兵庫県丹波市にある「慧日寺」は、丹波市の紅葉名所部門に選定されているお寺です。中庭を彩る紅葉はみごと!また紅葉だけではなく、趣ある建造物や天井絵など見どころはたくさん。そんな慧日寺の魅力をご紹介します。
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まず読み方から難しい「慧日寺」
なかなかスッと読むのは難しい「慧日寺」ですが、「えにちじ」と読みます。永和元年(1375年)、足利3代将軍の時代。最高役職である官領の細川頼之・頼元親子により建立された、丹波市にある臨済宗のお寺です。その後の明智光秀の丹波攻めにより、多くの寺院が焼失しました。こちらもその中の1つですが、その後再建されています。
神社仏閣が多く紅葉の名所もたくさんある丹波ですが、「慧日寺」の紅葉は外からは見えないので、比較的地味なイメージ。シーズン中はどこも混んでる名所の中では、紅葉鑑賞の穴場的存在といえるのではないでしょうか。
趣のある山門と方丈
鬱蒼とした木立の道を進むと、趣のある山門が見えてきます。どこかのお屋敷の入口のような質素で趣きのある山門は、丹波市の指定文化財です。
門をくぐると、一挙に視界が開け、慧日寺の国登録有形文化財である主要建造物(方丈・庫裏・裏門・経蔵・鐘楼)が眼前にズラリ。並んだ2本の木が印象的な建物は、本堂である方丈です。
茅葺屋根がとても立派。苔の緑がいい感じです。屋根の上だけで1つの庭みたいです。茅葺屋根は張替などとても手間がかかるそうですが、自然がかもしだす優しい雰囲気に気持ちが安らぎます。
入口で入山料を払って中に入ります。
慧日寺での紅葉の楽しみ方
中庭の紅葉を楽しむ
慧日寺の紅葉は、庫裏から方丈の裏側にあります。庭といってもほぼ山の一部なのですが、縁側から中庭をぐるりとめぐる廊下があり、そこから紅葉を楽しむことができます。
庭園を楽しむ
中庭の先では、本殿奥の庭園を眺めることができます。庭園といっても巨大なものではないのですが、渡り廊下や中庭、お堂など、慧日寺の建造物そのものと一体化した紅葉見学が楽しめます。のんびりと歩きながらの紅葉めぐりは、視点が変えながら様々な景色に出会えるので退屈しません。
テーブルに映るもみじを楽しむ
書院の窓際には、黒いテーブルが置いてあります。実際の紅葉と共に、テーブルに映り込む美しい景色も眺めることができます。
散りもみじを楽しむ
紅葉見学の中でも、見頃の後半限定の楽しみ方です。散り始めた色とりどりの葉っぱが、土や緑の地面を覆って綺麗です。
筆者が訪れたのは、2020年11月の半ばです。年によって違うと思いますが、紅葉は後半に入っていたようで、木の紅葉はどれも真っ盛りよりは落ちついた色合いとなっていました。その分、散りもみじは真っ盛りで楽しめました。
あわせて見学したい仏殿
慧日寺の仏殿は、県指定の文化財です。現在のものは元禄15年(1702年)に再建されたものですが、唐様と呼ばれる禅宗様建築で、ここまで完全な形のものはめずらしいそうです。本堂と渡り廊下で繋がっています。
須弥壇には、室町時代に作られたとされる釈迦如来座像と白象に乗った普賢菩薩像、青獅子に乗った文殊菩薩像が安置されています。天井は禅宗様様式に多く見られる鏡天井。格子や仕切りを一切使わない鏡のように平面に板を貼ったものです。見上げると、みごとな龍がそこにいます。
紅葉のはじめから終わりまで楽しめる
慧日寺の紅葉見学は、見渡す限り紅葉という形ではありませんが、お寺そのものといっしょに紅葉を楽しむことができます。その分シーズンの始めから終わりまで、葉っぱの色の移り変わりや散り始めてからもそれぞれ違った楽しみ方ができるので、個性的な紅葉鑑賞ができるのではないでしょうか。
- 萬松山 慧日寺
- 丹波市 / 寺 / 紅葉
- 住所:兵庫県丹波市山南町太田127-1地図で見る
- Web:https://www.burari-tambaji.com/spot/65