄週末フリーパス」の詳細
利用できる期間
土曜・日曜を含む3日間連続で利用できます。つまり、 金・土・日 か 土・日・月 です。例え金曜や月曜が祝日でも、利用期間を 木・金・土 や 日・月・火 にすることは出来ません。
利用できる列車
ここが大事なところです!「近鉄週末フリーパス」だけでは特急列車には乗車できません。ですが、別途特急券を買うことによって特急列車に乗車することができます。特急に乗るには特急券に加えて、さらにその区間の乗車券も別途必要な「青春18きっぷ」とは違うところですね。
価格
大人 4,100円 / 小児 2,050円
3日間乗り放題でこの価格はかなりお得です。往復するだけでもとを取れる区間もありますよ。
近鉄名古屋 - 大阪難波 往復 4,720円
賢島 - 京都 往復 5,060円
賢島 - 大阪難波 往復 4,620円 など…
買い方・使い方
利用開始日の前日まで、近鉄の主要駅駅窓口で購入することができます。また、近畿日本ツーリストの支店・営業所でも購入可能です。当日の購入は出来ないので注意してください!
使い方は普通の切符と同じように改札に通せばオッケーです。旅行会社で発行してもらうと切符型ではないものを渡されることがありますので、その場合は駅員さんに提示しましょう。
具体的な使用例・運賃計算の方法
例1:京都駅-賢島駅間 を 特急を使わずに往復する場合
普通運賃:往路2,530円+復路2,530円=合計5,060円
普通運賃:往路+復路=4,100円
通常通り切符を買うと片道2,530円です。往復すると5,060円になりますが、フリーパスを使うと往復4,100円になって960円お得です!
例2:京都駅-賢島駅間 を 特急を使って往復
普通運賃:往路2,530円+復路2,530円=5,060円
特急料金:往路1,900円+復路1,900円=3,800円
合計金額:5,060円+3,800円=8,860円
普通運賃:往路+復路=合計4,100円
特急料金:往路1,900円+復路1,900円=3,800円
合計金額:4,100円+3,800円=7,900円
この場合でも別途特急券を買うだけでフリーパスを利用できるので、例1と同様に運賃分960円お得になります。
例3:京都駅-賢島駅間 を 「特急しまかぜ」で往復
普通運賃:往路2,530円+復路2,530円=5,060円
特急料金:往路1,900円+復路1,900円=3,800円
特別車両運賃:往路1,130円+復路1,130円=2,260円
合計金額:5,060円+3,800円+2,260円=11,120円
普通運賃:往路+復路=合計4,100円
特急料金:往路1,900円+復路1,900円=3,800円
特別車両運賃:往路1,130円+復路1,130円=2,260円
合計金額:4,100円+3,800円+2,260円=10,160円
「しまかぜ」に乗車するには特急料金に追加で、特別車両料金を払わなければいけません。ですが、こちらも例外なく運賃部分にはフリーパスを適用できるので、例1・例2同様960円お得です。
例4:(地下鉄烏丸線)烏丸御池駅-賢島駅間 を 特急を使わずに往復
普通運賃:往路2,530円+復路2,530円=5,060円
烏丸御池~竹田間運賃:往路260円+復路260円=520円
合計金額:5,060円+520円=5,580円
普通運賃:往路+復路=合計4,100円
烏丸御池~竹田間運賃:往路260円+復路260円=520円
合計金額:4,100円+520円=4,620円
特急を使わないので、運賃分がそのまま安くなる…かと思いきや、烏丸御池-竹田間は地下鉄烏丸線の運賃(260円/往復520円)を支払わないといけないので、近鉄の週末フリーパスは使えません。なので、フリーパス利用の場合は烏丸線の運賃 + 竹田から賢島までフリーパス適用という風になります。
相互直通区間の扱いは他の地下鉄中央線・阪神電気鉄道でも同じで、それぞれ近鉄の終点(長田・大阪難波)から先は運賃を支払わなければいけません。
まとめ
「近鉄週末フリーパス」いかがでしたか?お得な切符は制限がかかったり使い方が難しかったりする印象がありますが、実際使ってみるとそんなことはなく、ラクラク使いこなせるものです!近畿・東海地方を回る際はぜひ使ってみてくださいね!