東洋のラスベガスとも言われるマカオですが、マカオの魅力はカジノだけではありません。街そのものが、「マカオ歴史市街地区」として2005年に世界文化遺産として登録されました。16世紀半ばにポルトガル人が居住して以来、東洋と西洋の文化が混在し、中国古来の景観と融合した独特のエキゾチックな街。多くの文化遺産が人々の生活の中で、ほぼ完全な形で保存されており、世界でも類を見ない貴重な場所です。ぜひ1度、足を運んでいただきたいと思います。
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マカオの世界遺産は30ヶ所!
マカオ歴史市街地区内には、22ヶ所の歴史的建造物や8ヶ所の広場など計30ヶ所があり、そのほとんどが、徒歩圏内に点在しています。すべてを1日で制覇することも可能ですが、場所を絞って、のんびりじっくり散策してみてはいかがでしょうか?必見の世界遺産10ヶ所をご紹介します。
【1】ギア要塞・ギア教会・ギア灯台
マカオで最も高い場所にあるギア要塞は、長い間、軍事用地として立入りが禁止されていましたが、1976年のポルトガル軍撤退を機に、観光地として解放されました。要塞の敷地内には、白と黄色のコントラストが美しい教会と灯台が建っています。
1622年に建てられた教会には、ポルトガルのギアの聖母が祀られています。また、教会の隣にある灯台は、1865年に建設されたもので、現代的な灯台としては、極東アジア最古の灯台といわれています。
- ギア要塞・ギア教会・ギア灯台
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- 住所:Colina da Guia, Macau地図で見る
【2】媽閣廟
1488年に創建されたといわれている、マカオで最も古く歴史のある中国式寺院です。その昔、媽閣廟のある海岸に上陸したポルトガル人が、住人に地名を尋ねたところ、寺の名前である「媽閣(マーコウ)」と返事をしたため、以後この地域全体を「マーコウ→マカオ(Macau)」と呼ぶようになったといわれています。
媽閣廟は、航海を安全に導くとされている海の女神が祀られています。写真の黄色いものはお線香。国によって形がこんなにも違うのですね。
【3】聖ポール天主堂跡
1602年~1640年にかけて建設された聖ポール天主堂は、当時「ローマ以東で最も美しい教会」と言われましたが、1835年の火事により崩壊してしまいます。
しかし、ファサード(正面)を残しただけの形になった今日でも、威風堂々とした姿は見る者を惹きつけ、圧倒的な存在感でマカオの象徴となっています。
【4】イエズス会記念広場
聖ポール天主堂跡の階段下の広場で、東洋初の高等教育機関、聖ポール大学を設立したカトリック・イエズス会を記念して命名されました。
広場は、マカオのシンボルとして広く知られる、聖ポール天主堂跡を訪れる観光客で常に賑わっています。
【5】セナド広場
ポルトガル伝来の石畳が波の模様に敷き詰められている、マカオを代表する美しい広場です。商店やレストランが多数建ち並ぶ繁華街の中心でもあり、常に多くの市民や観光客で賑わっています。
周囲には、ネオ・クラシック様式のカラフルな建物が建ち、華やかな雰囲気です。
【6】民政總署ビル
かつては、リアルセナドと呼ばれていたビルで、役所の本庁舎の役割を果たす建物。マカオ半島の東西を結ぶメインストリート「新馬路」の中心部に建つランドマーク的存在です。
現在は、館内の一部と庭園部を一般公開しています。ポルトガルの伝統タイル、アズレージョで装飾された中庭は、必見です。
【7】聖ドミニコ教会
1587年、3人のドミニコ会スペイン人修道士によって建てられた礼拝所が起源とされる教会です。現在の建物は、1828年に再建されたもので、緑色の窓が特徴的な、コロニアル風バロック様式のファサード(正面壁)や、黄色い壁に施された繊細な漆喰の装飾が、マカオ一美しいと評判です。
また、祭壇に祀られた薔薇の聖母子像から、「薔薇の教会」ともよばれています。
【8】聖ドミニコ広場
聖ドミニコ教会前の小さな広場で、マカオを代表する商業エリアの中心地にあたります。昔も今も変わらず、多くの地元市民や観光客で賑わう場所です。1990年代に歩行者天国として整備されてからは、セナド広場と聖ポール天主堂跡を徒歩で歩くルートの、ほぼ中間地点となっています。
【9】モンテの砦
1617年〜1626年にカトリック・イエズス会により築かれた敷地面積約8,000平方メートルの大型要塞です。高さ52mの丘の上に建ち、砲台、兵舎、火薬庫などを備え、2年間ろう城できるだけの武器と兵糧を蓄えていたといいます。
主にオランダなどの外敵からマカオを防衛する役割を担っていたので、砲台は東西海岸方向に向けて設置されており、中国大陸に向けていないことで中国への友好を示したとされます。頂上部への楽なアクセス方法は、聖ポール天主堂の右手から、マカオ博物館のエスカレーターを利用すると楽に登れます。
【10】仁慈堂
仁慈堂は1569年に、キリスト教の慈善福祉施設として設立されました。マカオに中国で初めて西洋式の病院を開設し、弱者の救済に力を注いだことでも知られ、現在も老人介護施設や保育園などの社会福祉施設を運営しています。ビルの1階部分は公証人役場として利用されており、2階部分は博物館となっています。