カナダで一番の大都市トロントにあるBata Shoe Museum(バータ靴博物館)は、珍しい靴専門のミュージアムです。おしゃれは足元から、と言うほど重要なファッションアイテムですが、昔は権威の象徴とされていた靴。歴史を紐解く靴の展示から、女性が心踊るガーリーなコレクションまで、その展示数は1万足以上!靴専門博物館ならではの靴のすごさを感じられるのはここだけ!
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基本情報
バータ靴博物館は、トロントの中心部より少し北西、ヨークビルとスパダイナという二つのエリアの間にあります。地下鉄だとSt.George駅から徒歩すぐ。
トロントの観光名所というとCNタワーやホッケースタジアムなどが南のほうにありますが、この辺りは大きなミュージアムが集まるエリアで、美術館や博物館に行くのが好きな人にはもってこいの場所です。今回ご紹介する「バータ靴博物館」やお買い物エリアのヨークビルからも徒歩で行けて、すぐ近くにMuseum駅というメトロ駅もあります。
「バータ靴博物館」の入場料は、通常は大人14ドル(約1,148円)ですが、木曜日の夕方はDonationというシステムで、料金は自分で決められます。3〜5ドル(約256〜410円)くらいの金額を支払う人が多いようです。
展示概要
バータ靴博物館のフロアは4つに分かれていて、入口の案内では下から順に見ていくことが推奨されています。
- 地下…All About Shoes (世界の靴の歴史 ※常設展)
- 1階…ミュージアムショップとイベントスペース
- 2階①…Art and Innovation (カナダの先住民族のファッションの展示 ※2019年の通年展示)
- 2階②...The Gold Standerd(ファッションとゴールドにフォーカスした靴の展示 ※2019年の通年展示)
- 3階…企画展
という構成になっています。ファッションと結び付きが強いこともあって、靴を中心とした広い分野のコンテンツが楽しめます。
ただ広いといってもそこは靴専門ミュージアム、どの展示もキーワードは靴。企画展ではパリコレのようなファッションショーでの靴、2階では雪深い地で生活する先住民の靴、と展示によってまったく違う視点から見ることになり、フロアごとに違うエキシビジョンを見ているようなワクワク感とお得感があります。
説明はもちろん全て英語で、全部見るのに2時間くらいかかると思います。ちなみに地下の展示は比較的簡単な内容なので、英語が堪能でなくても十分楽しめますよ!
見どころ① 充実の常設展
見どころはやっぱり地下の常設展!メイン展示と言っても良いくらい充実しています。まずは世界各地の文化や宗教とともに、靴の歴史を紐解いていきます。
こんなの履いて歩けない!というようないかついデザインのものや、マリー・アントワネットに関連したようなフランス王朝時代のものなど、様々な珍しい靴がずらり。日本の神道にまつわる展示もあります。
ゴージャスでヒールが高くて歩きにくそうな靴を履いていたのは、働く必要のない上流階級の人だったとか、中国で足が小さい女性は美しいという纏足の文化から、小人のような靴を履いて足を大きくしないよう矯正していたとか、なるほどと思う情報がたくさん。
なおかつ、それぞれ見た目も魅力的な靴がピックアップされていて、アカデミックな情報だけでなく、純粋に靴自体を見て楽しいのも良いところ。バロックやゴシックなど、何が違うの?と思うような各芸術様式も、特徴がよくわかります。
後半は、戦後に靴がファッションの重要なモチーフになってからの変遷を辿ります。パンプス、ハイヒール、ストラップなど、今では当然のバリエーションとしてあるデザインが登場してきた背景や経緯を見ながら、これまた今見てもかわいい靴たちを追いかけます。この辺は、オシャレ好き・ファッション好きの女子にはたまらないコーナーではないでしょうか。
ボリュームたっぷりの常設展は、「靴専門」パワーが存分に発揮される、充実度満点のエリアです。
見どころ② とにかく靴!写真映え◎な靴モチーフ
靴専門ということで、館内は遊び心溢れる、靴にちなんだデコレーションが施されています。それを探してみるのも、このミュージアムの楽しみ方のひとつ。他にはないスポットなので個性的で、SNS映えにもぴったり!
まずは外のショーウィンドウ。カナダ各州の州花が、カラフルな靴で表現されているんです!
扉も靴のデザイン。ちなみに上の写真のものがこのミュージアムのエンブレムになっていて、館内の随所で見られます。かっこいい!
上の写真は、ドールハウス用の靴や物語に登場する靴など、サイズ感の異なる靴がずらりと展示されている様子。それらを、靴底の形のベンチに座って眺めます。
左は1階のショップで買える靴のチャーム。ここだけのグッズ感があってかわいいですよね。右は館内の窓の一角。さまざまな”靴跡”があり、子どもでも楽しめるコーナーです。
ミュージアムをよりエンジョイするために、靴モチーフのデザインを探してみてはいかがでしょうか。
見どころその③ オシャレ度高!の企画展
新しい試みがたくさん行われている企画展も見逃せません。2019年に行われているのは「WANT」という企画展。世界恐慌に襲われた不況の時代に生まれた、人々の欲求=WANT。その欲求は新しい文化を生み出したというコンセプトで、20世紀の新しい靴の流行が展示されています。
下のフロアのトラディショナルな雰囲気とは異なり、まるでファッションブランドの展示会のよう。この振れ幅の広さも見どころのひとつです。
ギャラリーなどと違って展示期間が長いので、時期をピンポイントに絞らなくても、割といつでも企画展を見ることができると思います。3階までくるとそろそろ疲れてくるかもしれませんが、靴の魅力をより深めてくれる企画展もぜひおすすめです。
まとめ
「靴専門ミュージアム」ならではのさまざまな展示が魅力のバータ。収蔵数1万足以上を全て見ることはできませんが、トロントのシティ探索のひとつとして、ぜひ靴をエンジョイしてみてはいかがでしょうか。
- バータ靴博物館
- カナダ / 博物館・美術館 / 博物館
- 住所:327 Bloor St W, Toronto地図で見る
- Web:http://batashoemuseum.ca/