沖縄観光で欠かせないのが琉球王国の中枢として栄えた名城・首里城。世界文化遺産にも登録されており、赤瓦の「守礼門」をはじめ、豪華絢爛な朱色の「正殿」など、見どころ満載!また首里城周辺にも、歴史あるスポットや沖縄料理を味わえるお店もあります。今回は、首里城とその周辺の観光・グルメスポットをご紹介。ノスタルジックな街並みを散策しませんか?
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琉球王国の都・首里(しゅり)ってどんな町?
那覇市の高台に位置する首里地区。室町時代から明治時代までの約450年間にわたって「琉球王国」の首都として琉球の島々を治め、中国や日本、朝鮮など、東アジアの国々との外交や貿易を盛んに行いました。
そんな首里地区には、世界文化遺産に登録された「首里城」をはじめ、かつての国王が通った「首里金城町石畳道(しゅりきんじょうちょういしだたみみち)」、さらに村の生活を支えた高さ約10メートル共同井戸「金城大樋川(かなぐすくふふぃーじゃー)」など、琉球王国の首都として栄えた痕跡が残されています。
首里までは沖縄都市モノレール「ゆいレール」を利用するのが便利。1時間に7~8本運行しており、那覇空港からは約30分、那覇の繫華街「国際通り」のある県庁前駅や美栄橋(みえばし)駅、牧志(まきし)駅からは約10分~15分でアクセスできます。ただし、Suicaなどの交通系ICカードは利用できないのでご注意を。
また、首里をはじめとした那覇市内の観光に便利な「ゆいレール・フリー乗車券」も販売しています。首里城公園の入館料が割引になるなど、特定の施設やお店でお得な特典も受けられるので、ぜひチェックしてみて。
<電話番号>
098-859-2630(沖縄都市モノレール株式会社・代表)
<料金>
【1日券】おとな800円、こども400円【2日券】おとな1,400円、こども700円
<有効期間>
【1日券】購入後24時間有効【2日券】購入後48時間有効
<発売箇所>
ゆいレール各駅の券売機
※詳細は公式HPでご確認ください
まずは世界文化遺産・首里城を散策しよう!
※写真は2019年1月に撮影したものです。2019年10月31日、首里城正殿とその周辺の火災の影響で見学ができない状況で、復元時期も未定のため、しばらくは見ることはできません。今後の復元状況や園内の立ち入りなどについては、公式ホームページをご覧ください。
首里駅から歩いて約15分のところにある「首里城公園」。13世紀末から14世紀中頃に創建されたといわれており、正殿をはじめ、2千円札の絵柄になった「守礼門(しゅれいもん)」など、琉球王国の中枢として栄えた痕跡が残されています。1945年4月から6月の太平洋戦争時の沖縄戦で焼失しましたが、1950年代後半から2000年代前半にかけて復元。
2000年12月には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のひとつとして、首里城の遺構部分が「世界文化遺産」に登録されました。赤瓦が目を引く「守礼門」は1527年~55年に創建され、扁額(へんがく)に書かれた「守礼之邦(しゅれいのくに)」とは、“琉球は礼節を重んじる国”という意味が込められています。
歴史ある門や絶景スポットが集まる「無料エリア」
まずは無料で見学できるエリア内での見どころについてご紹介します。守礼門をくぐって少し歩いたところにある「園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)」は首里城跡と並んで世界文化遺産に登録。琉球の信仰における聖域でもある御嶽を拝礼するために造られた礼拝所で、琉球国王が外出する際にここで安全祈願を行ったといわれています。
- 園比屋武御嶽石門
- 那覇市 / 遺跡・史跡 / パワースポット / 世界遺産
- 住所:沖縄県那覇市首里真和志町1丁目17−3地図で見る
- Web:http://oki-park.jp/shurijo/guide/52#a02
首里城内へ入る第一の正門「歓会門(かんかいもん)」から少し歩くと見えてくるのが「龍樋(りゅうひ)」。石で作られた龍の彫刻の口から水が出ていますが、この水は王宮の飲料水として使われました。1523年に当時の宰相が中国から持ち帰った彫刻で、約500年前の形を残す貴重なスポットです。
龍樋の近くにある「瑞泉門(ずいせんもん)」は双璧の門の上に直接やぐらを乗せた門。「瑞泉」とは“めでたい泉”を意味しており、龍樋にちなんで名付けられました。1470年頃に創建されましたが、太平洋戦争時の沖縄戦で焼失。1992年に復元されました。
