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「カムイルミナ」参加レポート
リズムスティックを受け取りナイトウォーク開始
スタート時間になると、スタッフの方が歓迎の挨拶と簡単な注意点をレクチャーしてくれます。いよいよアトラクションが始まる!といったワクワク感を最も感じられる瞬間ですね。夜で周辺も暗いので、独特の緊張感があります。
10名程度の少人数グループごと(列に並んだ順)にスタートしていきます。その際、小学生以上の方にはリズムスティックが与えられます。リズムスティックとは、足元を照らすための懐中電灯や耳元で音楽が流れるオーディオの役割があります。
アトラクションの途中で一緒にリズムを取るよう促される場面もありますので、その際はこちらのリズムスティックを使ってトントンと地面をたたきます。明かりの色が自動的に変化するので、そちらにも注目してみて下さい。
スタート後は、基本的には順路に沿って歩いていきます。途中途中で映像や音声が流れ、リズムを取るように案内がありますので、楽しみましょう。映像や音声が流れる時は一回一回立ち止まって鑑賞します。立ち止まるポイントについては、スタッフさんが声をかけてくれるので分かりやすいと思います。
物語のベースにはアイヌに伝わる叙事詩を採用
阿寒湖にはたくさんの叙事詩(アイヌ語でユーカラ)が残っています。カムイルミナで採用されている物語も、実際に口で語り継がれてきた「カケスの物語」がベースになっています。
カケスの物語を説明しつつ、順路の様子をご紹介していきます。アトラクション中は写真・動画撮影OK(フラッシュNG)です。
人間界で飢饉になってしまった村があり、村の守り神であるシマフクロウ(コタンコロカムイ)が頭を悩ませていました。そこで、鳥のカケスを神(カムイ)の世界への使者として任命します。そのサポート役として、人間の私たちも共に旅することになります。
食べ物である動物がどんどんいなくなっていく様子が伝えられます。さらに進むと、神の世界へと繋がる窓が見えてきます。星々が散りばめられたようなデジタルアートで、特に神秘的な空間を楽しめるシーンです。
神の世界へ入ると、人間が動物に敬意を払わなかったことに対し神が怒っていることを知ります。これが飢饉の原因でした。こちらのシーンでは、怒りがとてもよく表現されていて、コース中最もダイナミックな演出でした。
その後、神の怒りを知った人間は行動を改めることを誓います。すると無事に動物が人間界に戻ってきてくれました。旅を共にした鳥のカケスも成長した様子です。物語はこれにて終了となります。
最後のプロジェクションマッピングが終わると、再びスタッフさんが待っていてくれるのでリズムスティックを返却し、完全に終了となります。場所は、阿寒湖畔エコミュージアムセンターの目の前にあたります。
- 阿寒湖の森ナイトウォーク KAMUY LUMINA(カムイルミナ)
- 釧路市 / 体験・アクティビティ / 穴場観光スポット
- 住所:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉1-5-20地図で見る
- 電話:0154-65-7121
- Web:http://www.kamuylumina.jp/
参加方法やチケットの購入方法は?
カムイルミナに参加するにはチケットを購入する必要があります。事前予約、当日予約どちらも可能です。18:30~21:30(季節により変動あり)の間で、15分刻みでスタートしています。各回50名まで参加できます。
冬季は開催されておらず、2021年は11月14日までとなります。それ以降の開催スケジュールについては、公式ホームページにて発表を待つかたちになるでしょう。
チケットの事前予約
事前予約の場合、公式ホームページから申し込めます。チケット購入はコチラ、というボタンを押せばカード決済できるページに移動します。土日祝日は前もって埋まってしまうこともあるそうなので、平日以外に訪問される場合は事前予約の方が安心です。
前売りで購入すると、大人(中学生以上)2,800円、小人(小学生)1,400円、未就学児は無料です。当日購入より少し割引が入ります。
チケットの当日購入
当日購入の場合は、直接集合場所に向かいます。チケットブースがありますので、チケット購入の旨を伝えます。各回のスタート時間に合わせて行き、まだ人数に空きがあれば待つことなく参加することができます。平日に参加する場合は当日購入でも余裕があるとのことだったため、筆者は当日購入しました。
当日購入すると、大人(中学生以上)3,000円、小人(小学生)1,500円、未就学児は無料です。前売りより数百円だけ高いですね。
おすすめは「ロストカムイ」とのセット券
カムイルミナは単独でチケットを購入できるほか、セット券(中学生以上3,900円、小学生1,950円)を選ぶこともできます。
セット券を購入すると、「ロストカムイ」と呼ばれる演劇鑑賞も可能となります。ロストカムイは、アイヌシアターイコロで開催され、セット券もこちらで購入可能です。
ロストカムイは単なる演劇ではなく、デジタルアート、サウンドデザイン、ダンスなど各分野で注目を集めるクリエイターが集合し、5台のプロジェクターを駆使して舞台を立体化させた、新たな舞台演出です。筆者も鑑賞しましたが、3Dメガネをかけずに3Dを体験したような大迫力の見ごたえでした。
物語の内容は、エゾオオカミ(ホロケウカムイ)にまつわるものです。明治時代から減少し、絶滅に至ってしまったエゾオオカミですが、アイヌが畏怖し敬ってきた生き物の一つであり、その世界観を切実に再現しています。
演劇の途中で、アイヌの古式舞踏も交えて行われます。本格的なアイヌの衣装や歌など、滅多に見たり聞いたりできない貴重な機会を提供しています。3DCG、ダンス、古式舞踏、と最新技術と伝統文化を交えた素晴らしい40分間です。
●3~4月:毎日21:15~(1公演)
●5~6月:毎日21:15~、土日祝は15:00~も(2公演)
●7~10月:毎日15:00~、21:15~(2公演)
※2021年8月現在
【注意点】
●カムイルミナとロストカムイのセット券は当日購入のみ可能。
●セット券の場合、カムイルミナ(ナイトウォーク)のスタート時間は指定不可。そのため、夜の回でロストカムイ(演劇)を鑑賞する場合は、それぞれの時間が被らないようなスケジューリングが必要。
- 阿寒アイヌシアターイコロ
- 釧路市 / エンターテイメント
- 住所:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4丁目7−84地図で見る
- 電話:0154-67-2727
- Web:https://www.akanainu.jp/about/ikoro
この記事を書いたトラベルライターから一言
カムイルミナを楽しんでいる最中、「フーンコ・フンコ・フーンコ」というメロディの歌がよく流れます。これはシマフクロウの鳴き声を表現したものだそうです。耳に残る音楽と歌声だな~と思っていたのですが、実はこちら、アイヌの精神を貫き生きた四宅ヤエさん(昭和55年没)ご本人の音源なのだとか。阿寒湖をあとにしても、しばらくフーンコフンコと口ずさんでしまいました。(Sosyu Kikuchi)