モザンビーク

【モザンビーク】世界で最も美しい駅!首都マプト

取材・写真・文:

東京在住
訪問エリア:191ヶ国

2023年6月27日更新

2,587view

お気に入り

写真:toshel

モザンビークの首都にあるマプト駅は、わざわざ観に行く価値のあるアフリカ屈指の美しい駅です。エンターテイメント性も持ち合わせたこの駅と、ポルトガル占領時代のコロニアル建築が色濃く遺る街並みが見事な首都マプトをご紹介します。

この記事の目次表示

モザンビークはどこにある?

モザンビークは、インド洋に面したアフリカ大陸南東部に位置する国です。

首都マプトの海沿い高台の一角にはマンションが立ち並び、そこから眺めるインド洋は世界の果てのような静けさと美しさです。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

モザンビークの歴史

およそ300万年前から人類が居住していたとされるモザンビークは、有史紀元前1世紀にヨーロッパ人、8世紀にはアラブ人との交易が盛んとなった開かれた貿易拠点でした。

17世紀にポルトガルによる植民地となり、長らく奴隷貿易の隠れ拠点ともなりました。

  • 写真:toshel

この頃はちょうど日本の戦国時代にあたり、ポルトガル人宣教師が奴隷として日本へ同行させたモザンビーク人を、天下の織田信長が気に入り、家臣として召し抱えたとの説もあります。信長はモザンビーク人の彼を「弥助」と名付けたそうですよ。

ポルトガルの占領時代が長かったため、首都マプトの建物は現在もコロニアル建築が多くみられます。そして、当時の一般家屋の壁はアズレージョ(ポルトガル・タイル)が施されています。

  • 写真:toshel

家自体は廃屋になってしまっても、アズレージョだけは美しく映えていますね。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

モザンビークは20世紀に戦争を経て独立を果たしますが、その後1977年から15年にわたり内戦が続き不安定な政情が続きました。

首都マプトを歩いてみよう

それでは早速、コロニアル時代の名残を感じるモザンビークの首都マプトを散策してみましょう。

独立広場(Indipendence Square)

独立広場はマプトの中心部にある広場です。ポルトガル人によって建設されましたが、1975年の独立後に広場中心の像がポルトガル人からモザンビーク初の大統領「サモラ・マシェル」に置き換えられ、名前も独立広場と変わりました。広場は、市庁舎、聖母大聖堂、アイアンハウスなど美しい建物に囲まれています。

  • 写真:toshel
独立広場(マプト)
モザンビーク / 広場
住所:独立広場 maputo地図で見る

マプト要塞(Fortress of Maputo)

ポルトガルによる占領に抵抗した際に使用された要塞です。

  • 写真:toshel

現在は史跡博物館となっています。

  • 写真:toshel
マプト要塞
モザンビーク / 博物館
住所:マプト要塞地図で見る

11月10日通り

インド洋沿いに続く11月10日通り(マプト市創立記念日)は、長くて広いプロムナードになっています。

  • 写真:toshel

市民の憩いの場ともなっており、ココナッツジュースや地元のファストフードなどの露店が出て、昼間は賑わっています。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

一目で分かる空きペットボトル入れがユニークで良いですね!

  • 写真:toshel

通り沿いには政府系の建物が整然と並んでおり、これらの近代的な建築物も見どころです。

  • 写真:toshel
11月10日通り
モザンビーク / 町・ストリート
住所:11月10日通り Maputo地図で見る

マプト駅(世界遺産)

マプト駅は、エレガントで歴史あふれる鉄道の駅。1910年に発足し、古くからの歴史浪漫がありながら、現代でも決して古さを感じさせないマプトを代表する観光名所です。

現在もターミナル駅として機能しながら、鉄道歴史博物館やレストランカフェ、また、定期的に音楽イベントも開催されるなど、電車に乗る人でなくとも、様々な目的で多くの人が集まります。

  • 写真:toshel

メインファサードは3つのドームが連なり、正面から見るとまるでヨーロッパの宮殿のよう。

  • 写真:toshel

メインホールやカフェ・レストランへ通じるサイドの通路は、エメラルドグリーンを基調としており高級感があります。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

現役の鉄道駅でもあり、マラウィを経由してタンザニア(Goba)まで行く長距離列車もあります。

  • 写真:toshel

西側のプラットホームにある発車ベルは、現在も使われており、古いながらも何故か新鮮さを感じさせます。これらのちょっとした「物」が魅力的に映りますよ。

  • 写真:toshel

両サイドのホーム間には鉄道博物館があります。

  • 写真:toshel

古い機関車や、駅発足当時に使用されていた機械が展示されているなど、鉄道ファンでなくとも必見の博物館です。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

「世界で最も美しい駅」の一つ

マプト駅はアメリカの雑誌『Travel+Leisure』で「世界で最も美しい駅10選」に選ばれています。東側のプラットホームにはマプト駅と共に「世界で最も美しい駅」に選ばれた駅舎が等間隔に掲げられています。

  • 写真:toshel

選ばれた駅は、インドの首都ムンバイのChhatrapati Shivaji駅。

  • 写真:toshel

トルコの首都イスタンブールのSirkeci駅。

  • 写真:toshel

そのほかにも、ロンドンのパンクロス駅、ポルトガルの主要都市ポルトにあるベント駅。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

我らが日本の金沢駅も!

