鹿児島
鹿児島観光
世界遺産・屋久島を代表とする離島観光が人気

奄美大島限定!伝統工芸の泥染めは体験すべし!

取材・写真・文:

愛知在住

2019年9月25日更新

557view

お気に入り

写真:myao

海が綺麗で自然豊かな鹿児島県奄美大島。海でのアクティビティ以外にも、自然や植物からの恩恵で染める「泥染め」という伝統工芸がこの島にはあります。奄美でしか出来ない体験を是非!旅の日程に組み込んでみてはいかがでしょうか。

この記事の目次表示

泥染めとは

世界中で、奄美大島だけで行われている天然の染色方法です。バラ科の植物であるシャリンバイをチップ状にし、煮出して発酵させた液体に生地を浸け、数回染めた後、鉄分が豊富な田んぼの泥に数回浸けます。そうすることで、木に含まれるタンニン酸と泥の鉄分とが化学反応し、自然界ならではの独特な、優しい深みのある黒色に染まります。奄美大島に代々続く伝統的染め技法です。

  • 写真:myaoチップ状にしたシャリンバイ。
  • 写真:myaoシャリンバイを煮出し、発酵させた染料液

大島紬との関係

奄美大島には「大島紬」と呼ばれる伝統工芸品があり、手間暇かけて作られる繊細な絹織物は、とても高価な着物として知られています。

  • 写真:myao大島紬の色は泥染めの色。一本ずつ計算して染められた糸を織って模様にしていく。大島紬村にて
  • 写真:myao織る作業も、手のかかる繊細な仕事。一日に織れる長さは僅か数cm。大島紬村にて

大島紬の歴史は約1300年前から続いており、泥染めはその大島紬の代表的な染色方法とされています。泥染めもまた、奄美の自然と先代の知恵が合わさった、歴史的な技法なのです。

泥染めを体験しよう!

そんな伝統技法の泥染めを、気軽に体験できる施設が奄美大島には数カ所あります。筆者が訪れたのは、「肥後染色・夢しぼり」

  • 写真:myao泥染め体験ができる肥後染色さん

染め柄はたくさんの種類があり、スタッフが丁寧にサポートしてくれます。ストール、Tシャツ、カバンなど、染めアイテムを購入し、体験します。

体験料金:¥3,000 要予約(当日予約可)
販売染めアイテム:Tシャツ¥900〜、コットンストール¥1,500〜、トートバック¥500〜など
染めアイテム持込可。300g未満で1,2点。
天然繊維、綿、絹、麻など

汚れる可能性のある作業工程ですが、エプロンや手袋、靴なども無料で貸出しているので、気軽に手ぶらで体験できます。体験時間は1時間半〜2時間程。

  • 写真:myaoどんな模様に染めたいか、スタッフが相談にのってくれます。
  • 写真:myao工房には染めたアイテムがあるので、参考になります。
  • 写真:myaoその模様ならこうやって…
  • 写真:myaoゴムでギュッと縛って。どんな模様になるか楽しみ。

生地に絞り模様の細工を施したら、ひと通りの工程を聞き、実際にシャリンバイの染料液の中に生地を浸けて、染まりやすいように空気を含ませながら揉み洗い。5-10分この作業をして、石灰水で洗います。アルカリ性の石灰水で洗うことで、酸性の染料液と中和させ、染めの色を濃くする効果があるのだとか。この工程を数回繰り返すことで、徐々に茶褐色へと染まっていきます。

  • 写真:myao体験では数回、染料液で揉み浸ける。この作業が意外と大変。ジャージなどは借りられる。

染料液での染め作業後、今度は泥水の中へ。泥に含まれる鉄分を、シャリンバイ液のタンニンと反応させ、茶褐色を黒い褐色へと変化させます。そうすることで、色は安定し、生地はしなやかになるようです。

  • 写真:myao外のスペースが体験場所。水洗い場と奥に泥水。左側ボウルには染料液。

脱水機にかけて、生地に施した細工をとって、仕上がりの模様を見る時は感動ものです!あの細工でこんな模様が出来るのか!と、作品を見て大盛り上がり。

  • 写真:myaoギュッと縛ったことで大きな模様の渦巻きに。反対側のグラデーションは、染め液に浸ける回数を少なくした。

旅の思い出に!ワンランク上のお土産に!

