レバノン
レバノン観光
”中東のパリ”とも”中東のスイス”とも言われる国

【レバノン】ベイルート・ビブロス・バールベックの見どころ

取材・写真・文:

東京在住
訪問エリア:191ヶ国

2023年7月22日更新

47,238view

お気に入り

この記事の目次表示

バールベック

ベイルートの北東86km、ベカー高原のほぼ中央に位置する高地の街バールベック。静かに時の流れる落ち着いた雰囲気が印象的な街です。

  • 写真:toshel

バールベック遺跡(世界遺産)Baalbeck

ここは、約3,000年前にフェニキア人によって築かれたフェニキア人系の神々の聖地だったといわれています。後にローマ人に征服され、基礎を利用して神殿が建築されました。

  • 写真:toshelバールベックの全体像図

祭神は、レバノンの最高神ジュピター、美の女神ヴィーナス、酒神バッカスと呼ばれるようになり、遺跡はこれら三神をそれぞれ祀る三つの神殿から構成されています。

それでは早速、中へ入ってみましょう。

  • 写真:toshel

階段上にそびえ立つ石柱は、エジプトから運んだ花崗岩です。

  • 写真:toshel

階段を上りきると、長さ150m、幅110mに達する六角形の前庭があります。

  • 写真:toshel

そこを超えると大庭園があります。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

ジュピター神殿

大庭園の先、さらに大きな階段を上がった高台には、ジュピター神殿跡があります。

  • 写真:toshel

現在は6本の列柱しか残っていませんが、高さ20m、直径2.5mのこの柱54本が、長さ85m幅47mの基壇に並んでいたそうです。基壇は、高さ3m、重さ800トンに達する巨石がいくつも組み合わさり、この神殿を支えていました。想像すると、その大きさがよくわかりますね。

  • 写真:toshel

バッカス神殿

ジュピター神殿の6本柱から見下ろすと、バッカス神殿が当時のままの外観で目に飛び込んできます。

  • 写真:toshel

内壁や、柱廊にもギリシア風の襞模様が施され、その美しさを物語ります。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

ジュピター神殿に比べれば少し小さいですが、それでもアテネのパルテソン神殿の大きさを上回ります。

放置されているように見える石の塊も、よく見るととても繊細な彫刻がなされており、とても興味深いです。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel
  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

ヴィーナス神殿

ヴィーナス神殿は、遺跡の外、東側に面している。また、遺跡のさらに南側にも、真ん中にアーチ門を配した列柱が並んでいます。

  • 写真:toshel

バールベックのこれらの神殿は、世界でも有数のローマ神殿跡と云われています。

コンスタンティヌス帝がキリスト教を国教と定めた後は神殿の破壊が進みましたが、未だにこの外観を保つローマ神殿は、世界でもここくらいしかないのではないでしょうか。

  • 写真:toshelバールベックから見たレバノン杉とレバノン山脈

併設の美術館

遺跡にの入り口付近にある美術館は、バールベック遺跡から発掘されたローマ美術を展示しております。詳細な説明がありとても充実していますので、是非お立ち寄りください、

  • 写真:toshel

バールベック遺跡の巨石は人智を超えたオーパーツ

人間と比較してもあまりにも巨大な一枚岩が、ここバールベックには多く存在します。下の方に小さく人が写っていますが、お分かりになりますでしょうか。

  • 写真:toshel

どの様な技術を使って加工、運搬されたのか未だに不明ですが、長さ18メートル、幅と高さは4メートル程ある巨石は重さは1,000トン近くあるものも。これは、建築物に使用された切り石としては世界最大で、この石を動かすためには、およそ1万5,000人の人間が必要との計算結果が出されているとか。

世界を見てもここまで大きいサイズの巨石はなかなかないらしく、自然の岩山からある程度整った形に石を切り出すにはそれなりの作業が必要になることから、一体どのようにこれらの巨石を切り出したか謎のままです。

加えて、運搬の方法もはっきりと判明しておらず、ピラミッドの様にコロを複数敷いてその上を動かす手法も、このサイズだと難しいようです。

現在使用されている世界最大のクレーンのは、NASAが使用するロケット運搬用のもので、その最大運搬量は700トンとされているそうです。

それでもとても足りないですね。

実際どの様な方法で、これらの石を使って神殿を建てたのか、謎の究明が進まず現代の科学では説明がつかないことから、人智を超えたオーパーツとされています。

夏にはオペラ音楽祭を開催!

バールベック遺跡では、夏にヨーロッパから数多くの芸術家を招いてフェスティバルが開催されます。世界中から観光客が訪れ、遺跡を堪能しつつ音楽を聴く夕べは格別です。季節もよいので、フェスティバルに合わせて訪れるのも良いですね!

