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お花のお寺ならでは「花塚」
本堂側に向かって歩いていくと、綺麗に整備されたお庭の左側に石碑があります。
石碑の前には、艶やかに大振りの花々が飾られていて、なんだか目を引きます。実はこれ、かなり珍しい草花の供養のための「花塚」。普段何気なく咲いては枯れていく草花も、もちろん命のあるもの。
浄妙寺では年に1回供養を行っているのだそうですよ。さすがお花のお寺ならではですね。
本堂
さて、今度は本堂を見てみましょう。浄妙寺の本堂の屋根はふっくらしているのが特徴です。
本堂内には、「鎌倉」の地名由来の立役者である、藤原鎌足の像や釈迦如来像が祀られています。
喜泉庵の庭
本堂の左側には喜泉庵があります。喜泉庵ではゆっくりとお抹茶をいただくことができますよ。
喜泉庵の見どころは、お抹茶をいただくスペースの前に広がる枯山水。周囲を丸みのある草木に固まれて、ゆったりと守られているような気分になる不思議なお庭。
お抹茶をいただきながら、癒しとくつろぎの時間を味わえますよ。
- 喜泉庵
- 鎌倉 / ドリンク / 紅葉
- 住所:神奈川県鎌倉市浄明寺3-8-31 浄明寺内地図で見る
- 電話:0467-22-8638
- Web:https://www.ishigama.info/kisenan.html
足利貞氏の墓
喜泉庵でゆったりとした時間を過ごしたあとは、浄妙寺ゆかりの人物に手をあわせましょう。
実は浄妙寺は足利氏の氏寺(有力氏族の所有するお寺のこと。菩提寺とも言います。)です。室町時代には浄妙寺の東側には足利氏のお屋敷が建っていました。本堂の裏には墓地が広がっていて、足利貞氏のお墓があります。
足利貞氏は当時、「浄妙寺殿」とも呼ばれていたそうですから、浄妙寺に多大に寄与した人だと考えられています。
石窯ガーデンテラス
お墓と喜泉庵の間には階段があって、そこには「石窯ガーデンテラス」の案内板が掲げられています。実は浄妙寺には古い洋館を改装して作られたカフェ&レストランがあり、なんとお寺の中で本格的なイギリス伝統ランチがいただけるんです。
お墓に並行する坂道を登っていくと、洋風の立派な建物が見えてきました。こちらが「石窯ガーデンテラス」です。
洋館が見えるとついつい忘れそうになりますが、ここもお寺の境内の中。お寺×洋館の組み合わせにびっくり!かなり珍しい光景ではないでしょうか。
入り口には、パラソルが綺麗に立ち並び、レストランの名前にもなっている「石窯」で焼き上げたパンの香ばしい匂いが、あたりに広がっています。
席は店内とテラス席から選べます。テラス席からは、イングリッシュガーデンを眺めながらランチをいただくことができますよ。
地元食材の鎌倉野菜をふんだんに使ったしゃきしゃきしたサラダと、イギリスの日曜伝統ランチというサンデーローストの柔らか~いお肉が、お寺の境内でいただけるとは、ちょっと嬉しい驚きではないでしょうか。
- 石窯ガーデンテラス
- 鎌倉 / 洋食・西洋料理
- 住所:鎌倉市浄明寺3-8-50 浄妙寺境内地図で見る
- 電話:0467-22-8851
- Web:http://www.ishigama.info/
もう一つの鎌倉の由来
石窯ガーデンテラスでお腹いっぱいになった後は、そのまま帰ってしまいそうですが、実は石窯ガーデンテラスの入り口に、もう一つ史跡に続く道があるんです。
石窯ガーデンテラスの脇には、小さな階段が続いていて、ひっそりと竹に囲まれたやぐらがあります。
ここは足利直義のお墓と言われているやぐら。足利直義は、幕府滅亡後の鎌倉を預かっていたとされる超重要人物でした。
鎌倉は格のある人物のお墓は、こういった「やぐら」と呼ばれる岩肌をくりぬいた洞穴に作られてることがあります。鎌倉はもともと山がちで、平地が少ないのでお墓を作ることを禁止していました。そこで、足利直義のような位のある武士には、こうして「やぐら」を作ってお墓を安置したのだそうです。
ちなみに、鎌足稲荷神社が「鎌倉」の由来となったとご紹介しましたが、実は、屍を埋める倉、つまり「屍(かばね)倉」から鎌倉になったという説もあるそうですよ。うむむむ・・・。そう聞くと鎌倉に行くのがちょっと怖くなるかも・・・。
おわりに
いかがでしたか?意外と知らない「鎌倉」の由来を探る旅。
主要観光スポットが集まる鎌倉駅周辺からは、少し離れた場所にありますが、バスの運行数も多いので、意外とサッと行けるお寺でもあります。
より深く鎌倉を知りたい!という方にはとってもお勧めですよ。怖い・・・と思わずに、ぜひご自身の足で訪れてくださいね!