福島県に見て学んで楽しめる「だるまランド」ができました。幸運をもたらす縁起物として、古くから日本の家庭に置かれ愛されていただるま。初詣の出店でもおなじみですが、300年余の歴史を誇る白河だるまで幸運を祈願してみませんか?
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白河達磨の歴史は?
「だるま」の元となったのは、仏教の一派である禅宗開祖の達磨の坐禅姿を模した置物でした。その流れで玩具にもなりました。白河達磨の歴史は今から300年前にさかのぼります。松平定信が白河城主を務めていた際、城下の繁栄を願ってだるま作りの技術を習得させ、旧正月の1月14日を縁日として、大手門前に「だるま市」を開催させたのが始まりと伝えられています。松平定信はのちに、白河藩主としての手腕が評価され江戸幕府の老中に就任、寛政の改革を行ったことで知られる名君です。
白河だるまの特徴
「だるま」は、家族の健康や会社の繁栄、高校や大学の合格や選挙での当選など、人々の夢や希望を願う場におかれるようになっていきます。「白河だるま」の特徴は、幸運や吉兆の象徴とされる鶴、亀、松竹梅が、顔の中に描写されていることです。デザインは、江戸後期の日本画家で、松平定信のお抱え絵師として活動していた谷 文晁(たに ぶんちょう)によるものです。徳川時代の三大画家の一人として、円山応挙、狩野探幽らとともに数えられています。
眉は鶴、髭は亀、あご髭は松、びん髭は梅、顔の下には竹を模様化しています。現在は技術革新で、だるまの大量生産、同じ顔のだるまを製造することができるようになってきましたが、「白河だるま」は、人の顔と同じように個性にこだわり、一つ一つ手書きで製造されています。現在は市内の「佐川だるま製造所」と「白河だるま総本舗」の2店舗が、白河だるまの歴史を受け継いでいます。
だるまランドとは?
白河駅からも白河の小峰城からも歩いて10分強の場所に、2021年7月だるまランドがオープンしました。蔵造りの建物を使用しており、趣のある雰囲気です。前出の「白河だるま総本舗」が手がけ、作業場や製造工程、展示場などがあります。広い作業場には、作業中のカラフルな商品がずらりと並んでいて、どんな完成品になるのかワクワクしてしまいそう。時間帯によっては、職人さんが実際に作業している様子を見学できます。だるま以外にも、人気の赤べこが制作されていました。
だるま制作の工程からアート作品まで
「学び場」と題されたコーナーは、だるまの製造工程が詳しく展示、説明されています。造形から色塗り、乾燥まで、身近な存在でありながら意外に知らない「だるま」の世界を知ることができます。
展示場は季節に合わせて模様替えが行われるそうですが、企業や有名キャラクターとのコラボだるまが展示されています。中でも、アート作家による斬新な「だるま」も多数展示されていて、新しい「だるま」との出会いにびっくりするはず。
絵付けやお気に入りの購入も
物販体験場では、絵付け体験はもちろん、お買い物も楽しめます。2メートルもの巨大だるまガチャや、だるまさんがころんだゲームを楽しむこともできます。他にも、こんなに?と驚くほど、「だるま」に関するグッズが豊富にそろえられていて、さすが縁起物なのだと改めて感心させられます。ここは、300年の歴史を誇り人々から愛されてきた「白河だるま」を満喫できる場所です。
だるまの目入れや飾り方
余談ですが、「だるま」の目入れについて参考までに、ご紹介しておきますね。願い事がある場合は、一般的に良い日と言われる、大安、友引、先勝の日を選び、左目に目を入れ、成就したら右目に入れるという風習があります。特に願い事がない場合は、両眼を入れて飾ります。「だるま」は、昔から厄除けの縁起物とされているので、東または、南向きに飾ると良いとされています。
さいごに
だるまを購入して願い事をしたくなってきましたか?以前は、旧暦1月14日に市神祭が開かれていましたが、現在は毎年2月11日に「だるま市」が白河市で開催されています。また、「47都道府県ご縁だるま」として、ふるさとチョイスの返礼品としても登場しているのをご存じでしょうか?栃木はいちごだるま、大阪はたこやきだるま、鹿児島は桜島大根だるまなど、各県の名産品にちなんだだるまが登場しています。ぜひご覧になってみてください。
- だるまランド
- 福島 / 工場・施設見学 / お土産
- 住所:福島県白河市横町30地図で見る
- 電話:0248-23-3978
- Web:https://darumaland.jp/