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なまら「イカす」!【函館・湯倉神社】

取材・写真・文:

トラベルライター

2018年3月6日更新

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写真:トラベルライター

「北海道三大温泉」であり、「函館の奥座敷」として人気のある、湯の川温泉街。「湯倉神社」は、湯の川温泉発祥の地に建てられている神社です。五穀豊穣・商売繁盛・家内安全・健康長寿・開運厄除・縁結びなどなど、広範囲な御神徳があり、湯の川の由来や歴史を雄弁に語る貴重な神社ではありますが、それだけでなく、北海道弁で書かれた「えぞみくじ」、その名も「函館イカすおみくじ」があるユニークな神社でもあります。歴史と開運、そしてちょっぴりお茶目な「湯倉神社」をご紹介します。

この記事の目次表示

北海道三大温泉郷の1つである「湯の川」発祥の地、湯倉神社について

北海道三大温泉といえば、「登別温泉」「定山渓温泉」そして「湯の川温泉」。その湯の川温泉は空港、JR駅からのアクセスが良く、人気エリアの1つです。その湯の川温泉の由来の場に建ち、街の発展を見守っているのが湯倉神社です。

湯倉神社の全体像

湯倉神社は、市電「湯の川駅」、函館バス「湯倉神社前」で下車して、約2分で鳥居に到着という好立地にあります。写真は、鳥居階段下に設置されている境内の案内図です。後述する説明が分かりやすいように番号を振りましたので参考にしていただくか、公式サイトの境内のご案内をご参照ください。

  • 写真:トラベルライター湯倉神社境内案内図

「湯倉神社」の歴史

伝承によると、遡ること約565年前、享徳2(1453)年ころ、1人の木こりが湧き湯を発見(現在の湯倉神社のあたり)し、後日、負傷した腕の痛みが湯治で治ったことに感謝し、手製の薬師如来を自らが建てた祠(ほこら)に安置したことが、湯倉神社の起源であり、湯の川温泉の始まりとされています。

  • 写真:トラベルライター「湯川温泉発祥之地碑」。この碑の場所に温泉が自然に湧出していました。(湯倉神社境内案内図[1])

承応2(1653)年、松前藩9代藩主の高広が幼少時(幼名 千勝丸)に難病を患い、治療が効かず悪化の一途だったある日、母・清涼院が夢を見ます。その夢のお告げどおりに千勝丸を湯治に行かせると、難病が快癒しました。そのお礼として、薬師堂の再建、知内産の砂金が施された高さ16cmの薬師如来の安置、鰐口が奉納され、現在も大切に保管されています。

さらに昭和16(1941)年には、現在の社殿が造営されました。湯の川と共に歩み、街の発展・湯の川温泉の守護神として崇敬され、親しまれている神社です。

  • 写真:トラベルライター

広範囲な御利益を持つ湯倉神社のご祭神

湯倉神社のご祭神は、「大己貴神(おおなむちのかみ)」と「少彦名神(すくなひこなのかみ)」です。特に2柱ともに、古事記にあるとおり、力を合わせて日本の国造り(農業技術、医療、温泉など)を行ったとされる霊験あらたかな神様です。

大己貴神(通称:大黒様)は、大国主命(おおくにぬしのみこと)のことで、国土経営、医療・温泉、開拓、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全、縁結びなど、広範囲な御利益のある神様です。また少彦名神は、国土開発、医療・温泉、酒造り、商売繁盛、学業成就・芸能などを司っている神様です。

  • 写真:トラベルライター湯倉神社境内案内図[3]

さらに、全国でお稲荷さんとして親しまれているご祭神である、稲荷神社の「倉稲魂神(うがのみたまのかみ)」が合祀されています。

  • 写真:トラベルライター湯倉神社境内案内図[6]

ほかに滋賀県「日吉大社」の分霊をお祀りする「日吉神社」も鎮座しています。

これらの神様が祀られていることから、五穀豊穣、商売繁盛、健康長寿、家内安全、開運厄除、縁結びなど、幅広い御神徳がある神社です。湯の川温泉が湯治として使われ、さらに街の発展があるのは、これだけの神様がお祀りされていることを考えると、おおいに肯けます。

まずは、ご参拝をしよう!

湯倉神社は、石垣の上に建っています。

  • 写真:トラベルライター

階段をのぼって鳥居をくぐると拝殿が見えてきます。

  • 写真:トラベルライター

御手水舎

鳥居をくぐり、右側に御手水舎があります。

  • 写真:トラベルライター御手水舎全景(湯倉神社境内案内図[1])

筆者の目を釘付けにしたのは、可愛らしい亀様!柄杓と比較すると、小ぶりな亀様だということが分かります。この小さな体で一所懸命にお清めの水を出している様子は、健気の一言です。

  • 写真:トラベルライター可愛らしい御手水舎の亀様

拝殿

非常に立派ですが威圧感はなく、とても爽やかな拝殿です。先述のとおり、「大己貴神(おほなむちの神)」と「少彦名神(すくなひこなの神)」という多彩で強力なお力をもつ2柱が祀られています。

  • 写真:トラベルライター湯倉神社拝殿の様子 (湯倉神社境内案内図[5])

