ポルトガルの首都、リスボンから約1時間半の旅をすると、エヴォラという街があります。古代はローマ人の侵入、中世はイスラム教徒の侵入とレコンキスタを経た歴史から、様々な建築様式が見られます。中でもマストスポットは、美と驚嘆の教会3か所です。リスボンから日帰り旅行が可能で、魅惑的な、古都エヴォラをご紹介します。
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日本ともゆかりがあるエヴォラ
まず、エヴォラの街を簡単にご紹介します。ポルトガルのやや南に位置する、アレンテージョ地方の中心都市として、古代から栄えていました。ローマ人やイスラム教徒の侵入、レコンキスタを経て、ローマ、イスラム、キリスト教の建造物が同居する、まるで美術館のような街となりました。その景観は1986年、「エヴォラ歴史地区」として世界遺産に登録されました。
また、日本ともゆかりがあります。九州のキリシタン大名としてローマに派遣された4名の使節団、天正遣欧少年使節が、1584年9月エヴォラを訪れ、大司教の歓待を受けたと言われています。
それでは早速、エヴォラの見どころをご紹介していきます。
荘厳な内部と展望を眺めよう!カテドラル
12-13世紀頃に建てられた、ゴシック様式の教会です。ファサード(正面部分)はまるで要塞のような、重厚な石造りです。しかし内部は、荘厳で幻想的な雰囲気です。
写真の聖堂内部左上に、パイプオルガンがあります。先に説明した、天正遣欧少年使節がこの演奏を聴いたと言われています。
回廊(礼拝堂外の廊下)に出ると、上へ通じる螺旋階段があります。ここを上ると、教会の屋根に出られます。
エヴォラの街並みと、草原が広がる景色を、ぜひご堪能ください。
- エヴォラ大聖堂(カテドラル)
- ポルトガル / 社寺・教会 / 教会
- 住所:Largo do Marques de Marialva 809, 7000 Evora,地図で見る
- 電話:266 759 330
- Web:http://www.evoracathedral.com/
世にも不思議な人骨堂!サン・フランシスコ教会
マヌエル様式が美しい教会です。マヌエル様式とは、15〜16世紀にポルトガルで流行した建築様式です。ゴシック様式のダイナミックさに、繊細な装飾品が加わったものが特徴です。
このサン・フランシスコ教会は、外観・内部は、ポルトガルでよく見られるスタンダードな教会です。しかし、見逃してしまうかのような細い通路を行くと、その先はなんと、人骨で埋め尽くされた人骨堂が現れます。
ここは15世紀、修道士達が墓を掘り起こし、5,000体と言われる人骨を埋め込んだ礼拝堂です。人骨と、美しい天井画や祭壇が供えられた、何とも不思議な場所です。
壁・柱と、人骨、人骨、人骨...。何体か、ミイラも横たわっています。
入口には、「私たち骨は、あなたの(骨)を待っています」と書かれています。これは、人間はいつか死ぬという自然の摂理を表したフレーズであり、キリスト教の教えから来ていると言われています。
世にも不思議なものは信じない筆者ですが、礼拝堂に入ると、背中がぞくっとしました。信じるか信じないかはあなた次第。是非足を運んでみてください。
- サン・フランシスコ教会
- ポルトガル / 社寺・教会 / 教会
- 住所:Praça 1º de Maio, 7000-650 São Pedro, Évora地図で見る
- 電話:266 704 521
- Web:http://igrejadesaofrancisco.pt/
アズレージョが美しい!ロイオス教会
内部が青いアズレージョ(ポルトガル独特のタイル)で彩られた、美しい教会です。神秘的だけれども、ほっとする雰囲気に取り込まれることでしょう。アズレージョは18世紀のもので、ロイオス教会と馴染みが深い、聖人ロレンスの生涯が描かれています。
さて、この落ち着く聖堂を少し歩くと、所々見られる鉄格子の床下に、ここでも人骨堂がお出迎えします。
床下に見える分、生々しい印象を受けます。
エヴォラでは人骨堂が主流だったのかどうかは定かではありませんが、ご紹介した3つの教会は、いずれも他ではなかなか見られない珍しい特徴があります。エヴォラは、教会巡りを中心におすすめしたい街です。
では次は、エヴォラの教会以外の観光スポットをご紹介していきます。