道後温泉は、古くは日本書紀にも登場する由緒ある温泉街です。中でも道後温泉本館は、夏目漱石の小説『坊っちゃん』に登場する“住田の温泉”のモデルとして知られ、街のシンボルとして多くの人々に愛され続けています。今回は、道後温泉本館の4つの入浴コースをはじめ、漱石ゆかりの「坊ちゃんの間」、松山市内から道後温泉に向かう路面電車「坊ちゃん列車」など、道後温泉を楽しむためのポイントをご紹介したいと思います。
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道後温泉本館とは
道後温泉本館は、愛媛県松山市・道後温泉の中心にある温泉共同浴場です。夏目漱石の代表作『坊っちゃん』に登場したことで一躍有名になり、坊っちゃん湯の愛称でも親しまれています。明治27年(1894)に建築された歴史ある建物で、1994年に国の重要文化財に指定されました。
3階建の館内には、男湯、女湯それぞれに「神の湯」「霊の湯」と名付けられた2つのお風呂と、休憩用の大広間や個室が用意されています。他にも、夏目漱石が湯上りにくつろいだと言われる「坊ちゃんの間」や漱石に関する展示もあり、入浴だけでなく見学も楽しめる施設です。
4つの入浴コース
道後温泉本館の入浴料は、タオルやせっけん持参の地元民に最適な神の湯での2コースと、タオルやせっけん、浴衣の貸し出しに茶菓子まで付いた霊の湯での2コース、計4コースから選べるようになっています。
神の湯 階下 大人410円 / 子ども160円
午前6時~午後11時(札止め 午後10時30分)
1時間 入浴のみ
神の湯 2階席 大人840円 / 子ども420円
午前6時~午後10時(札止め 午後9時)
1時間 入浴と2階神の湯休憩室の利用が可能
※浴衣(湯玉模様)の貸し出しあり。茶菓子(せんべい)付き
霊の湯 2階席 大人1,250円 / 子ども620円
午前6時~午後10時(札止め 午後9時)
1時間 入浴と2階霊の湯専用休憩室が利用可能
※タオル、せっけん、浴衣(湯玉模様)の貸し出しあり。茶菓子(せんべい)付き
霊の湯 3階個室 大人1,550円 / 子ども770円
午前6時~午後10時(札止め 午後8時40分)
1時間20分 入浴と3階個室一部屋が利用可能
※タオル、せっけん、浴衣(白鷺模様)の貸し出しあり。茶菓子(坊ちゃん団子)付き
初めての方はコースが4つもあると迷われるかもしれませんが、初回はやはり手ぶらで行ってお茶菓子付きで休憩も出来る、霊の湯のコースのどちらかがオススメです。
夏目漱石とのゆかり
夏目漱石が中学の英語教師としてこの地に赴任したのは、道後温泉本館が完成した翌年のことでした。漱石はその建築に感嘆し、友人の正岡子規や高浜虚子と連れ立って毎日のように訪れていたそうです。手紙や小説『坊っちゃん』の中でも、「温泉だけは立派なものだ」と絶賛しています。
作中には“住田の温泉”として登場する道後温泉本館。1階の男湯浴室「神の湯」内には、『坊っちゃん』の主人公が湯船で泳いで注意の張り紙をされたことにちなんだ「坊っちゃん泳ぐべからず」の札が掲げられています。男性の方は、ぜひ注目してみて下さい。
坊ちゃんの間
昭和41年(1966年)、正岡子規や柳原極堂の生誕100年祭を催した際に、本館3階の一室が夏目漱石ゆかりの部屋として定められました。当時、漱石が湯上りにくつろいだと言われる場所で、室内には漱石の見合い写真や胸像などが飾られており、入館すれば自由に見学することがで出来ます。
路面電車として復活!「坊ちゃん列車」
坊っちゃん列車は、非電化・軽便鉄道時代の伊予鉄道に在籍した蒸気機関車のことで、松山に赴任する坊っちゃんがこの列車に乗ったというエピソードから、「坊っちゃん列車」と呼ばれるようになりました。列車の電化に伴い、一時は路線から姿を消した坊ちゃん列車ですが、地元地域からの熱い声を受け、ディーゼルエンジン採用で見事に復元されました。
もちろん通常の路面電車も走っていますが、せっかく道後温泉に向かうなら、ノスタルジックな坊ちゃん列車を利用してみてはいかがでしょう?
- 道後温泉本館
- 愛媛 / 日帰り温泉 / 観光名所 / パワースポット / インスタ映え
- 住所:愛媛県松山市道後湯之町5-6地図で見る
- 電話:089-921-5141(道後温泉事務所)
- Web:https://dogo.jp/onsen/honkan