豊受稲荷神社

拝殿から右側を見ると、稲荷神社特有の鳥居が見えます。緑の樹木に囲まれ、美しい朱塗りが際立っています。

  • 写真:トラベルライター豊受稲荷神社の様子 (湯倉神社境内案内図[6])

商売繁盛、五穀豊穣、産業発展、火災・災難除けの御利益があります。

日吉神社

拝殿から左側の道沿いには、日吉神社があります。

  • 写真:トラベルライター湯倉神社境内案内図[7]

明治初期に大阪から入植した人々によって、滋賀県大津にある比叡山「日吉大社」の分霊をお祀りしたことが始まりです。

珍しさ満点!楽しくなる縁起物

開運小槌(かいうんこづち)で、お望みのご利益を!

湯倉神社のご祭神の1柱である、大己貴神(通称:大黒様)といえば、打ち出の小槌。拝殿の右側には、ご覧のとおり、願い事が描かれた大小2つの小槌があります。このどちらか願い事のあるほうの小槌を振って祈ります。

  • 写真:トラベルライター開運小槌 (湯倉神社境内案内図[10])

振り方は、

  • 「開運」と書かれた開運小槌(大きい小槌):お願い事を祈りながら小槌を振る
  • 「身体堅固」と書かれた健康長寿小槌(小さい小槌):身体堅固を祈りながら、体の気になる部分を小槌でなでる。
  • 写真:トラベルライター健康長寿小槌で肩をなでている様子 (湯倉神社境内案内図[10])

肩こり改善のお願いをしてみました!

なでうさぎ 神兎(かみうさぎ)

ご祭神である大己貴命(大国主命)と「うさぎ」といえば、古事記「因幡の白うさぎ」にも記されている、とても深いご縁のある「神獣」です。

  • 写真:トラベルライター湯倉神社境内案内図[9]

拝殿に参拝したあとは、是非、願い事を祈りながら「なでうさぎ」をなでてみましょう!

なまら斬新すぎる!「イカすおみくじ」

函館名物といえば「イカ」!函館朝市では「活いか釣り堀」のイカ釣り体験が人気ですが、なんと神社でもイカが釣れます!

  • 写真:トラベルライター金・白のイカ、赤・黒のタイが可愛らしいおみくじ (湯倉神社境内案内図[12])

横に置いてある釣り竿でおみくじを釣ります!

こちらが釣れた、張子のイカとおみくじ内容です。

  • 写真:トラベルライター

おみくじにある吹き出し部分は北海道弁で書かれており、さらに最下段には、幸運の北海道名物:絶品「ホワイトアスパラ」と幸運の北海道名所:湯けむり香る「定山渓温泉」と書かれています。湯の川の守護神でありながら他の温泉をお勧めくださるとは、なんとも寛大です!しかもホワイトアスパラをお示しとは、かなりのグルメ!

ご当地「えぞみくじ」は、北海道の6カ所の神社(根室、稚内、美瑛、帯広、苫小牧、函館)に設置されており、それぞれの地域らしいおみくじ(例:根室のサンマ、帯広のシャケなど)があります。全部コンプリートしたら何か特別なご利益があるのか気になります。

これで何があっても大丈夫!

いろいろとユニークな縁起物がある湯倉神社。当然というべきか、「お守り」も他には見られないものがあります。その代表格が、こちらの「大丈夫御守」!

  • 写真:トラベルライター湯倉神社境内案内図[12]

ここまで言い切っていただけると、本当に「大丈夫」と思えます!

ここも見逃せない!境内の見どころ

御神木

開運小槌の右手にそびえるのが「御神木」です。この御神木はオンコ(イチイ)の木で、湯の川最古で樹齢約370年といわれているそうです。

  • 写真:トラベルライター樹齢約370年の「御神木」

結びの銀杏・湯倉の大銀杏

湯川温泉発祥之地碑のすぐ横の石垣の上にそびえるのが、「湯倉の大銀杏」です。樹齢約220年といわれる銀杏の木は、かなり離れた場所からでなければ写真に収まりきらない巨木です。銀杏は健康長寿や子孫繁栄として昔から尊ばれ、また秋になると実を拾うことができ、本殿近くの「御神木」とともに、シンボル的な存在となっています。

  • 写真:トラベルライター「湯倉の大銀杏」の看板
  • 写真:トラベルライター空高く伸びる「結びの銀杏・湯倉の大銀杏」(湯倉神社境内案内図[2])

湯川温泉発祥之地碑

石碑の建っているところが、温泉が自然に沸き出していた場所で、まさにこの場所が湯の川温泉の発祥の地です。ご覧のとおり、神社の石垣の横に奥まって建っています。

  • 写真:トラベルライター

湯川忠魂碑

こちらは、明治44(1911)年に、帝国在郷軍人会湯川村分会有志によって建てられたもので、日清・日露戦争、大東亜戦争までの御英霊をお祀りする碑です。この忠魂碑には、上原勇作旭川第七師団長(後に元帥)の揮毫(きごう)による、非常に立派な文字が刻まれています。

  • 写真:トラベルライター湯倉神社境内案内図[11]

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