また沖縄・首里の景色を眺めることができるスポットもあります。券売所として使われている「広福門(こうふくもん)」近くの日影台や、城郭の西側にある物見台「西(いり)のアザナ」から眺めることでき、那覇市内の街並みや東シナ海を見渡せます。
歴史ある資料や痕跡を見ることができる「有料エリア」
ここからは首里城・正殿を含む有料エリアの見どころをご紹介します。「奉神門(ほうしんもん)」をくぐって見えてくるのが、中庭広場「御庭(うなー)」と朱色の「正殿」。1992年に復元された琉球王国最大の木造建築で高さ16メートル、延床面積1,200平方メートルもの大きさを誇る3階建ての建物です。
城と聞いて、天守閣のイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、首里では宮殿のような建物が本丸。中国・北京にある紫禁城(しきんじょう)がモデルといわれていますが、栃木・日光東照宮で見られる「唐破風妻飾(からはふつまかざり)」や獅子、金龍も飾られていることから日本の建築様式も取り入れています。
正殿の内部へは「南殿(なんでん)」にある番所から入ります。殿内では、琉球王国の歴史について紹介しているほか、中国や江戸幕府、薩摩藩への献上品、王朝時代に使われていた調度品など、貴重な史料や美術工芸品が展示されています。
また、国王の執務室だった「書院」や客人を接待した「鎖之間(さすのま)」、奥書院からは美しい庭園を見ることができ、松やソテツ、そしてサンゴで作られた琉球石灰岩をたくみに使った美しい景色を楽しめます。
さらに「鎖之間」では、琉球王朝時代の伝統菓子やお茶を提供。南蛮菓子「花ぼうろ」をはじめ、胡麻あんが入った「くんべん」、赤く染めた落花生が入った「ちいるんこう」、そして沖縄を代表する焼き菓子「ちんすこう」の、4種類のお菓子を堪能できます。沖縄で人気のあるジャスミン茶「さんぴん茶」と一緒に味わってみて。
国王や王妃、王母のプライベート空間「黄金御殿(くがにうどぅん)」や「寄満(ゆいんち)」を通るといよいよ正殿の内部に入ります。正殿2階の「大庫里(うふぐい)」は、国王や親族、女官たちが使った私的な生活空間。男子禁制の領域だったフロアで最も豪華な装飾が施された玉座が展示されています。
また階段を下りて1階にある「下庫里(しちゃぐい)」は、国王自らが政治や儀式、年中行事を執り行った場所。中央の御差床(うさすか)に国王が鎮座し、その前に役人たちを集めて会議などを行いました。カラフルな柱が立っているものの、2階と比べると装飾は控えめな造りとなっています。
有料エリアの見学の締めくくりは「北殿(ほくでん)」。正殿に隣接するオフィスで江戸時代末期、アメリカのペリーが首里に訪れた際にここで宴が催されました。現在は展示室やミュージアムショップとして使われており、オリジナルの紅型髪結(税込540円)や花ぼうるちんすこう(税込600円)など、お土産にピッタリな雑貨やお菓子を販売しています。
その他の見どころスポットもご紹介!
その他にも、首里城公園には歴史的な史跡があります。守礼門から少し歩いたところにある「弁財天堂(べざいてんどう)」は、16世紀に琉球王国の第三代国王・尚真王(しょうしんおう)によって創建されたお堂。航海安全の女神「弁財天」が祀られており、首里城内の湧水や雨水を集める貯水池として造られました。
お堂の目の前にかかる小さなアーチ状の橋「天女橋(てんにょばし)」は国の重要文化財に指定されており、石の欄干にはハスの彫刻が施されています。
- 弁財天堂
- 那覇市 / 遺跡・史跡
- 住所:沖縄県那覇市首里 首里城公園内地図で見る
- 電話:098-886-2020(首里城公園管理センター)
- Web:http://oki-park.jp/shurijo/guide/58
また弁財天堂から歩いてすぐのところにある「龍潭(りゅうたん)」は、1427年に造られた人工池。琉球王朝時代には、中国皇帝の使者をもてなす場として舟遊びや宴が行われました。周辺には、緑豊かな遊歩道が整備されているほか、県道29号側からは首里城を眺められます。
- 龍潭
- 那覇市 / 自然・景勝地
- 住所:沖縄県那覇市首里 首里城公園内地図で見る
- 電話:098-886-2020(首里城公園管理センター)
- Web:http://oki-park.jp/shurijo/guide/58
- 首里城
- 那覇市 / 遺跡・史跡 / 世界遺産
- 住所:沖縄県那覇市首里金城町1丁目2地図で見る
- 電話:098-886-2020(首里城公園管理センター)
- Web:http://oki-park.jp/shurijo/