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【4】COCKATOO ISLAND(コカトゥー島)
最後にご紹介するCOCKATOO ISLAND(コカトゥー島)は、シドニー・シティの西側にあり、CIRCULAR QUAY(サーキュラー・キー)やBARANGAROO(バランガルー)からフェリーに乗って10〜20分程度の場所にあるシドニー湾で一番大きな島です。
かつて囚人収容施設、造船場として使用されていた場所で、2010年にはAUSTRALIAN CONVICT SITES(オーストラリア囚人遺跡群)の1つとして島自体がユネスコの世界文化遺産に登録されています。工業地域独特のインダストリアルなものが島全体に残されていて、それがまた独特の雰囲気を醸し出しています。
先に紹介した同じ元工場跡地を利用しているCARRIAGEWORKSの美しくリノベーションされたアートスペースとは異なり、こちらは荒々しい無骨さが漂っています。プロモーションビデオの撮影などもできそうなロケーションは、実際に映画『WOLVERINE(ウルバリン)』のロケ地になっていたそうです。
こちらには島全体で25作品が展示されているので、まずはインフォメーション・ハブに行って無料のMAPをもらいましょう。小さい島とは言ってもとにかく規模が大きいので、歩いて回るには広すぎて、MAPがないと完全に回れません。
展示作品ピックアップ
Yukinori Yanagi
建物の奥にあるのが日本人アーティスト・柳幸典さんの「Icaloss Cell」の展示で、瀬戸内のアートな島としても有名な岡山県・犬島精錬所美術館に展示してある作品のプロトタイプだそう。コンテナを長く繋げた薄暗い迷路のような空間を歩いていくと所々に鏡が仕込んであり、視覚的に体感的にも不思議な感覚になるインスタレーションです。
Ai Weiwei
今回ビエンナーレの一番の目玉と言われている、世界的に有名な中国人アーティスト・Ai Weiweiの巨大インスタレーション「Law of the Journey」。実際に難民が使用していた救命ボートと同じ素材で作ったゴムボートと、そのボートに乗る難民の壮絶な旅路を表現した作品です。高い位置からダイナミックなアートを見下ろすこともできるのも、この造船所という広大なロケーションならではです。
Ryan Gander
生まれ育った家周辺の雪景色を表現したRyan Ganderのインスタレーション。筆者はパッと見た感じ京都の龍安寺の石庭に見えたのですが、解説を見て納得。やはり日本の枯山水にインスピレーションを受けて製作されたものだそうです。
廃墟好き、工場好きにはたまりません!
島全体は整備されているので、軍艦島のようなリアルな廃墟ではありませんが、時代を感じる建物や当時造船に使用されていた錆び朽ちた機械にはノスタルジーを感じてしまいます。工場好き、廃墟好きにはオススメのロケーションです。島全体にアートが展示されているこの機会に、是非訪れて見てください。
また作品が展示さてている室内は比較的冷んやりしていますが、外に出ると陽を遮るものが全く無いので、日差しの照り返しがすごいです。シドニーは4月以降秋に向かって徐々に涼しくなっていきますが、訪れる際には帽子、サングラス、お水を持っていくのを忘れずに。
- コカトゥー島
- シドニー / 遺跡・史跡
- 住所:Cockatoo Island, New South Wales地図で見る
- 電話:02-8969-2111
- Web:http://www.cockatooisland.gov.au/
シドニー有数の観光スポットでアート体験
ビエンナーレの会場になっている場所は、ビエンナーレ目的だけではなく、シドニーに来た際に一度は訪れていただきたい所ばかりです。特別アート好きじゃなくとも十分に楽しめて、素敵な時間が過ごせるはず。
今回ご紹介したのは4箇所ですが、他にもオペラハウス、4A Centre for Contemporary Asian Art、Artspaceの3箇所でも展示があります。オペラハウス以外は全て無料で楽しめるんですよ!イベントは2018年6月11日まで開催しているので、シドニー旅行のスケジュールに「ビエンナーレ・オブ・シドニー」のアート巡りを加えてみてはいかがでしょうか。