この記事の目次表示
日本を代表する冒険家を知る『青春を山に賭けて』
冒険家・植村直己氏をご存知でしょうか?
日本人で初めてエベレストを登頂。そして世界で初めて五大陸最高峰に登頂し、北極を犬ぞりで旅をした冒険界のレジェンドです。これだけ聞くと、どんな超人なんだろう?と自分たちとかけ離れた存在に感じるかもしれません。この『青春を山に賭けて』を読むと、どんな経緯で冒険家になったのかがよくわかります。
最初から冒険家になるんだ!というわけではなく、ちょっとなんとなくそっちの方向にいっちゃったというような雰囲気もあり、日記のような感じで当時の悩みや夢などが語られており、植村直己氏をとても近い存在に感じられる本です。
元々、強靭な体を持っているというわけでもなく、冒険家としてのスキルが卓越していたわけでもなく、特に興味があったわけでもなく、大学でなんとなく勧誘されて入った登山部でしごかれて彼の人生が変わります。
ウジウジした旅だってある『日本をゆっくり走ってみたよ』
登場人物がちょっとどころか、結構ウジウジした感じなキャラなので、たまにイラっとする人もいるかもしれませんが、初めての経験だったら、誰でも戸惑いや、ウジウジってしちゃうよな、と共感と安心を感じる漫画。それが『日本をゆっくり走ってみたよ』です。
漫画家の吉本浩二氏は、抱えていた連載が終わってしまい空いた時間で、バイクで日本一周をします。でも本当は、好きな女性に告白する勇気を付けるために、バイクで日本一周の旅に出るのです。そんなまわりくどいことをしなくても・・・と思う方もいるかもしれませんが、この作品の素晴らしいところは、普通なら恥ずかしくて隠しておきたい、ウジウジした部分や、戸惑い、そんなことまで描いちゃって大丈夫?という性癖まで披露しているところです。
男性の一人旅ってこうなんだーというリアル感が読みごたえがあります。
こんなに実用的な野宿本はあっただろうか!?『あたらしい野宿(上)』
実は『日本をゆっくり走ってみたよ』を知ったのは、かとうちあき氏の本『あたらしい野宿(上)』で紹介されていたからなのです。
この『あたらしい野宿(上)』は教科書テイストで、いかにして野宿をするかのハウツーを解説しています。野宿ですから、寝るためのグッズや、怪しまれずに寝られる場所の見つけ方、警察の職質やヤンキーのかわし方など、かなり実用(?)的です。
この本の筆者は女性なのですが、こんな世界があるのかとディープな野宿業界について知ることのできる貴重な本。ちなみに、もしトイレがないところで、もよおしたら(しかも大きいほう)どうするか?その場合は「野グソ」をすることになるのですが、野グソ研究の専門家が登場し、最適な野グソ場所の見つけ方、お尻にやさしい葉っぱの選び方も教えてくれますよ!良本です!(?)