奈良県の安堵町は、奈良盆地のほぼ中央に位置する小さな町です。観光の町というイメージはあまりないかもしれませんが、実は資料館や文化財、隠れ家的なパン屋もあり、散策を楽しむことができます。田畑と住宅が混在するのどかな町を歩いてみませんか。
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奈良県安堵町とは
安堵町(あんどちょう)は、奈良県北西部にある人口約7,000人の町です。面積4.31平方キロメートルの小さな町は、その多くが田畑と住宅地で、のどかな風景が広がっています。
奈良県内の他の市町村と比べ、観光資源が豊富というわけではありませんが、古い邸宅を改装した資料館やレストラン、公園などが点在しています。近年では観光拠点施設がオープンするなど、観光への取り組みもされており、散策を楽しむ人の姿も見られます。
それでは、安堵町の見どころをご紹介していきます。
安堵町文化観光館「四弁花」
安堵町文化観光館「四弁花」(しべんか)は、安堵町の観光発信施設として、令和元年8月にオープンした施設です。「四弁花」という名称は、安堵町出身で近代陶芸作家の巨匠である、富本憲吉(とみもと けんきち)の作品に用いられた、四弁花模様が由来となっています。2階建ての施設は、1階がギャラリー兼休憩室、2階が研修室となっています。
1階では、富本の生前の業績を紹介しているほか、安堵町の特産品の展示、観光スポットのパンフレット配布などを行っています。係員が常駐しているので、安堵町の観光スポットについてたずねることもできます。
- 安堵町文化観光館「四弁花」
- 奈良 / 休憩所
- 住所:奈良県生駒郡安堵町東安堵1352地図で見る
- 電話:0743-57-1540
- Web:https://www.town.ando.nara.jp/contents_detail.php?...
うぶすなの郷 TOMIMOTO
うぶすなの郷 TOMIMOTOは、富本憲吉の生家を改装した、体験型宿泊施設です。建物内部には、客室、レストラン、庭園などがあり、宿泊やレストランなどの施設利用者のみ、入場することができます。
客室は、富本憲吉が居間としていた和室や、大正時代に建てられた蔵を現代風に仕上げており、歴史を感じながら快適に過ごせそうです。
レストランは、明治時代に建てられた本館にあり、地元の食材を贅沢に使用した料理がいただけます。ランチは、先付、箱、ご飯、デザートなどがいただける「うぶすなの小箱」(3,300円)や、箱にお造りや小鍋も付いた「うぶすなの箱」(5,500円)などがあります。
ディナーは会席料理となっており、うぶすなの会席「竹林月夜」(8,800円)、料理長おまかせ会席「花」(13,200円)のほか、予算に応じた料理の提供も可能です。どちらも当日の3日前までに予約が必要ですが、その分落ち着いて食事を楽しむことができそうです。
こちらでは、ほかにも、各種体験メニューが用意されています。季節の植物を使って作る苔玉づくり体験、陶芸家の富本憲吉にちなんだ陶芸体験、素焼きの皿、湯呑みへの絵付け体験も行っているので、興味のある方は、問い合わせてみてください。
- うぶすなの郷 TOMIMOTO
- 奈良 / 体験・アクティビティ / ホテル / 和食
- 住所:奈良県生駒郡東安堵1442地図で見る
- 電話:0743-56-3855
- Web:https://and-tomimoto.jp/
安堵町歴史民俗資料館
安堵町歴史民俗資料館は、安堵町の歴史や文化、伝統産業を紹介し、伝承していくために設置された施設です。建物は、町の出身で、明治時代に奈良県が大阪府に合併された後、奈良県の独立、再設置の運動に尽力した今村勤三氏の生家を改装しています。
今村氏や伝統産業「灯芯」についての展示
館内では、今村氏に関する資料の展示のほか、町の伝統産業「灯芯」についても紹介されています。灯芯とは、行灯、和ろうそくなどの燃え芯のことであり、安堵町では、畳などに使用される植物「いぐさ」の表皮を引き裂いて作る「灯芯引き」が古くから行われてきたそうです。
天理軽便鉄道に関する展示
かつて町内を走っていた鉄道を紹介するコーナーにも注目してみてください。現在、町の中心部には鉄道が通っていませんが、大正4年から昭和20年までの間は、町内を東西に走っていました。これは天理軽便鉄道(てんりけいべんてつどう)と呼ばれるもので、西にある斑鳩町から現在の町内中心部を通り、東の天理市までを結んでいたそうです。
昭和になると、太平洋戦争の戦況の悪化により、安堵町内を通る区間は廃止されましたが、町外の東側区間は残り、現在でも近鉄天理線として営業されています。町内には、鉄道跡がいくつか残っているので、興味のある方は、資料館で尋ねて歩いてみるのも良いかもしれません。
旧今村邸の建物や庭園
旧今村邸の建物や、庭園もじっくりと見学してみることをおすすめします。建物は、主屋、蔵、茶室などからなり、延床面積は、約723平方メートルと、とても広いです。
表門や茶室は、弘化4年(1847年)の建築だそうです。主屋の廊下から眺める庭園や茶室の雰囲気も良く、落ち着いた気分で見学できますよ。
よく手入れされた庭園や周辺では、ウメ、サザンカ、ボタンなど、さまざまな花が一年を通して楽しめます。筆者が訪れた際には、あじさい、花しょうぶが美しく咲いていました。入口を入って右手奥の庭園には、勤三桜と呼ばれるしだれ桜があり、春には美しく咲くそうです。
- 安堵町歴史民俗資料館
- 奈良 / 博物館 / 歴史博物館
- 住所:奈良県生駒郡安堵町東安堵1322地図で見る
- 電話:0743-57-5090
- Web:http://mus.ando-rekimin.jp/