ユトレヒト郊外にはオランダで最大規模のお城があり、とても大きな公園と美しい庭園も備えています。夏にはバラが咲きとても美しい光景を見ることができます。そのデハール城と周辺にある公園の様子についても紹介していきます。
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デハール城について
中世から存在するオランダで一番大きなお城ですが、今日に至るまでに様々な出来事がありました。デハール城は13世紀に建てられ、その名の通りデ・ハール(De Haar)家が所有していましたが、15世紀になるとファン・ザイレン(Van Zuylen)家と結びつくことになりました。
その後、お城は17世紀に起きた戦争とユトレヒトを襲った大きな嵐による被害で、長い間放置され廃墟のようになってしました。しかし、19世紀にファン・ザイレン家のエティーナ男爵は、ヨーロッパの財閥で有名なロスチャイルド家の令嬢と結びつき、このことがきっかけで公園も含めてお城を再建することになったのです。
再建に携わった人物は、アムステルダム国立美術館やアムステルダム中央駅をデザインした、オランダ人建築家のピエール・カイパースです。お城と公園の所有権は2000年にデ・ハール財団に売却され、それからは財団が管理するようになり、お城の博物館として一般に公開しています。
デハール城の様子
お城の中には見学ルートが記されていて、順番に各部屋を見て回れるようになっています。まず最初に目に飛び込んでくるのが大ホール。たくさんの彫刻の像や壁には絵画なども掛けられてあり、天井付近にはステンドグラスも見られます。
大ホールには数多くの男爵のコレクションを展示してありますが、その中には18世紀に徳川将軍が使用していた駕籠の一つが、ここに飾られてあるのです!
城内にある数々のお部屋も見学
このお城には200の部屋があると言われてますが、どの部屋もとても豪華に飾られていています。
とてもエレガントなダイニングルームでは、当時の豪華な食卓の様子が想像できます。
たくさんあるベッドルームの中にはり、エティーナ男爵と男爵夫人の部屋もあり、当時は別々の部屋で寝ていたそうです。これらの部屋の装飾を見ると、当時におけるヨーロッパ貴族の生活の様子が伺えます。
実際に使用されていたキッチンルーム
見学ルートの最後はキッチンルームへと移動します。この大きなキッチンは、1970年代まで実際に使用されていました。
数多くある銅製のフライパンや鍋などには、それぞれに『ZUYLEN』の名前が刻まれている、他には無い特別なものです。そして、この中にある一番大きな鍋は、なんと25キロの重さがあるそうです!
最後は庭からの外観も
見学を終えて外へ出ると、隣の小さなお城へと繋がる橋を渡って行きます。このお城の中には入れませんが、目の前には小さな庭もあるので外からの光景も楽しめます。
バラの咲く美しい庭園
デハール城へ来た時に是非とも見ておきたいのがバラの庭園です。1,200本以上にも及ぶ79種類のバラがあり、春の終わりから夏にかけて咲くバラの花を見るのは、デハール城を訪れる楽しみの一つです。
バラの庭園の隣にはボックスウッドガーデン(Boxwood Garden)、お城の側面側にはローマンガーデン(Roman Garden)などがあります。庭園の所々にベンチシートも置かれているので、腰をかけて美しい庭園やお城を眺めるのもいいですね。
緑いっぱいに覆われたフラワーアーチには、春になると藤の花が、そして夏にはバラの花で飾られ、とてもロマンチックな感じが味わえます。