昨今、登山やトレッキングを趣味とする人のなかで、新たに注目されているのがウラヤマ(裏山)ハイク。百名山などの有名な山を登るのではなく、近所の裏山を肩の力を抜いて存分に楽しむのがウラヤマハイクです。当然ウラヤマはそこかしこにあるわけですが、ウラヤマハイカーの中で人気の神奈川県横須賀市にある「大楠山」をご紹介します。初心者の方でもウラヤマハイクを楽しむ方法や準備についてもご紹介します。
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ウラヤマハイクってなに?
登山が一般的に広く親しまれるようになって長らく立ちました。以前は登る人にとって少し難易度の高い「挑戦する山」に登ることに焦点が当てられていました。
しかし最近では「挑戦する山」を堪能しつくしたベテラン登山者の間で、肩の力を抜いて山の魅力を堪能する「楽しむ山」にシフトする人も多くなっています。
その楽しむ山の一つのジャンルが裏山。全国誰もが知る名山というわけではなく、名前はしらないけれどいつも生活の景色の一部となっている、裏山です。
裏山に登ることを、そのまんま「ウラヤマハイク」と呼んだりしますが、あえてカタカタにして表記するのは、ウラヤマハイカーの中ではこんなあるある会話がお決まりなのです。
「今度の連休どこか行くの?」「うん、ちょっとウラヤマに登ってみようかと」「え!ヒマラヤ!?」なーんて感じのネタがあるのです。
今回は、肩の力を抜いて山の楽しさを堪能できるおススメのウラヤマとして、「大楠山」の楽しみ方をご紹介します。
大楠山はどこにあるの?
今回ご紹介するウラヤマは、神奈川県横須賀市にある三浦半島最高峰の山です。最高峰とはなんともハードルが高そうな響きですが、その高さ243.3m。とっても手軽に登れる山です。
低山ですが、大楠山のまわりには高い山がないので、山頂に登ると360度の広々としたパノラマが楽しめます。
大楠山には4つのハイキングコースがありますが、最も楽しいのは川のせせらぎを楽しみながら山頂を目指す「前田橋コース」。山頂まで1時間ちょっとと、とっても手軽なコースです。
まずはハイキングコースの入り口「前田橋バス停」へ
電車でアクセスする場合、JR横須賀線の「逗子駅」で下車します。
駅前のバスプールの2番乗り場からバスに乗ります。
15分ほどバスに揺られて、「前田橋バス停」で下車すると、もう「大楠山」と書かれた案内標識が。指し示す方向に従って歩きます。
いきなり楽しい「前田川」
3分ほど歩くと、道路を横切るように川が現れます。
これが「前田川」です。すぐ先に「前田川遊歩道」と書かれた案内板が建っています。ウッド調の階段があり、ここからハイキングコースがはじまります。
階段を下って、川の上流側に歩いていきます。前田川の歩き始めは、写真のように頭上が開けて、まだ周囲の民家がちらちらと見える感じで、「登山してるぞ感」はあまりありません。
ところが、あっという間に頭上に緑が覆い茂るゾーンに入ります。写真からも地面にかかる影の広さや濃さで、その緑の深さがわかりますよね?
前田川は写真のように、川の中に置かれた石を越えて、意図的に川の左右を楽しめるコースになっています。この左右のスイッチが、一回だけでなく何度もあって、飽きずに楽しめるんです。
途中には、小さな滝もあります。バス停から歩いてほんの数分で、こんな風に濃い自然を楽しめるお手軽さが大楠山の最大の魅力です。
いよいよ山登り
前田川をしばらく楽しむと、「大楠山ハイキングコース」と書かれた案内板が。前田川を楽しむ工程はここで終了です。
この先に、きちんと整備されたハイキングコースがあります。しばらくこの木の階段を登ります。
バラエティ豊かな景色とクイズ
階段を10分ほど登ると、こんどはなだらか坂道になります。ひたすら階段を登り続けて、ちょっとだけ悲鳴をあげていた腿を休ませてあげながら、緑いっぱいの景色を楽しみます。
どうです?トンネル状に緑が道をおおって、なんだかここを抜けたらトトロに会えそうな感じですね。大楠山は低山で気軽にアプローチできるうえに、こんな風に雰囲気のある景色がいっぱいなんです。
途中途中には、なんと大楠山からクイズの出題があります!
大楠山にまつわるクイズが出題されていて、3択で選ぶようになっています。右下の上向きの矢印が気になりますね。
実はここは上げ下げ窓みたいになっていて、上に引き上げると答えの番号が書かれています。クイズはここだけでなく、大楠山中にいくつか点在しています。
登山者を楽しませる工夫がしてあるんですね。
そしてこんなふうに根が力強く露出した木もあります。ハイキングコースのど真ん中に、どでーんと生えていて、先に進むには木をまわりこむ必要があります。
根っこが斜面に対して、縦横無尽に走っているので、足をとられないように気を付けながら歩きます。