愛媛
愛媛観光
道後温泉・しまなみ街道が有名な、柑橘類の一大産地

【愛媛県】築城名手・藤堂高虎が手掛けた現存天守「宇和島城」の見どころ

取材・写真・文:

トラベルライター

2017年9月28日更新

1,928view

お気に入り

写真:トラベルライター

愛媛県宇和島市にある宇和島城は、数多くの城の築城に関わり築城名手とうたわれる藤堂高虎(とうどうたかとら)が手掛けた城として、また日本に12箇所だけ残る現存天守(江戸時代、またはそれ以前に建設され現在まで保存されている天守)としても貴重なお城です。標高74mの山頂に建つ天守からは宇和海が見え、山や海といった自然を取り入れた城であることがよく分かります。今回は、そんな宇和島城の見どころをご紹介します。

この記事の目次表示

宇和島城ってどんな城?

  • 写真:トラベルライター

宇和島城は、1596年から6年間かけて藤堂高虎(とうどうたかとら)によって築城されました。現在、城周辺は埋め立てられているので海から隔てられていますが、築城当時は城周りの約半分が海に面していました。

海と山、自然を効率的に使ったその外周は五角形の形をしており、一説には敵から逃走経路を見にくくするためにこのような縄張り設計をしたとも言われています。

  • 写真:トラベルライター天守最上階からは西側に宇和島湾を一望できます

藤堂高虎の後、冨田氏、そして伊達政宗の息子である伊達秀宗が入城し、その後明治時代まで伊達家の居城となりました。

現在残る天守は1666年に再築された2代目で、石垣や櫓なども伊達家により修築されてはいますが、基本的な城構えは築城当時のものが踏襲され今に残っています。

築城名手 藤堂高虎とは?

1556年近江国に生まれた高虎。足軽として浅井氏に仕えたのを最初に、その後織田家、豊臣家、徳川家など次々と仕官先を変え、最終的には足軽から伊勢32万石の大名へと上りつめました。

  • 写真:トラベルライター宇和島城ののち建築された今治城(天守は再建)と藤堂高虎像

築城技術にたけ、宇和島城をはじめ今治城、伊予大洲城の築城、また江戸城、伊賀上野城、大阪城の修復など、数々の城建築に携わっています。これだけ多くの築城に携わっていたことからも、権力者にその技術が認められていたことがよく分かります。

見どころ1:貴重な武家屋敷門を通って城内へ

宇和島城天守のある城山への登城口は南側と東側の二箇所です。それぞれの入口は多少離れてはいますが、いずれの登城口にも貴重な遺構である門が置かれていますので、行きと帰り違う登城口を使っていただきたいです。

南側 上り立ち門

  • 写真:トラベルライター南側に位置する「上り立ち門」

城山南側に位置する「上り立ち門」は、天守同様江戸時代から現存しています。かつては、南側から天守まで7つの門が存在していたようですが、現在残っているのはこの上り立ち門のみ。

武家の正門とされる藥井門(やくいど)形式で、現存する藥井門では最大クラス。またそれだけでなく、創建時代が藤堂高虎時代まで遡るとも言われ、日本最古の藥井門の可能性がある貴重な門です。

東側 藩老桑折(はんろうこおり)氏武家屋敷門

  • 写真:トラベルライター東北側の登り口にある「長屋門」

東側には、藩老桑折氏の屋敷地に残されていた門があります。昭和27年に譲渡され、現在の場所に移築されました。宇和島市内では、貴重な武家屋敷の建造物となっています。

見どころ2:多彩な植物が生い茂る城山

天守は、標高約74mの山頂にあります。登り口である「上り立ち門」、「武家屋敷門」いずれからも、天守までは約15分~20分ほど歩いて登らなければなりません。

  • 写真:トラベルライター上り立ち門を入ると、すぐに草木に覆われた階段があります
  • 写真:トラベルライター東側上り立ち門から天守へと続く道

城山には450種もの草木が生い茂り、石垣や階段が苔むした姿は自然と一体になった美しさを備えています。視界の開けない草木の中を歩いていると、まるで城を攻める武将気分。ただし、苔の生えた階段は非常に滑りやすくなっているため、足元には充分ご注意を!

見どころ3:約350年前の姿をとどめる現存天守

  • 写真:トラベルライター

現在の天守は、築城当初のものではなく伊達家二代目宗利が3重3階に再建し、1671年に完成したものです。1860年と1960年(昭和35年)に改修を行っていますが、往時の姿をとどめており、日本に現存する12天守の一つに数えられ国の重要文化財にも指定されています。

  • 写真:トラベルライター
  • 写真:トラベルライター

天守内部は、角度が急な階段や木組みの柱など、現存天守ならではの当時の姿を間近で見ることができます。

見どころ4:藤堂高虎特有の高石垣

  • 写真:トラベルライター

宇和島城は、高虎が初期に手掛けた城です。高虎の築城の特徴として、高い石垣が上げられますが、これは宇和島城から始まったもの。

石垣一つ一つの石は小さいですが、細かく積み上げられた様を目の前にすると、力強さと守りの固さを感じることができます。

宇和島城
愛媛 / 城 / 一人旅 / 観光名所
住所:愛媛県宇和島市丸之内1地図で見る
電話:0895-22-2832
Web:http://www.city.uwajima.ehime.jp/site/uwajima-jo/

愛媛の旅行予約はこちら


愛媛のパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

愛媛のホテルを探す

愛媛の航空券を探す

愛媛の現地アクティビティを探す

愛媛のレンタカーを探す

愛媛の高速バスを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


ユニークな体験ができる!日本のおすすめ珍スポット13選

忍者さながらの巧妙な仕掛けがされた忍者寺に、頭大仏像にモアイなどユニークな像が並ぶ真駒内滝野霊園、未知の空間が広がるガマ洞窟・ガマランドなど、他にはないユニーク...


初詣におすすめ!【全国47都道府県別】初詣の人出トップ寺社一覧

全国47都道府県ごとに、もっとも初詣客の多い寺社を一挙にご紹介!新しい年を迎えて初めての参拝は、たくさんの人が新年の開運祈願に訪れる、人気の寺社へ初詣に出かけて...

四国で人気の神社・お寺TOP12!旅行好きが行っている寺社ランキング

金刀比羅宮や大山祇神社、善通寺などをはじめとする四国の神社・お寺を、トリップノートの8万3千人のトラベラー会員(2022年11月時点)が実際に行っている順に、人...

【愛媛】道後温泉すぐ近く、ちょっと不気味な「石手寺」参拝のススメ

「石手寺(いしてじ)」は愛媛県松山市石手にある寺院です。道後温泉からも近い位置にあり比較的参拝客も多いのですが、境内にあるマントラ洞窟やその先がどこか不気味で、...

【お城】国内の現存12天守、一挙大紹介!

天守を持つ最初のお城は織田信長により築城された「安土城」と言われています。それ以来、江戸の初期にかけて、天守を持つお城は大小合わせて約3,000築城されたとされ...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります