杉原千畝という人物を皆さんはご存知でしょうか。第二次世界大戦中、欧州各地からの多くのユダヤ系難民に対してビザを発行して救った功績から、「東洋のシンドラー」と呼ばれています。今回はそんな歴史の場所になっている、リトアニア・カウナスにある「スギハラハウス」をご紹介します。
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杉原千畝とは
杉原千畝は日本の外交官として、第二次世界大戦中、日本領事館領事代理としてリトアニアのカウナスに赴任していました。そこでナチス・ドイツによって迫害されていた多くのユダヤ人にビザを発給し、彼らの亡命を手助けしたことで知られています。その行為は当時の日本政府の訓令から背いていたもの。彼は自身の「博愛第一主義」という価値観に基づき、ビザを発給し続けたことで、多くのユダヤ人を救いました。
このビザは「命のビザ」と言われ、その発行数は6,000枚とも言われています。つまり杉原千畝は、ビザを発行することで6,000人ものユダヤ人の命を救ったということです。1985年にはイスラエル政府より、この功績に対して、「諸国民の中の正義の人」として「ヤド・バシェム賞」を受賞。これは日本人初であり、現在でも受賞した唯一の日本人です。
スギハラハウス(杉原記念館)とは?
杉原千畝がビザを発行し続けた旧日本領事館が、リトアニアのカウナスの住宅街に残されています。この旧日本領事館の建物が、現在では彼の功績を伝える場所「スギハラハウス(杉原記念館)」として見学することができます。
スギハラハウス(杉原記念館)の見所
スギハラハウスはとても小さいのですが、「こんな小さなところで6,000人もの人々を救ったのか」とそのギャップにとても驚きます。
建物全景から入り口まで
- 出典:www.flickr.comFacade of Chiune Sugihara House - Kaunas - Lithuania - 02 by Adam Jones
住宅街にひっそりと佇んでいるため、気をつけないと通り過ごしてしまいそうになります。
当時はこの門の前に、多くのユダヤ人がビザを求めて殺到したとのこと。
- 出典:www.flickr.comFacade of Chiune Sugihara House - Kaunas - Lithuania - 01by Adam Jones
入り口は門の正面ではなく、ちょっと奥まったところにあります。
普通のおうちにお邪魔するような、そんな入り口です。ここが歴史的功績の「入り口」だったのです。
展示の一部をご紹介
玄関を入ると、「命のビザ」の拡大版が壁に展示されています。彼は手書きで一人一人に「渡航許可」を書いていたのでした。
領事館の応接室として使われていた部屋には、千畝やその家族の写真が飾られていたり、その反対側の壁には彼の生い立ち、功績の年表がありました。
領事室には、彼のデスクが復元されています。
椅子には座ることもできますよ。
彼の三人の子供の写真もデスクに飾られています。
窓には折り紙で折られた鶴が飾られていました。なんとも言えない印象的な一場面です。
最後に
日本人が誇れる日本人「杉原千畝」の功績を紹介するリトアニア・カウナスの「スギハラハウス」をご紹介しました。訪れる前に、ぜひ、杉原千畝に関する功績の「予習」をしていくことを強くお勧めします。
杉原の生涯・功績は2015年に唐沢寿明さん主演で『杉原千畝 スギハラチウネ』というタイトルで映画化されています(実際、唐沢寿明さん、そして共演者の小雪さんはこのスギハラハウスを訪れた、とのことで館内にも写真が飾られていました)。 ぜひ、歴史の舞台になったということを実感しながら館内を見学してみてください。
- 杉原千畝記念館
- リトアニア / 博物館
- 住所:Vaižganto g. 30, Kaunas 01100 リトアニア地図で見る
- 電話:37 332881
- Web:https://www.facebook.com/sugiharahouse/