その昔、風がないのに美しくゆらぐ松があったことから小動という名が付いた神奈川県鎌倉市にある小動神社。夢で神様に呼ばれて訪れる人も多いという不思議な神社をご紹介します。
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なんて読むの?小動神社
小さく動くと書いて小動神社。現代の感覚で読むと「しょうどうじんじゃ」と読んでしまいそうですが、正解は「こゆるぎじんじゃ」です。
その昔、風がないのに美しくゆらぐ松があったことから小動(こゆるぎ)という名が付きました。なかなか風情あるお名前ですよね。でも、風がないのに松が揺らぐ、この現象こそパワースポットの条件であることをご存知でしょうか?ゆっくりご紹介して参りましょう。
どこにあるの?
小動神社は、神奈川県鎌倉市にあります。最寄り駅は江ノ島電鉄(通称江ノ電)の腰越駅。腰越駅はとっても小さく、単線のためホームは片側のみ。
ここから小動神社までは徒歩数分ですが、腰越駅にきたらぜひ街の風景も楽しんでいただきたいポイント。というのも、腰越駅から江ノ島駅の間は江ノ電が道路の上を走るんです。
江ノ電は鉄道事業法では鉄道として分類されていますが、腰越と江ノ島の間は国交省から特別なお許しを得て、道路に線路を引いているのです。商店街の道路のど真ん中を、鉄道の車両がずんずんと走る光景は、なかなか見ものですよ。このあたりではこの風景をお目当てにカメラを構える人の姿も多く見かけられます。
こんな風に建物のスレスレを通る風景は江ノ電ならでは!
鳥居
徒歩5分程度で、小動神社の鳥居に到着。神社のお社は海に面しているので、鳥居から神社のほうを眺めていると、さわやかな潮風を感じます。
鬼子母神
鳥居をくぐって参道をしばらく歩くと、左手に鬼子母神が祀られています。鬼子母神は安産や育児の神様。しかし鬼子母神は仏教の神様です。なぜ神社に仏教の神様がいらっしゃるのでしょう。
かつて日本もともとの信仰(神道)と外国から入ってきた仏教が融合し一つの信仰として合体しました。いわゆる神仏習合(しんぶつしゅうごう)です。その名残で神道の敷地に仏教の神様がいたり、その逆で仏教の敷地に神道のお社があったりします。
そういうわけで、大正時代まで近くのお寺が小動神社を管理していました。小動神社の鳥居から道路を挟んだ反対側にある「浄泉寺」というお寺です。小動神社との関連が深いので、ぜひ訪れてみては。
本殿
長い参道を歩くと、赤いほっかむりを被った狛犬を従えた本殿があらわれます。この狛犬は地元の漁師さんの御寄進ということで、小動神社が地元の方々に愛されているのが感じられますね。
さて、小動神社の御祭神は健速須佐之男命、建御名方神、日本武尊、歳徳神です。神社を参拝するうえで、祀られている神様がどんなキャラなのか知ることはとっても大事です。簡単にご紹介しましょう。
健速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)
「スサノオ」と略して呼ばれることの多い神様。全国の八坂、津島、氷川といった名前の付く神社で祀られています。超有名なので、あまり神社に興味がなくても聞いたことがある方も多いのでは。神様のなかでも性格はとっても人間的。わがままで乱暴、ときにはいたずらしたりして天界を追放になったことも。しかし大蛇の怪物であるヤマタノオロチを倒して、一躍ヒーロー的神様になった人です。ご神徳は水難・火難・病難の厄除けと五穀豊穣です。
建御名方神(たけみなかたのかみ)
全国の諏訪とつく神社にお祭りされている神様。この方は、人間が千人で動かせる石を、片手で軽々持ち上げるほどの怪力の持ち主。その力を生かして、悪さをする龍神などを退治して、こちらもヒーローになった神様です。ご神徳は、五穀豊穣、盛業繁栄、交通安全、開運、長寿、仕事運など。
日本武尊(やまとたけるのみこと)
景光(けいこう)天皇の息子であるヤマトタケルノミコト。天皇の命をうけて、あちこちで戦をし、天皇への反抗勢力や、あらがう地方の神様を服従させた方。ご神徳は、五穀豊穣、商売繁盛(特に商工系)、出世、開運、厄除け、交通安全、合格祈願です。
歳徳神(としがみ)
『古事記』ではスサノオの息子とされています。貧しい家に訪れて、親切にしてくれた人には沢山のお金を与えるという伝承のある神様。お正月様や恵方神といった呼び方など、毎年お迎えするあの神様です。ご神徳は産業、家内安全、開運、厄除け、縁結び、夫婦和合です。