北欧デンマークと聞くと、おしゃれなデザインが目をひく北欧家具や雑貨、レゴなどが浮かぶかと思います。アンデルセン童話の作品が生まれたのもデンマークであり、今回はその著者であるハンス・クリスチャン・アンデルセンが過ごしたデンマーク第3の街・オーデンセの見所についてご紹介します。アンデルセンの足跡が見えるようなゆかりのある地が点在しており、街もコンパクトで歩いて回るには理想的な場所です。ぜひ首都コペンハーゲンからのショートトリップの行き先として選んでみてください。
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アンデルセンが生まれたオーデンセの街とは
コペンハーゲンから鉄道で西へ約1時間半、フュン島の中部にあるのがデンマーク第3の都市オーデンセです。ここは、童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの生まれ育った土地です。
オーデンセの街の紹介についてはこちらの動画をご覧ください。
アンデルセンは、1805年にオーデンセで生まれ、国立デンマーク劇場に加入する14歳になるまでこの土地で育ちました。生涯にわたり計150編にも及ぶ童話の他、詩、小説、紀行文や切り絵など現代にも伝わる様々な芸術作品を残しました。
オーデンセの街には今でも彼が幼少期を過ごした家や博物館、そしてインスピレーションを得た場所の数々が美しい景観のまま残されています。
アンデルセン博物館
アンデルセンの生家に増築する形で、1908年にアンデルセン博物館として開館しました。詩人としてのアンデルセンから、童話作家としてのアンデルセンまで彼の生涯(1805~1875年)をたどる、充実の展示を楽しむことができます。1人の作家の人生と生涯を紹介する博物館は、世界初とされています。
アンデルセンの人生を幼少期から成人期、老年期、晩年に至るまでストーリーをもって紹介する展示になっており、展示の最後には彼が生まれた家に繋がり、原点に戻ります。
アンデルセンの生家は館内でつながっており、順路に沿って進んで行くと、急に高さが低く幅の狭いドアが現れ、その向こう側が生家エリアとなります。
アンデルセンの父親は靴職人であり、決して裕福な家庭ではありませんでした。狭い空間に仕事部屋、寝室、台所などがあり、間取りは現在もそのままのようです。アンデルセンが生きた時代を肌で感じることができます。
また、世界各国で翻訳されるアンデルセン童話の翻訳本が壁一面に置かれた資料室や、自筆の原稿、そして切り絵など貴重な品々も展示されています。
博物館は昔の住宅街のような場所にあり、今も一帯は昔の建物に修復を重ねながら当時の景観を保っています。中には、一般の民家のほか、雑貨屋やカフェとしてオープンしているところもあります。
- アンデルセン博物館
- デンマーク / 博物館・美術館 / 博物館
- 住所:Bangs Boder 29, 5000 Odense C, デンマーク地図で見る
- Web:http://museum.odense.dk/hcandersenshus
アンデルセンの幼少時代の家
もともと靴屋の息子として誕生したアンデルセンは、街の一角にある小さな家で家族と共に過ごしました。アンデルセン博物館にあるのはアンデルセンが生まれた家ですが、オーデンセ市内の博物館からほど近いエリアに、幼少期の彼と家族が住んだ家が残されています。
生家と同じく、道に面した窓辺に靴づくりの仕事場があります。
その隣に2~3部屋、生家と同程度またはそれより小さい間取りで、寝室や洗面所、台所などがあります。寝室にはベッドがありますが、そこにアンデルセンと何人もの兄弟が身を寄せ、寝食をともにしていたことを考えると、彼の生活がどんなものであったか想像しやすいかと思います。
この場所でアンデルセンは様々な物語を書くインスピレーションを得たのでしょうか。
- アンデルセンの幼少時代の家
- デンマーク / 建造物
- 住所:Munkemøllestræde 3, 5000 Odense C, デンマーク地図で見る
- Web:http://museum.odense.dk/en/museums/hans-christian-...
アンデルセン作品の功績をたたえるアンデルセン公園
アンデルセンが洗礼を受けた聖クヌート教会の裏に広がる緑豊かなアンデルセン公園は、オーデンセ市民の憩いの場として親しまれています。
小川の流れる美しい公園で、花壇に囲まれたアンデルセンの像もあります。
また、公園近くを流れる小川の一部エリアは、かつては貧しい人々が利用していた洗濯場であり、アンデルセンの母親もここで洗濯をしたといわれています。
オーデンセ街歩きのその他の楽しみ
地元カフェやレストランでのひととき
個性的なカフェやレストランが街に多くあるのも、オーデンセ滞在の楽しみの一つとなるでしょう。
中でもDen Gamle Kro Restaurantはデンマーク伝統料理を提供する老舗レストランです。 木造の古い建物で、中に入ると通常のダイニングスペースのほか、天井付きの庭など様々な空間が現れます。
食べられるお料理は、オニオンスープ、日本のとんかつのようなポークを平たくして揚げ、野菜やじゃがいもを付け合わせた料理など。塩加減が薄味で旨みもあり、日本人の口にも合います。
- Den Gamle Kro Restaurant
- デンマーク / 洋食・西洋料理
- 住所:Overgade 23, 5000 Odense C, デンマーク地図で見る
- Web:http://www.dengamlekro.eu/
雑貨屋さん巡り
オーデンセの鉄道駅から出て旧市街へと向かう道中、そして旧市街エリアには雑貨屋さんや家具屋さんが多く見られます。デンマークの学生たちは初任給で家具を買うと言われており、デンマークの家具は少々値が張るものの、耐久性があるので数十年にも渡って使うことができるようです。
北欧の、デザイン性が高いけれどきちんと実用的なもの、部屋の中を飾って人の心を明るくしてくれるものなど、個性的なものを扱うお店が多くあります。照明屋や紙屋、文具屋など、専門店も多く点在します。ぜひデンマーク・オーデンセで旅をしながら暮らす、そんな旅を実現してみませんか?
冬限定!街を彩るイルミネーション!
冬には、街中の商店街や木々、そして商店街のアーケードではアンデルセンの肖像画をかたどったイルミネーションなどが街にあかりを灯します。クリスマスの時期にはクリスマスマーケットがたつようですが、日の短い秋・冬の時期の街歩きもとても幻想的です。