トルコ最大の都市イスタンブールを代表する観光スポットの一つ「アヤソフィア」は、2020年7月、博物館からモスクに転用されました。これによりどんなことが変わったのか、見学のポイントをご紹介します。
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アヤソフィアとは?
アヤソフィアは、イスタンブール旧市街のスルタンアフメット地区にあるイスタンブールを代表する歴史的建造物のひとつです。西暦325年、コンスタンティヌス1世の時代にアヤソフィアの元となる教会がこの地に建設されたのが起源で、ビザンツ帝国時代にはギリシア正教の総本山として栄えました。
1453年、オスマン帝国のメフメト2世がコンスタンティノープルを攻略すると、アヤソフィアはキリスト教の聖堂からイスラム教のモスクに転用され、さらにトルコ共和国時代になると1935年、モスクは博物館として公開されるようになりました。博物館時代は約85年続き、2020年に再びモスクとして開堂されたアヤソフィアは、博物館時代とは少し見学のポイントが異なります。
※博物館時代のアヤソフィアについてはこちらをご覧ください。
見学ポイントその1:入場は無料に&礼拝時間に注意
モスクはムスリムが毎日、祈りの時間に訪れる宗教施設です。他のモスクと同様、アヤソフィアにも入場料を払わずに入ることができます。しかし、いつでも出入りできるというわけではなく、ムスリムではない見学者は礼拝中の時間は入ることができません。礼拝の時間は日によって少しずつ変わるので、ホームページで事前に調べていくとよいでしょう。
見学ポイントその2:土足厳禁&女性はスカーフを
祈りの場となったアヤソフィアには、博物館時代のように土足で入ることができません。入り口で履物を脱いでから入場します。靴箱はありますが、盗難が心配な方は靴を入れるための袋を持参すると良いでしょう。また男女共に露出が激しい服では入場することができません。半袖半ズボン、丈の短いスカートは控え、女性は髪の毛が見えないようにスカーフを巻きましょう。
見学ポイントその3:聖母子像は隠されている
ギリシア正教の中心として栄えたアヤソフィアはビザンツ建築の最高傑作ともいわれており、キリスト教を連想させるビザンツ美術の傑作が至るところにみられます。しかし、礼拝の場の天井にある聖母子像は白いカーテンで覆われており、キリスト教の聖堂として建設されたことを思わせないような配慮がされています。
見学ポイントその4:黄金のモザイク画は必見
礼拝の場の天井にある聖母子像は隠されていますが、入り口付近の天井部にある黄金のモザイク画は隠されておらず、そのままの姿を見ることができます。
皇帝の門の天井部にあるモザイク画は9世紀後半から10世紀のものと考えられています。レオ6世もしくはその息子のコンスタンティノス7世が、玉座に腰掛けるキリストに頭を下げている場面が描かれています。
また南西の入り口の天井部には、幼いキリストを抱く聖母に、コンスタンティノープルの街の図を捧げるコンスタンティノスと、アヤソフィアのモデルを捧げるユスティニアヌスが描かれたモザイク画があります。ビザンツ帝国時代の芸術のレベルの高さを、ぜひこれらのモザイク画から感じ取ってみてください。
おわりに
モスク化され、さらに長年に渡る工事が終了したため、博物館時代とは雰囲気がガラッと変わったアヤソフィアですが、この街が歩んできた長い歴史を象徴する建物であることには変わりありません。モスクならではの注意点を踏まえながら、ぜひアヤソフィアを訪れてみてください。
- アヤソフィア
- イスタンブール / 建造物 / モスク
- 住所:Ayasofya Meydanı 1 34122 Cankurtaran İstanbul Turkey地図で見る
- Web:https://muze.gen.tr/muze-detay/ayasofya