  • 写真:toshel手前に鑑賞座席を設営中のジュピター神殿の6本柱
  • 写真:toshel鑑賞座席を設営中のバッカス神殿

● Entry fee: 12,000LBP(約850円)(2018年4月現在)

バールベック遺跡
レバノン / 遺跡・史跡
住所:Lebanon Baarnbek地図で見る

ベイルートからバールベックの行き方

コーラ(Cola)から乗合のバンが頻繁に出ています。

ベイルートから出発すると、レバノン山脈を越えて参りますので、その間の景色もとても美しいです。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

● Bus(Van):6,000LBP(約420円)(2018年4月現在)

バールベック
レバノン / 町・ストリート
住所:Baarnbek,Lebanon地図で見る

セルビスとタクシーの違い

電車や地下鉄のないレバノンでは、観光客はバスかタクシーが移動手段になります。しかし、市内のバスは時間が決まっておらず本数も少ないうえ、大通りしか通らないため何かと不便!

そこで小回りが利いて早いタクシーを使うのですが、レバノンではタクシーのほかに安価なセルビスというサービスがあります。

セルビスをどうやってキャッチするかというと、タクシーをキャッチして誰も乗っていなかったら「セルビスで」といえばOKです。セルビスにすると、道中に同じ方向へ行く客をどんどん乗せますので、少し時間がかかります。

乗合か専用車かということで、急いでいる場合は「タクシーで」といえば、他の乗客を乗せずに目的地へ直行してもらえます。面白いですね!

レバノンのタクシー(セルビス)は、ほとんどの車が使い込まれていてとても古く、車体は旧型のベンツなどが多いです。

  • 写真:toshel乗っていたら途中で故障してしまったベンツのセルビス

レバノンへの行き方

レバノンへは、2018年4月現在日本からの直行便がありませんので、中東やアジア、ヨーロッパを経由して行きます。

レバノンのハリリ国際空港からベイルート市内へは、到着ロビーを出てすぐのところに並んでいる車体にロゴの入ったエアポートタクシーがあります。エアポートタクシーはベイルート市内までおよそUS$30(約3,300円)。

また、空港を出たところにも一般のタクシーがおり、こちらは値段交渉可能です。US$15-30(約1,650円~3,300円)です。セルビスにすればUS$10(約1,100円)ほどです。

注※ ご自身のパスポートにイスラエルのVISAスタンプがある場合、レバノンへは入国できませんのでご注意ください。

レバノンの旅行予約はこちら


レバノンのパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

レバノンのホテルを探す

レバノンの航空券を探す

レバノンの現地アクティビティを探す

レバノンのWi-Fiレンタルを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

この記事を書いたトラベルライター

地球旅~現在192ヵ国~
行ったことのない国を中心にひとり旅しています。他国の歴史、文化、宗教、遺跡、そしてそこに住む人々の考え方に興味があります。

車の運転が好きなので、海外ではドライブ旅を楽しんでます。普段は会社員です。

【ホンジュラス】世界屈指の犯罪都市テグシガルパ

世界の治安が悪い国ランキングなどを見ると、毎年必ず上位になってしまうホンジュラス。しかし、手つかずの美しい自然が多く、世界遺産に登録されたマヤ文明のコパン遺跡を...


カリブの島はどこがいい?陽気レゲエでちょっぴり危険な「バルバドス」どこまでも静かな「アンティグア」

カリブ海には、大小様々な島がおよそ700あります。そのほとんどは欧米各国の領土で、独立国はわずか13カ国のみ。今回は、その中より対極にある2つの小さな島国をご紹...


【サウジアラビア】ついに観光ビザ解禁!閉ざされていた王国の珍しい文化と各都市の見どころ

観光での入国が困難だったサウジアラビアが、2019年9月27日に突然、ツーリストビザの発給開始を発表しました。今回は、サウジアラビアに古くからある慣習と文化、そ...

【ベネズエラ】世界の危険都市上位?首都カラカス

世界屈指の産油国にしてハイパーインフレーションに陥った南米の国ベネズエラ。かつて、スペイン植民地から独立へと導いた英雄「シモン・ボリバル」の生まれ育った街でもあ...

【リヒテンシュタイン】日帰りで行こう!ヨーロッパの小国

リヒテンシュタイン公国は、世界で6番目に面積の小さな国です。そして、この国の住人はわずか4万人弱と少ないですが、意外にも富裕国。今回は、山に囲まれ静かで美しいリ...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります