四国最大の都市・松山のシンボルである松山城は、江戸時代に建てられた天守や櫓、門などが残る全国的にも貴重な城。昔の面影を伝える名城の魅力と楽しみ方をご紹介します。
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松山城へはロープウェイかリフトで
松山市街の中心にそびえる標高132mの勝山に建つ松山城は、伊予松山藩の初代藩主・加藤嘉明によって江戸時代初期に建設されました。守りやすい地形に加え櫓や門が要所に配置されている堅固な要塞で、国の重要文化財が21点残されています。
登城口はいくつかありますが、一般的なのは路面電車の大街道駅から歩いて行ける東雲(しののめ)口です。山麓駅「東雲口」と松山城のある山頂駅「長者ヶ平(ちょうじゃがなる)」を結ぶロープウェイとリフトがあり、景色を眺めながらゆったりと山を登っていくことができます。料金はいずれも往復510円(小学生260円)。天候が良い日は開放感たっぷりのリフトがおすすめです。
- 松山城ロープウェイ
- 愛媛 / 乗り物 / ロープウェイ
- 住所:東雲口駅舎:愛媛県松山市大街道3丁目2-46地図で見る
- 電話:089-921-4873
- Web:http://www.matsuyamajo.jp/ropeway/
歴史ある門や櫓を見ながら本丸へ
ロープウェイやリフトを降りて少し進むと、壮大な石垣が見えてきます。しかし天守はまだまだ先。石垣を迂回して進まなければならず、難攻不落の名城であることを実感させられます。
最初にくぐるのは戸無門という小さな門で、建設当時から扉がなかったといわれています。この門は江戸時代初期の建築と推定されていて、国の重要文化財に指定されています。
それからいくつかの門や櫓を通りますが、それらの中には戦災や火災で一度失われたものも少なくありません。しかし、昭和から平成にかけて次々と再建され、城の風景に溶け込んでいます。再建された建物が新しさを感じさせないところも、松山城の魅力のひとつと言えるでしょう。
松山市街を一望できる大天守
やがて本丸に到着し、天守が見えてきます。大天守のほかに小天守や隅櫓が付属している連立式天守で、大天守は江戸時代末期に再建された2代目。小天守などは昭和初期の火災で焼失したため、戦後に復元されました。なお、天守に入るためには観覧券510円(小学生150円)が必要で、観覧券は天守の手前にある販売所で購入します。
内部は昔の姿がそのまま残されています。そのため廊下は滑りやすく階段は急です。特に階段は狭い場所ですれ違うことになるので、事故のないように細心の注意を払ってください。
展示も充実していて、松山城を居城とした歴代藩主について学ぶことができます。変わり種としては、江戸時代に描かれた似顔絵があります。これは平成16年(2004)からの改修の際に発見されたもので、墨で武士の顔が描かれています。
山頂に建てられているため、最上階からの眺めは見事。松山市街を一望できるほか、天気が良ければ瀬戸内海や四国最高峰の石鎚山も見えるそうです。
眺望を堪能したら、足元に注意しながら下へ戻りましょう。山頂駅からロープウェイやリフトに乗ると、今度は松山の街並みを見おろすことができます。
- 松山城
- 愛媛 / 城 / 観光名所 / 紅葉 / 梅の名所
- 住所:愛媛県松山市丸之内1地図で見る
- 電話:089-921-4873(松山城総合事務所)
- Web:http://www.matsuyamajo.jp/
この記事を書いたトラベルライターから一言
松山城は駅や道後温泉からのアクセスも良好なので、松山を訪れた際にはぜひ訪れてみてください。城や歴史が好きな方はもちろん、そうでない方にもおすすめです。ただし、天守の中は階段がきついので、小さなお子さんを連れていると大変かもしれません。
私が訪れたのは曇りの日で、あまり遠くまで見渡すことはできませんでした。次は好天の日を狙って再訪したいと思います。(いんでぃご)