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お囃子
西馬音内盆踊りには、「音頭」と「がんけ」の2種類の曲があります。
「音頭」は、民謡に馴染みのある人であれば、「あれ?どこかで聞いたことあるな?」というメロディー。同じ秋田の「秋田音頭」と似たメロディーです。
もともと秋田音頭は、日本のラップの異名を持ち、西馬音内盆踊りの「音頭」も即興的な内容を秋田弁でラップ調にワイルドに歌い上げます。内容も、世の中を風刺したもの、ご近所との世間話、ちょっとエッチな内容と多岐にわたり、なかなか面白いですよ。
「がんけ」は、月夜を飛ぶ雁の姿からきた雁形、または仏の教えを広める意味である勧化(かんげ)、来世の幸せを願う願生化生(がんしょうけしょう)から来たと諸説あるようです。
「音頭」との大きな違いはテンポ。音頭のテンポに対して、がんけはかなり早く、しかも一定ではありません。次第に早まったり、遅くなったりと、踊っているほうは大変だろうなあという感じですが、踊り子を見ていると、むしろ積極的に楽しんでいるような雰囲気です。
踊り
さて、肝心の踊りは・・・?
ワイルドで激しいお囃子と全く逆な、ゆっくりとした優美な踊りで、この経験したことのないアンバランスさが、余計幻想的なんです。激しい曲を聞きながら、ゆっくりした踊りを見ていると、今まで経験したことのない組み合わせに、どんどん脳がじんわり痺れてくる感じになります。
途中、左手で袖をもち、人差し指をたてて天を差す振りや、左足を軸にして、くるりと一回転するのが特徴です。とにかく、流れるように動いているかと思えば、ピタっと止まる静と動、曲とのアンバランスさ、何もかもが今まで見た盆踊りとは一線を画しています。
ピタッと止まるときには、反り返った指先の美しさが目を引きます。これも西馬音内盆踊りの特徴。この指のしなりが美しさの基準なんですよ。
一回転するときには、会場内を摺り足の音が包みます。足元を見てみると、この音が出るように、かつ回転しやすいように砂が撒かれています。
この回転の動きがあるために、昔はワラ草履を履いていましたが、一晩で何足も履きつぶすので、腰に2、3足ぶら下げて踊ったそうですよ!現在は、足袋に雪駄(せった)になりました。
実は関東でも見られるんです!
冒頭でご紹介したとおり、アクセス、宿泊の難易度が高い盆踊りですが、一度見た後の中毒性が強いので、本当に人生で一回は見て頂きたい踊りです。
関東圏であれば、気軽に身に行ける場所で、西馬音内盆踊りが見られるって知ってました?箱根駅伝の通過点として有名な神奈川県藤沢市にある「遊行寺(ゆぎょうじ)」で毎年見られるんです。
なぜ藤沢市で西馬音内盆踊りが踊られるんでしょう?実は遊行寺、全国各地の盆踊りの起源として伝えられている「踊り念仏」を広めた一遍上人が作ったお寺なんです。
藤沢商工会議所が、この踊り念仏を地域資源として活用しようと、盆踊りイベントを立ち上げるために、全国各地の著名な盆踊りの招致活動として西馬音内盆踊りを知ったんだとか。
毎年開かれる、盆踊りイベント「藤沢宿遊行の盆」には西馬音内盆踊りが必ず出演しています。
雪国のイメージが強い秋田県でも、さらに県内有数の豪雪地帯である西馬音内と、湘南海岸に面した陽気な藤沢市のつながりは、なんだか不思議な感じがしますね。
羽後町観光物産協会、藤沢商工会議所では、盆踊り以外にも、「災害時応援、文化・産業振興交流協定」を結んでいて、なんだか遠く離れた絆の深い友達という感じなんです。
- 遊行寺
- 藤沢市 / 寺
- 住所:神奈川県藤沢市西富1-8-1地図で見る
- 電話:0466-22-2063
- Web:http://www.jishu.or.jp/
おわりに
いかがでしたか?
なかなか気軽に見に行けない踊りではありますが、三大盆踊りに数えられるだけはあるな!というとっても魅力に満ちた盆踊りです。
とっても中毒性が高い踊りなので、一生に一度は見に行っていただきたい踊りです。毎年行きたくなりますよ!
- 西馬音内盆踊り
- 羽後町(雄勝郡) / イベント・祭り
- 住所:秋田県雄勝郡羽後町西馬音内本町108−1地図で見る
- Web:https://www.town.ugo.lg.jp/sightseeing/detail.html...