首都・ダブリンから200キロメートル、国内第三の街・ゴールウェイ州郊外の新鮮な牡蠣で有名なシーフード専門店「Morans The Weir」。1985 年に、現在の天皇陛下が皇太子殿下時代にアイルランドにいらっしゃった際、お立ち寄りになったお店でもあります。ゴールウェイ市の外れにありながら、地元の人や観光客でいつも賑わっています。
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「牡蠣小屋」ができるまで
昔ながらの茅葺屋根がかわいらしいレストランMorans The Weirは、1790年に創業し、ゴールウェイ湾に面する小さな村の外れにひっそりと佇んでいます。もともとはパブ(パブリックハウスの略。アイルランドではコミュニケーションの場)でしたが、1960年代に現在のようなシーフードのレストランを構えるようになったようです。そこで提供される牡蠣が有名なことからMorans Oyster Cottage(牡蠣小屋)という愛称で親しまれています。
おいしさの鍵は、OYSTE"R"
Morans The Weirでは、天然のゴールウェイ湾産の牡蠣は「R」のつく月(英語で9月~4月。September, October...April) しかありませんが、地元で獲れた牡蠣は年中楽しむことができます。
Moransのレストランの近所には、Dunkellin川とClarenbridge川が流れています。川の水とゴールウェイ湾の海水がぶつかるところには、700エーカーにも上る牡蠣を育てる漁場があります。ここは海水と淡水が混ざる場所であるため、牡蠣にとっては最高の環境となっています。市場に出回る大きさ(直径約8cm)になるまで、じっくりと3~5年をかけて成長させます。
レストランMoransで提供されている牡蠣は、主に2種類あります。GIGASという縦長い形の牡蠣は、白い部分が多く、柔らかいです。スルスル~と食べられます。また、EDULISという種類の平たくて丸い形の牡蠣は、身の大きさはGIGASと比べて小ぶりですが、潮の香りが強く、コリコリとした歯ごたえがあります。
GIGAS、EDULISいずれもハーフ(6個)とダース(12個)を選ぶことができ、人数に合わせていずれかを選ぶとよいでしょう。また、生牡蠣は苦手という人でもガーリック・ブレッドクランブルをのせてグリルした牡蠣もあります。こちらはガーリックの香ばしい香りがたまりません。アイルランドの人たちは「牡蠣をビールで流し込む」というほど、レモンをほんの少し利かせた牡蠣と、コクのあるアイルランド産スタウトのGuinnessビールの相性はバツグンです!
牡蠣以外にも、新鮮な海の幸を使った料理が充実しています。前菜には、マヨネーズとさっぱりとしたレモンでマリネしたエビが贅沢に盛られたシュリンプカクテル、ムール貝のクリーム煮、蟹の鉤爪のガーリック焼きがオススメです。海鮮をふんだんに使ったクリームスープのクラムチャウダーも外せません。
メインには、オーガニックサーモンのグリルや4種類の海の幸が一皿に盛り付けされたMoran’s Seafood Specialも豪華です。また、デザートはアップルクランブルやブレッド&バター・プディング等のアイルランドの家庭料理の味も楽しめます。
茅葺き屋根のレストランには、寒い時には夏でも暖炉に火がたかれ、素敵な雰囲気となっています。入口付近には、アイルランドでは珍しい個室(最大6名程度)とカウンター形式のパブエリアがあります。さらに進むと、80人程度は入れる広い空間があり、年季の入った木の机と椅子が並べられ、昼や夜の食事時になるとアイルランドの黒ビールGuinnessビールを片手に、より一層賑やかな雰囲気になります。
ゴールウェイの街と、モハーの断崖やバレン高原方面を行き来する際には、ぜひ立ち寄って頂きたいレストランです。ただ、公共交通機関はお店の近くにはありませんので、ゴールウェイやリムリックといった近隣の大きな街から、レンタカーを利用されるとよいと思います。でもその時は、飲酒しない人を運転手に指名してあげてくださいね!
- Morans The Weir
- アイルランド / 魚介・海鮮料理
- 住所:The Weir, Kilcolgan, Co. Galway, Ireland地図で見る
- 電話:+ 353-91-796-113
- Web:http://www.moransoystercottage.com/