薄口醤油で日本一の売り上げを誇り、知らない人はいないほど有名な醤油メーカー「ヒガシマル醤油」。たつのを代表するメーカーですが、そのかつての醬油蔵を10円で見学することができます。大人の社会科見学をしてみませんか。
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「たつの」と「うすくち龍野醤油資料館」
「播磨の小京都」と言われるたつのは、かつて5万3千石の城下町でした。龍野藩の面影や風情ある街並みがそのまま残っていて、散策すると見どころ満載!また、淡口(うすくち)醤油発祥の地としても有名なこの街では、白壁で煙突のある醤油蔵が幾つか見られます。
うすくち龍野醤油資料館は、1932年(昭和7年)に建設されたヒガシマル醤油の旧本社ビルで、国指定の有形文化財に登録されています。現在、醤油醸造はコンピューター管理されていますが、江戸時代から昭和初期まで職人が醸造を行なっており、実際に使っていた醸造用具や文献などを見学しながら、大切に守り継がれている伝統の技術を知ることが出来ます。
さぁ、見学をしましょう!
受付を過ぎると、淡口醤油が完成するまでの工程が順番に並んでいますので、順路に沿って進みましょう。貴重な道具が約2,400点展示されていて、各道具の名前や説明書きも記してあります。
原料処理場
淡口醤油の原料である、米・大豆・小麦・塩を処理する工程です。豊かな自然に囲まれた、たつのの土地だからこその恵まれた原料に、揖保川の鉄分が少ないまろやかな軟水を加え、香り高く色のよい淡口醤油が造られていきます。
淡口醤油の大きな特徴は米を使うことで、米を蒸して米麹を作り、甘酒にしたものが加えられます。大豆は炊き、塩は良質の水で溶かします。
麦炒場
小麦は炒ってから挽きわりやすくして、澱粉を麹菌が消化しやすいように変化させます。
道具陳列室
何種類もの桶、一斗枡や測りなど、量を沢山入れられるものや、大きな桶に合う柄の長い道具などが見られます。
麹室
もみがらを保温材として造られている煉瓦室の中で、混ぜ合わせた大豆と小麦に種麹をうえつけ、麹蓋に盛り、この中で麹カビを育成させて醤油麹を作ります。
麹室の中もじっくりと見ることができ、出入口と窓は二重になっていたり、天窓で温度調節ができるようになっていたりと、興味深いです。
仕込蔵
麹と塩水を混ぜてこちらの桶に入れます。空調を設定することができなかった昔は、発酵熟成に1年もかかっていたそうです。
樽造場
樽を作るために使われていたカンナや大槌、焼印など、今でも使えそうな道具があります。
圧搾場
甘酒が加わり、熟成したもろみをしぼるところです。てこの原理を応用したとても大きな圧搾機に圧倒されます。
帳場
明治時代の帳場が再現されています。主に番頭さんが帳面をつけたりお金の支払いをしていた所で、当時の机・帳面・そろばんなどが見られます。
ライブラリー
たつのの歴史・産業・淡口醤油についてなど、15分の映像にまとめられたものが放映されています。見学の後に観ると、一層解りやすいと思います。
その他の道具など
順路の脇に、醤油試験室・組合資料室・資料室・展示室などがあり、それぞれに珍しい物が展示されています。
浅井丸という渡し舟が展示されているのですが、こちらは明治中頃まで橋がかかっていなかった揖保川で活躍した浅井醤油合名会社専用のもので、仕事の足になっていた舟だそうです。
昔懐かしいものが、他にも沢山見られますよ。
売店
最後のお楽しみ♪売店ではヒガシマル醤油の商品が数多く販売されています。お馴染みのうどんスープやラーメンスープ(8袋入り180円)、珍しいものでは、お好み焼名人(1箱150円)や天津飯(1箱180円)、しょうゆようかん(490円)、菜もろみ(450円)、甘酒(300円)など。ご自宅用やお土産にいかがですか。
おわりに
散策するだけでも楽しく、素敵なスポットも年々増えているたつの市ですが、こうした歴史のあるスポットにも是非おでかけくださいね♪
今回ご紹介した物はほんの一部ですが、厳選された材料を手間・時間・コストをかけ丹精込めて仕上げられる様子がよく解ります。新型コロナウイルス感染防止対策を徹底されていて館内もバリアフリーになっていますので、どなたさまも安心して見学できますよ。
- うすくち龍野醤油資料館
- たつの市 / 雨の日観光 / 博物館 / 歴史的建造物 / 建造物
- 住所:兵庫県たつの市龍野町大手54-1地図で見る
- 電話:0791-63-4573
- Web:http://www.higashimaru.co.jp/enjoy/museum/