いかがでしたか。自分で染めたアイテムを身にまとったり、お土産にすることも。奄美大島を思い出す逸品になること間違いなしです。筆者も日常で使うことができるストールを制作しましたので、身につける度に奄美大島の自然と、旅を思い出します。

  • 写真:myaoこれが染料となるシャリンバイ。
  • 写真:myao実際に職人が作業している所も。

筆者は「肥後染色・夢しぼり」にて、泥染め体験をしましたが、大島紬や泥染めについて知りたいと思い伺った「大島紬村」でも体験は行っていました。奄美大島には体験できる工房が数カ所あります。是非体験してみてくださいね。

  • 写真:myao昔ながらの泥染め風景。大島紬村にて
肥後染色 夢しぼり
鹿児島 / 体験・アクティビティ / 女子旅
住所:鹿児島県大島郡龍郷町戸口2176地図で見る
電話:0997-62-2679
Web:http://dorozome.com/
奄美大島紬村
鹿児島 / 体験・アクティビティ / 雨の日観光
住所:鹿児島県大島郡龍郷町赤尾木1945地図で見る
電話:0997-62-3100
Web:http://www.tumugi.co.jp/

次のページを読む

鹿児島の旅行予約はこちら


鹿児島のパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

鹿児島のホテルを探す

鹿児島の航空券を探す

鹿児島の現地アクティビティを探す

鹿児島のレンタカーを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


これで完璧!奄美土産31選はここで買う!

島特有の文化が残る奄美大島では、古くから島に伝わる調味料や、加工品が多くあり、お土産としても喜ばれそうな品が豊富です。特産品を使ったお菓子や、珍しい雑貨などと共...


大人のデートにも!九州のおすすめ遊び場16選

アトラクションが充実しているテーマパークや、思い出に残る体験ができるスポット、1日いても飽きないレジャースポットなど、大人のグループやカップルのデートでも楽しめ...

鹿児島空港で購入!お勧め土産13選【西郷隆盛グッズや名産黒豚も!】

鹿児島にアクセスする際に多くの人が利用することになるのが「鹿児島空港」です。地方空港でありながら、お土産の数はしっかりと充実!この記事では、鹿児島空港で買えるお...

西郷どんの故郷・鹿児島で楽しめる!7つのおすすめグルメ&観光ガイド

南九州を代表する町・鹿児島。明治維新の英雄のひとり・西郷隆盛(さいごうたかもり)ゆかりのスポットをはじめ、桜島の絶景を楽しめるスポット、さらに名物・黒豚料理を味...

奄美大島から20分!天国のように美しい「加計呂麻島」の魅力とアクセス方法

奄美観光の超おすすめ穴場スポット「加計呂麻島」。息を飲むほどに美しい海はもちろんのこと、総面積の95%が山林という大自然が残る秘境です。時間が止まったような日本...

この記事を書いたトラベルライター

暮らすように旅する事が大好き!クラフト作家ライター
いつからか、旅をして知らない世界を垣間見るのが大好きになった。
普段は銘木などでナチュラルアクセサリーやコモノを制作して、WEBやイベントで販売しています。"タンポポの綿毛と旅しよう"と題したペンダントも作る程の旅好き。観光地を巡るのも好きだけれど、地元の人が訪れる場所、ガイドブックに載っていないような場所を探して暮らすように旅する方が好き。モノづくりをしているので、海外のホームセンターで興奮して工具を買って帰ってきたこともあります(笑)。最近は山登りも始めて、旅先も大自然があるところが多くなりました。そんな私の目線から観た世界が、あなたの旅の発見や参考になったら幸いです。
https://www.myaonote.net/

【香川・父母ヶ浜】SNSで話題沸騰中!まるでウユニな写真を撮ってインスタ映え♪

香川県三豊市。ここに、最近インスタグラムやフェイスブックで話題の「父母ヶ浜(ちちぶがはま)」があります。どう話題かというと、南米ボリビアのウユニ塩湖で撮ったかの...


日本で唯一!砂浜を車で走れる!【石川】千里浜なぎさドライブウェイ!

金沢市街からのアクセスも車で40分程の、石川県羽咋(はくい)市。そこに、日本で唯一波打ち際を車で走れる砂浜、千里浜(ちりはま)なぎさドライブウェイがあります。な...


【静岡】城ヶ崎海岸の迫力がすごい!吊り橋と遊歩道を歩こう!

静岡県伊東市の南西に位置する城ヶ崎海岸。 伊豆東部火山群である大室山ができた約4,000年前の噴火で溶岩が海へ流れ出て、海の侵食作用で削られてできたのが城ヶ崎海...

【山梨】富士五湖の本栖湖へ千円札の富士山を観に行こう!

山梨県南都留郡富士河口湖町及び南巨摩郡身延町にまたがり、標高900mの高さにある本栖湖。富士五湖のひとつである本栖湖は、五湖の最西端に位置します。千円札には富士...

自然好きにはたまらない!小笠原諸島・母島で穏やかな島時間を満喫!

東京都に属する小笠原諸島には、父島と母島、2つの有人島があります。父島から定期船で約2時間、南へ約50kmの場所にある母島。人口500人未満の母島は、父島に比べ...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります