トルコ最大の都市イスタンブールのヨーロッパ側の新市街と呼ばれるエリアには、オスマン帝国時代の歴史ある建造物から最新の博物館や港まで、見どころがたくさん詰まっています。新市街ベイオール地区で訪れるべきスポットをご紹介します。
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1.タクシム広場
新市街の観光はここから始まると言っても過言ではありません。地下鉄の駅を降りた先にあるタクシム広場は待ち合わせ場所の定番でもあります。広場の中心には、トルコ共和国建国を記念して1928年に建設された記念碑があります。広場の横にはモスクもあり、人々が集まる中心地となっています。
2.イスティクラル通り
タクシム広場からガラタ塔のほうへと伸びるイスティクラル通りは、19世紀に最盛期を迎えた大通りです。終日歩行者天国になっており、レストランやカフェ、スイーツショップ、アパレルショップ、本屋、銀行、美容院、ホテル、各国領事館がある賑やかな通りです。19世紀の面影が残る建築様式を見学しながら散策することができます。
イスティクラル通りのおすすめカフェ&スイーツショップについてはこちらの記事をご覧ください。
3.チチェキ・パサジュ
チチェキ・パサジュとは花小路を意味する、1890年代に建設されたアーケードです。元々は花市場として使用されていたため、このような名前が付けられました。アーケード内には、美しいアーチ型の天井と装飾が施されたエレガントな空間があります。現在はレストランやカフェ、土産物店が並んでおり、観光客や地元住民に人気のスポットです。
- チチェッキ・パサジュ
- イスタンブール / その他レストラン
- 住所:Hüseyinağa Mh., İstiklal Caddesi Saitpaşa Geçidi 176/6 34435 Beyoğlu/İstanbul地図で見る
4.ガラタ塔
タクシム広場からイスティクラル通りを歩いていくとたどり着くのがガラタ塔です。6世紀初めに灯台として建設されたのがガラタ塔の起源で、その後、牢獄や天文台としても利用されてきました。高さは約67メートルとそこまで高くはないのですが、丘の中腹に建っているため、展望階からの眺めはまさに絶景です。イスタンブールの旧市街、新市街、アジア側を見渡すことができます。
5.ジェザイル通り
ジェザイル通りは、その名前がフランスの「アルジェリア」(Cezayir)に由来しています。19世紀末から20世紀初頭にかけて、当時のオスマン帝国政府は、フランス人商人や外国人コミュニティの居住区域としてこのエリアを整備しました。通りの名前は、アルジェリアからの移住者やフランスの影響を反映しており、フランス語の「Cezayir」(アルジェリア)にちなんでいます。建物や街並みには、当時のフランスの影響が色濃く残っており、イスタンブールの多文化的な歴史を感じさせるエリアです。階段になった通りの両側にはカフェやビストロ、バーなどが軒を連ね、夜はより一層華やかな雰囲気となります。
- ジェザイル通り(フランス通り)
- イスタンブール / 町・ストリート
- 住所:Firuzağa Cezayir Çk. No:5A 34425 Beyoğlu/İstanbul地図で見る
6.アー・ハマム
イスティクラル通りから徒歩圏内のアー・ハマムは、1453年にコンスタンティノープルを陥落させ、東ローマ帝国を滅亡させたオスマン帝国のメフメト2世が造ったハマムです。イスタンブールがオスマン帝国領になって最初に造られたハマムとして知られています。イスタンブールで唯一混浴のハマムですが、脱衣室や垢すりをしてもらう部屋は個室なので、安心して利用できます。
- アー・ハマム
- イスタンブール / ハマム
- 住所:Kuloğlu Turnacıbaşı Cd. No:48 34433 Beyoğlu/İstanbul地図で見る
- Web:http://www.agahamami.com/
7.サルト・ガラタ
サルト・ガラタは、かつてはオスマン銀行の本店として使用されていた歴史ある建物です。2000年代初頭に再開発され、現在は現代アートが楽しめる文化センターとして利用されています。建物の外観はネオクラシカルなデザインで、内部は広々とした展示スペースやカフェ、アートギャラリー、書店が整備され、展示や講演会、映画上映などのイベントが行われています。
8.カモンドの階段
カモンドの階段は19世紀に建てられた、少し変わった形をした階段です。当時の富裕なユダヤ人商人カモンド家によって寄贈されました。石造りの美しい装飾が施された階段は、周辺の風情ある通りや街並みによくマッチしており、フォトスポットにもなっています。
9.イスタンブール絵画彫刻博物館
イスタンブール絵画彫刻博物館は、トルコの近代美術を代表する美術館で、1927年に設立されました。館内にはトルコの絵画と彫刻の重要なコレクションが展示されています。19世紀から20世紀初頭にかけてのトルコ美術の作品が並び、特にオスマン帝国時代の西洋化の影響を受けた作品が多く見られます。著名なトルコ人画家や彫刻家の作品も展示されており、トルコの芸術と文化の発展を理解することができる、貴重な場所です。
- イスタンブール絵画彫刻博物館
- イスタンブール / 美術館
- 住所:Kılıçali Paşa Meclis-i Mebusan Cd. No:6 34433 Beyoğlu/İstanbul地図で見る
10.ガラタポート
ガラタポートはボスポラス海峡に面するウォーターフロント複合施設です。2021年に開業し、クルーズ船のターミナル、ショッピングモール、レストラン、カフェが集まるエリアです。歴史ある地区にありながらもモダンな都市空間を堪能できる場所で、旅行者のみならず地元の人たちからも人気があるスポットです。
- ガラタポート・イスタンブール
- イスタンブール / その他スポット
- 住所:Kılıçali Paşa Meclis-i Mebusan Cd. No: 8 İç Kapı No: 102 34433 Beyoğlu/İstanbul地図で見る
11.ペラパレスホテル
ペラパレスホテルは歴史的な高級ホテルで、1892年に開業しました。オスマン帝国時代の豪華な建築と内装が特徴で、アグサ・クリスティーやヘミングウェイなど著名な客人を迎えたことで有名です。ビザンチン様式とオリエンタルなデザインが融合したエレガントな雰囲気を持ち合わせています。宿泊のほか、レストランやカフェのみの利用も可能です。
- ペラ パレス ホテル
- イスタンブール / 5つ星ホテル
- 住所:Mesrutiyet Cad. No. 52 Tepebasi Beyoglu, イスタンブール地図で見る
- Web:https://perapalace.com/en/
12.ヌスレティエ・モスク
ガラタポートからよく見えるヌスレティエ・モスクは、1823年、オスマン帝国のマフムト2世がクリコル・バルヤンという建築家に建設を依頼して造らせたモスクです。クリコル・バルヤンとは、当時のオスマン帝国の帝都イスタンブールにおける建築や設計に携わっていた、アルメニア系宮廷建築家一族のひとりです。オスマンとバロックの折衷が美しい仕上がりです。
- ヌスレティエ・モスク
- イスタンブール / 観光名所 / 建造物 / モスク
- 住所:Kılıçali Paşa Meclis-i Mebusan Cd. No:4 34425 Beyoğlu/İstanbul地図で見る
13.クルチ・アリ・パシャ・モスク
セリム2世の時代に活躍したオスマン帝国海軍提督のクルチ・アリ・パシャが、宮廷建築家ミマール・スィナンに依頼して造らせたのがクルチ・アリ・パシャ・モスクです。モスクの複合施設の一部として造られたハマムは現在は旅行者から大変人気があります。オスマン帝国時代の建築を堪能しつつ、お隣にあるハマムで旅の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。
- クルチ・アリ・パシャ・ジャーミィ
- イスタンブール / 社寺・教会
- 住所:Hamam Sokak ! 34425 Kemankeş Karamustafa Paşa İstanbul地図で見る
14.アラプ・モスク
アラプ・モスクは、元々は13世紀に建設された教会で、オスマン帝国時代にモスクに転用されました。名前の「アラプ」は、オスマン帝国のアラプ人兵士たちが寄付したことに由来しています。モスクの建築スタイルはビザンチン様式の影響を受けており、内部には精緻な装飾やアーチ型の天井が特徴です。静かで厳かな雰囲気の中で、イスタンブールの歴史と宗教的な背景を感じることができる場所です。
15.ソコルル・メフメト・パシャ・モスク
金角湾沿いにあり、地下鉄が通るハリッチ橋の袂にあるのが、スレイマン大帝を遠征中に看取った大宰相として知られているソコルル・メフメトのモスクです。青を基調とした内装に金角湾から差し込む太陽の光がよく映える、心落ち着く空間です。
- ソコルル・メフメト・パシャ・モスク(アザプカプ)
- イスタンブール / モスク
- 住所:Azapkapı Tersane Cd. 34421 Beyoğlu/İstanbul地図で見る
おわりに
新市街ベイオールでは、ビザンツ時代やオスマン帝国時代の名残を感じることができる一方で、トルコ共和国の時代になってから建設された商業施設や博物館で、イスタンブールの最新のアクティビティを楽しむこともできます。タクシム広場、イスティクラル通り、ガラタ塔、というよく知られた観光スポットの近くにあるものばかりなので、気になる場所にもぜひ立ち寄ってみてください。
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