  • 写真:toshel
マプト駅
モザンビーク / 駅
住所:Maputo station地図で見る

労働広場(Workers Square)

マプト駅前にある広場です。中央には、第一次世界大戦時で倒れたモザンビーク兵士を称える記念碑が立っています。

  • 写真:toshel
労働広場
モザンビーク / 広場
住所:Workers square maputo地図で見る

国立地質学博物館(Museo Nacional de Geologia)

アフリカ大陸の鉱物、植物、岩石、化石など地質学に関する展示物のある博物館です。少々異質ですが、地球と人類の歴史を感じさせてくれます。

  • 写真:toshel
国立地質学博物館
モザンビーク / 博物館
住所:Museo macional de geologia maputo地図で見る

金曜日のモスク(Jumma Masjid)

2002年に改装され現在の姿となりましたが、マプトに元々ある最も古く、かつ最大のモスクです。モザンビーク国民は40%がキリスト教、20%がイスラム教です。

  • 写真:toshel
金曜日のモスク
モザンビーク / モスク
住所:jamma masjid maputo地図で見る

カテンベ橋(Ponte Maputo-CaTembe)

首都マプトと対岸カテンベを結ぶアフリカで最も長い吊り橋です。これまで船輸送に頼っていたマプトからの簡易輸送を始め、過密化するマプトの人口緩和も目的としています。

  • 写真:toshel

カテンベ橋はアフリカ最長の吊り橋として注目を集め、2018年の開通以来、世界中で様々な賞を受けましたが、一方では中国による一帯一路政策による債務の罠に嵌(はま)っており、国家予算をも揺るがす大失態の様相を見せ始め、あらゆる意味で未だに注目されています。

カテンベ橋
モザンビーク / 橋
住所:ponte CaTembe地図で見る

モザンビークで使用されている言語

モザンビークは、ポルトガル植民地時代の名残から、公用語をポルトガル語としています。しかし現地人同士では、元々あるいくつかの現地語が話されています。

モザンビークの治安

都市部の治安は総じて良いです。一方、地方の観光地以外には未だ吸血鬼が信じられ、魔女狩り事件が起きるような地域もあります。

  • 写真:toshel

モザンビークへの行き方

日本からの直行便はありませんので、アジアや中東、ヨーロッパを経由して行きます。

モザンビークの旅行予約はこちら


モザンビークのパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

モザンビークのホテルを探す

モザンビークの航空券を探す

モザンビークのWi-Fiレンタルを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

この記事を書いたトラベルライター

地球旅~現在192ヵ国~
行ったことのない国を中心にひとり旅しています。他国の歴史、文化、宗教、遺跡、そしてそこに住む人々の考え方に興味があります。

車の運転が好きなので、海外ではドライブ旅を楽しんでます。普段は会社員です。

【ホンジュラス】世界屈指の犯罪都市テグシガルパ

世界の治安が悪い国ランキングなどを見ると、毎年必ず上位になってしまうホンジュラス。しかし、手つかずの美しい自然が多く、世界遺産に登録されたマヤ文明のコパン遺跡を...


【レバノン】ベイルート・ビブロス・バールベックの見どころ

遠い昔、世界の中心が地中海にあった時代、レバノンは東西貿易の交差点となる重要な位置にあり、繁栄の極みにありました。古くから数多くの王様や将軍が、この土地を挙って...


カリブの島はどこがいい?陽気レゲエでちょっぴり危険な「バルバドス」どこまでも静かな「アンティグア」

カリブ海には、大小様々な島がおよそ700あります。そのほとんどは欧米各国の領土で、独立国はわずか13カ国のみ。今回は、その中より対極にある2つの小さな島国をご紹...

【サウジアラビア】ついに観光ビザ解禁!閉ざされていた王国の珍しい文化と各都市の見どころ

観光での入国が困難だったサウジアラビアが、2019年9月27日に突然、ツーリストビザの発給開始を発表しました。今回は、サウジアラビアに古くからある慣習と文化、そ...

【ベネズエラ】世界の危険都市上位?首都カラカス

世界屈指の産油国にしてハイパーインフレーションに陥った南米の国ベネズエラ。かつて、スペイン植民地から独立へと導いた英雄「シモン・ボリバル」の生まれ育った街でもあ...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります