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旅・冒険に出たい!を駆り立てる一度は読むべき名作本

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神奈川在住

2020年7月17日更新

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バックパッカーのバイブルから、50年以上続く紀行文まで、旅やアウトドアなど、読んだら同じような旅をしたくなるおススメ書籍がたくさんあります。今回は旅好きライターが何度も読み返しているお勧め本を厳選してご紹介します。

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本気のぶらり旅ってこういうこと。バックパッカーのバイブル『深夜特急』

旅の本といって真っ先に浮かぶのは、『深夜特急』という方も多いのではないでしょうか。バックパッカーなら一度は読んでおけ!くらいのバイブル的存在です。

著者の沢木耕太郎氏の実際の体験に基づくもので、読み始めると一人旅の高揚感を味わえます。1986年から1992年という、いまとなっては「昔」と感じる年代に書かれた作品ですが、ネットやスマホがない時代に、ぶらりと世界に出てしまった著者の生き方や、たくましさを感じられる作品です。

インドからイギリスまで、バスだけを使って一人旅をするというお題を自分に課し、その制限のなかで各地を移動します。バスで下車した各地で出会う文化や人との密接なかかわりの描写も細かく、特に人種差別やダークな職業に関することなど、現代の日本では味わえない世界の闇と著者の向き合い方も読みごたえがあります。旅をした街の音や匂いまでも文章から伝わってくるような、熱量のある名作です。

バイクで世界を旅する『珍夜特急』

先ほどご紹介した『深夜特急』のパクリと思われている方も実はいるのではないでしょうか。その名も『珍夜特急』。

著者のクロサワ コウタロウ氏いわく、『深夜特急』の沢木耕太郎氏と名前が一緒だったので、単にタイトルを寄せた・・・というものですが、こちらもめちゃめちゃ面白いです!

沢木耕太郎氏の場合はバスの旅でしたが、クロサワ コウタロウ氏はバイクで世界をまわっています。また一人旅ではなく、途中でチームをくんだり、また一人になったりと自由なスタイル。

こちらも1990年代というネットやスマホがない時代に、バイクで世界を走るたくましさが魅力です。

沢木耕太郎氏の場合は、世界をどこか悟ったような目線で、出来事を淡々と描写する、というちょっと超越したような感じがあるのですが、クロサワ コウタロウ氏の場合は、身近な友達が、熱っぽく旅の様子を語ってくる気配があって読みやすいです。

この本で、へえ~そうなるんだあ~とちょっと興味深かったのは、お互い英語が母国ではない外国人同士で長いこと旅をすると、日常生活の新単語を作り出して、意思疎通を図るというものです。確かにありえると思ってしまうエピソードについ共感します。

旅は身軽に!これぞ現代の旅のスタイル『LIFE PACKING』

現代、といっても2012年出版の本なので、今はもっと進化しているのかもしれませんが、世界中で仕事をする高城剛氏による本。『LIFE PACKING』です。先の本と違って旅する本ではありませんが、バックパッカーの人はほとんどの人が読んでいるのではないでしょうか。

テーマはいかに持ち物をシンプルにするか?です。旅は身軽にかつ機能的にがテーマです。1日程度、2週間、1か月、3か月、1年以上とこれらの期間で旅をするとしたら何を持ち歩く?ということに焦点をあて、高城剛氏が実際に買って、使って厳選したアイテムを紹介しています。

観光旅行というわけではなく、世界中で仕事をする前提でアイテムが厳選されています。ちなみに続刊も出ています。

この本を参考に高城剛氏とまったく同じアイテムを揃えてしまう人もいるほど。ぜひ書籍を読んでいただきたいのですが、海外で現金を守るために、あるものに現金を入れていたら無事だった、というアイデアは秀逸です。(ネタばれになるので気になる方はぜひ書籍をご覧ください)

50年続いている名作。冒険だ!キャンプだ!『わしらは怪しい探検隊』

もし「あなたの人生を変えた本はなんですか?」と聞かれたら、筆者は迷わず答えます。それは椎名誠氏の『わしらは怪しい探検隊』です!と。古い本ばかりのご紹介で若い方々には申し訳ないですが、1969年の作品です。ですがこちらもとっても名作。『わしらは怪しい探検隊』のあと、シリーズ化され2019年にも続刊が出版されています。(なんと50年続いているシリーズということに・・・)

全国いろいろな所で、時には海外でいきあたりばったりのキャンプ生活をします。最初は同居していた友達と、そのうち知り合いの知り合いを呼んで規模がふくれあがり、その都度テキトーに集まった仲間たちと、テキトーな場所にいってキャンプをしてたき火をして騒ぐ作品です。

そのテキトーっぷりがさまざまなドタバタなトラブルを呼び、その出来事が爆笑ものなのです。筆者はこの本に出会って、旅をすること、アウトドアを楽しむこと、本を読むことを覚えました!

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