オーストラリア全土で毎年4月25日に行われる、第一次世界大戦で戦った兵士たちを追悼するための祭典の日である「アンザック・デー」。今回はその日に行われるシドニーのパレードを中心に、アンザック・デーをご紹介します。
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アンザック・デーとは
今回は、オーストラリアの全国的な祝日である毎年4月25日のアンザック・デーについてご紹介します。
アンザックとは、オーストラリアとニュージーランドの両国合同の軍事組織を示す「ANZAC/Australian and New Zealand Army Crops」を意味し、その起源は第一次世界大戦までさかのぼります。そして、アンザック・デーとは当時、ガリポリの戦い(現在のトルコ)で戦闘を行ったANZACの兵士たちなど、尽力した人びとのために追悼を行う日のことです。
4月25日はANZAC兵がガリポリ半島に上陸した日だとされています。その追悼を意味していることから、その日はオーストラリアだけでなく、ニュージーランド、周辺の諸島を含めた祝日にもなっています。
アンザック・デーに行われること
オーストラリアでは全国的な祝日のため、各都市・地域で追悼式やパレード、4月25日の夜明け前に式典を行う「Dawn Service」が行われます。また記念碑などにポピーの花を献花したり、アンザック・クッキーを食べるなどさまざまです。
街中を彩るパレード
パレードはシドニー市内でも各所で行われ、多くの軍服を着ている人たちを見かけることができます。これは、退役した、または現役の軍人たちです。ここでは市内中心部のパレードをご紹介します。
市内中心部では「マーティン・プレイス」から、大きな敷地面積を持つ公園「ハイド・パーク」の西端の道路「Elizabeth St」を南下していきます。
軍服を含め、さまざまな衣装で行進をしたり、音楽を奏でる様子を見ることができます。多くの隊がとぎめなく闊歩を続ける様子は圧巻であり、その勇ましい姿が印象強く残るはずです。
午前9時から始まるパレードは、おおよそ午後12時30分ごろには「ハイド・パーク」の南側にある「Anzac War Memorial」と呼ばれる戦争記念館で終わり、式典が行われます。午前中だけで終わってしまうので、パレードを見たい人は早めに行くことをオススメしたいと思います。
- アンザック戦争記念館
- シドニー / 博物館・美術館 / 博物館
- 住所:Hyde Park South, NSW Sydney地図で見る
- Web:https://www.anzacmemorial.nsw.gov.au/
献花ーポピーについて
アンザック・デーにはいろいろな場所で、特に「マーティン・プレイス」にある戦没者記念碑などに、多くのポピーの花が飾られます。この献花にポピーが用いられているのは、当時の戦場にポピーの花が咲いていたということや、ポピーの花が平和主義の象徴とされ戦没者追悼の意が込められているようです。
- 戦没者記念碑(マーティンプレイス)
- シドニー / その他スポット
- 住所:The Cenotaph,Martin Place ,Sydney地図で見る
食べておきたいアンザック・クッキー
アンザック・デーに限ったことではないですが、アンザック・クッキーを食べるのも良いかもしれません。オーストラリアのスーパーマーケットや食料品店にはいつでも売られています。
少し固めに焼き上げられていて保存食としても好まれるようです。ぜひ、アンザック・デーに合わせて食べてみてはいかがでしょうか。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
「アンザック・デー」は、オーストラリア国民にとって大きな意味を持つ祝日。第一次世界大戦を立派に戦ったANZACの勇敢さを称えるとともに、その勇姿に追悼する記念すべき祭典なのです。
こうした祭典に触れることで、さまざまな歴史や文化を同時に学ぶことができる機会にもなると思います。