近年世界で最も注目されてるアーティストと言っても過言ではない「バンクシー」。日本でも2020年3月15日からバンクシー展の開催が予定されており、その注目度は留まるところを知りません。そんなバンクシーの作品の数多くは、パレスチナに存在しています。今回はパレスチナに存在するバンクシーの作品をマップ付きでご紹介いたします!
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バンクシーとは何者か
バンクシーはイギリスを拠点に活動するアーティスト。バンクシーという名がありながら、実はそのプロフィールは公式には公開されておらず、どのような人物なのかは明らかにされていません。
バンクシーは世界の都市に神出鬼没に繰り出しては、様々なグラフィティを作成しており、その内容は社会的風刺に富んだ内容となっています。このゲリラのような行為と謎に包まれたプロフィールが、バンクシーを世界的なアーティストへと押し上げました。
そして今回紹介するパレスチナのベツレヘムは、バンクシーが作品を数多く残した唯一の都市なのです。
パレスチナ・ベツレヘムのバンクシーアート
防弾チョッキを着た鳩
平和の象徴であるオリーブの枝を加えた鳩。そんな鳩が防弾チョッキを着て、銃によって狙われています。鳩の絵の正面にはイスラエル軍の監視塔があり、この照準はその監視塔からのものを描いているとも言われています。
- 防弾チョッキを着た鳩
- パレスチナ / その他スポット
- 住所:Palestinian Heritage Center地図で見る
兵士のボディチェックをする少女
本来はボディチェックをするはずの兵士と、されるはずの少女が逆の立場となった作品。イスラエルのパレスチナに対する抑圧への批判や皮肉が垣間見える作品です。こちらの作品は土産物店の内部にあるため、建物の中に入ると見ることができます。
- 兵士のボディチェックをする少女
- パレスチナ / その他スポット
- 住所:Bethlehem Museum地図で見る
花束を投げる少年
数あるバンクシー作品の中で、最も有名な作品がこちら。覆面をして、今まさに火炎瓶を投げつけて攻撃をせんとする少年の手には花束が握られています。暴力やテロに対する批判、平和を求めるバンクシーの気持ちが感じられる作品です。
こちらはガソリンスタンドの壁に描かれています。
ハートをこぼす天使
手から黄金のハートをこぼす天使の絵。実はこちらがパレスチナにおけるバンクシーの1作目と言われており、バンクシーのパレスチナ内での活動はこの作品から始まりました。
こちらは自動車整備工場の壁に小さく書かれています。
分離壁をこじ開ける天使
通常よりも隙間が開いた分離壁に描かれている2人の天使。本来ならば手荒なことをしない天使が強硬手段に出ている様は、壁をこじ開けてでも外に出たいと願う、本来は心優しいパレスチナの人々の気持ちを代弁したかのような作品です。
こちらはバンクシーの手がけたホテル、THE WALLED OFF HOTELの脇にある小道沿いの分離壁に描かれています。
- 分離壁をこじ開ける天使
- パレスチナ
- 住所:walled off hotel地図で見る
最新作 ベツレヘムの傷跡
迫撃砲による穴を表現したコンクリートのブロック壁を背に、キリストの生誕シーンを描いた作品。こちらの作品はTHE WALLED OFF HOTELのロビーに展示をされています。宿泊者以外でもホテル内に入ることができるので、ベツレヘムを訪れた際にはぜひ見ておきたい作品です。
マスクをした胸像
催涙ガスが出ているため、マスクをしなければならなくなった胸像。こちらも THE WALLED OFF HOTELのロビーに展示されている作品です。パレスチナの人々がイスラエルに対してデモなどを行った際に、イスラエル軍が催涙ガスを使用して鎮圧してることを想起させる作品です。
THE WALLED OFF HOTEL
バンクシーの手掛けたホテルである、THE WALLED OFF HOTELの売りは世界一悪い眺め。パレスチナの分離壁の目の前に建てられたホテルの客室からは、分離壁を一望できるという、バンクシーのイスラエルへの皮肉が詰まったホテルです。
実はこのホテル内にはバンクシー・ミュージアムが併設されており、そちらでもバンクシーの作品を見ることができます。またロビーにも先ほどのマスクをした胸像を始めとしたアートが展示されており、パレスチナを訪れた際にはぜひ足を運びたいスポットです。
- ザ・ウォールド・オフ・ホテル
- パレスチナ / ホテル
- 住所:The Walled Off Hotel, Caritas Street 182地図で見る
- Web:http://walledoffhotel.com/index.html
パレスチナの観光について
治安
歴史的背景から、ヨルダン側西岸地区とガザ地区という2つに分かれている国家がパレスチナ。どちらもイスラエルの国内にあるものの、両国の対立ゆえに緊張関係が続いている地域です。
しかしながら必要以上に怯える必要はありません。夜は他の途上国同様、男女問わず、気を付けた方が良いですが、特に今回紹介したベツレヘムのあるヨルダン側西岸地区は観光地としての側面もあるため、比較的治安は安定しています。
しかしながらやはりパレスチナは、他の国とは違う政治的な事情が色濃くある場所ですので、注意することが重要です。
交通手段
パレスチナのヨルダン川西岸地区へはエルサレムからバスで30分ほどで行くことができます。メジャーな方法はエルサレムの旧ダマスカス門近くにあるアラブバス乗り場から、234番・231番のバスに乗るとパレスチナへたどり着くことができます。
パレスチナ内での移動手段は基本的にはタクシーのみです。乗り合いのバスなどはありますが、バンクシーの絵は点在している上に見つけにくいため、絵の場所を知っているタクシー運転手と共に回るのが無難な方法です。
なおタクシーにメーターは無く、交渉制となります。値段の相場は観光地を一通り回って100シェケル(約3,235円)、もちろんその時々の交渉により異なりますのでご注意ください。
バンクシーアートが日本でも見られる!
2020年3月15日から2020年9月27日まで、横浜のアソビルにて「バンクシー展〜天才か反逆者か〜」が開催されます。こちらの展示は世界的に人気のあった展示で、満を辞して日本へ上陸となりました。
日本でもバンクシーの手掛けた作品を直接見られるとあって、開催前から注目を集めています。パレスチナへは行けないけれど、バンクシーは見たい!という方にはぜひおすすめしたいイベントです。