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吉田松陰も訪れた!【長崎県江迎町】の歴史と魅力をたどる旅

取材・写真・文:

トラベルライター

2017年11月9日更新

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写真:トラベルライター

長崎県佐世保市江迎町(えむかえちょう)は、千灯籠(せんとうろう)まつりで有名な町です。千灯籠まつりは、毎年8月23日、24日に開催されています。千灯籠まつりは実に400年ほど続くおまつりですが、それ以外にも、江迎町には素晴らしい魅力があります。かつて吉田松陰も訪れたこの町の魅力を、歴史とともにたどります。

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長崎県江迎町

長崎県佐世保市江迎町はかつて、北松浦郡江迎町として独立した町でした。平成22年に佐世保市と合併し、自治体としては佐世保市に属していますが、今でも江迎町独特の歴史と風土で訪れる人々を魅了しています。

以下より、そんな江迎町の見どころを紹介していきます。

江迎千灯籠まつり

  • 写真:トラベルライター江迎灯籠タワー

一年で一番多く観光客が訪れるのが、8月23日、24日の千灯籠まつりの時期です。その歴史をたどると、1400年代までさかのぼります。毎年8月23日、24日が近づくと、江迎中央公園にある約25メートルの三角形の鉄塔に3,000個以上の灯籠が飾られます。

昼と夜で違う顔を見せるこのおまつりでは、昼には水掛け地蔵まつり、夜には3,000個以上の灯籠に明かりが灯る、千灯籠まつりが開催されます。昼のおまつりで活躍する地蔵菩薩は、1400年代に平戸松浦家21代当主が彫刻したものだと言われています。

水掛け地蔵まつりの始まり

水掛け地蔵まつりは、寿福寺に安置されているお地蔵さまを運び出し、川で水をかけた後、今度は水をかけながら町を練り歩くおまつりです。

  • 写真:トラベルライター水掛け地蔵まつり

その昔、お地蔵さまが保管されていた竜瑞庵(りゅうずいあん)が朽ち、子供がお地蔵さまを川に持って行って水をかけたり、川にしずめたりして遊んでいたそうです。そこに通りがかった侍が、お地蔵さまで遊んでいる子どもたちを見て、罰が当たると叱ったそうです。

その後、お地蔵さまを作ったのが平戸松浦家21代当主だと知り、竜瑞庵に再び安置し、鍵をしっかりと閉めてしまったそうです。その夜、その侍は高熱にうなされ、「われは竜瑞庵の地蔵なり。せっかく子どもたちと楽しく遊んでいたのに鍵を閉めるとはなにごとか。」と口走りました。

それを聞いた村人が慌てふためいて鍵を外し、再び子どもたちが自由に遊べるようにしました。すると、侍の熱はたちまち下がったと言い伝えられています。それ以来、毎年この時期になると、お地蔵さまを運び出し、水をかけて無病息災を願うようになったことが水掛け地蔵まつりの始まりとされています。

江迎千灯籠まつり
長崎 / イベント・祭り / 夏のおすすめ観光スポット / インスタ映え
住所:長崎県佐世保市江迎町長坂 江迎中央公園地図で見る
電話:0956-65-2300(8月16日より電話開通8月27日まで)
Web:http://sentourou.com/hp/index.php

吉田松陰の腰掛石

吉田松陰は、わずか29年という短い人生の中で、日本の多くの若者に影響を与えた人物です。現在でも、吉田松陰を師と仰ぐ人もいるのではないでしょうか。

  • 吉田松陰像

そんな松陰は、1850年21歳のときに西洋の兵学と学問を学ぶために長崎を訪れています。その際、平戸藩主であった葉山鎧軒に教えを請い、約50日間平戸に滞在しました。松陰が記した西遊日記に、8月13日に江迎に宿泊したことが記されています。なかなか宿を見つけられず、やっと江迎で宿を見つけたときに安心して腰かけたとされる石が江迎中央公園に置かれています。

  • 写真:トラベルライター

吉田松陰が腰かけた石に座って、当時に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

吉田松陰の腰掛石
長崎 / 遺跡・史跡
住所:佐世保市江迎町長坂 江迎中央公園地図で見る

江迎本陣屋敷

長崎県指定史跡になっている江迎本陣屋敷は、平戸藩主専用の宿泊所で、参勤交代の際に殿様が休んだ場所です。また、天明9年(1789年)完成当時の状態がほぼ残っているとても珍しい本陣跡でもあります。

  • 写真:トラベルライター江迎本陣跡

御成の間(枕水舎・ちんすいしゃ)

  • 写真:トラベルライター御成の間(枕水舎)

ここは、殿様が実際にお休みになられた処です。天保元年から二年にかけて再建されました。八畳二間の上段は殿様の休み処、下段には茶道をたしなむための炉畳みがあります。こちらの炉では今でも、鎮信流(ちんしんりゅう)のお茶会が行われています。

参勤交代絵図

当時の平戸藩の参勤交代の様子を描いた資料です。この絵は教科書にも使用されているそうです。

  • 写真:トラベルライター参勤交代絵図

平戸三川内焼(ひらどみかわちやき)

江迎本陣跡には、様々な種類の平戸三川内焼が展示されています。平戸藩26代当主松浦鎮信が朝鮮の役から連れ帰った陶工によって始まったのが平戸三川内焼です。こちらに保管されている平戸三川内焼は貴重なものばかりです。

  • 写真:トラベルライター釘隠し(三川内焼)
  • 写真:トラベルライター栗の置物(三川内焼)
  • 写真:トラベルライター蛇の置物(三川内焼)

吉田松陰が送った硯石(すずりいし)

  • 写真:トラベルライター

この硯石は、勉学を終えた吉田松陰が萩に帰ってから、葉山鎧軒にお礼のために送った品とされています。この硯は赤間石でできている大変貴重なものです。硯の裏には、「寅二」と松陰の幼少期の通称が刻まれています。

築山

本陣にある裏庭です。表庭とともに京都の庭師によって造られました。縁側に座って見る景色と、立って見る景色が全く違って見えるのが不思議です。縁側に使われているのは欅の木で、当時のまま残っています。

  • 写真:トラベルライター裏庭「築山」
江迎本陣屋敷
長崎 / 建造物 / 歴史的建造物
住所:長崎県佐世保市江迎町長坂209 江迎本陣屋敷地図で見る
電話:0956-65-2209
Web:https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/638/

おわりに

季節ごとに表情を変える長崎県江迎町は、長い歴史とともに大きな魅力を育んできました。先人たちも眺めた景色を見に出かけませんか?

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