ミャンマーのバガンから南東約50kmにあるポッパ山。その麓には、ミャンマーの土着信仰である「ナッ信仰」の聖地、タウン・カラッがあります。標高737mの岩山の頂きには、煌びやかな堂塔が並び、その姿はまさに天空の寺院。バガンに訪れた際には、ぜひ足を延ばして欲しいタウン・カラッの魅力をご紹介します。
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ポッパ山とタウン・カラッ
世界三大仏教遺跡の一つ、バガン遺跡があることで有名な「バガン」から南東に約50kmの場所にあるポッパ山は、標高1,518mの死火山。
その麓にある岩山タウン・カラッは、ミャンマー人なら誰でも知っている大僧正ボーミンガウンが1938年から52年まで瞑想修行した場所であり、同時に古くからミャンマーの土着信仰である、ナッ信仰の総本山としても有名です。
タウン・カラッを上ろう
待ち受けるのは777段の階段と沢山のお猿さん
岩山を上ると言っても、実際に上るのは岩ではなく階段。その数777段。
ミャンマーの寺院に入る際は、靴を脱ぐのがルール。こちらのタウン・カラッも例外ではありません。階段下で靴を脱ぎ、裸足で上ります。
決して楽な道のりではありませんが、途中で見られる景色を楽しんだり、時折吹く風に涼しさを感じながら頂上寺院を目指しましょう。
また、タウン・カラッには沢山の野生猿が生息しており、人間が近くを通ろうがお構いなしに歩き回っています。遠目で見るには可愛らしいお猿さんですが、人を襲うこともあるので、絶対に触ったり、じっと目を見つめたりしないようにしてくださいね。
階段には猿のフンが落ちていることもあるので、くれぐれも足元には注意!衛生面が気になる方は、ウェットティッシュをお忘れなく。
頂上の寺院を参拝
777段の階段を上ると、頂上寺院に到着です。煌びやかな堂塔や祭壇が並ぶ天空の寺院を巡りましょう。観光客だけではなく、熱心に祈る地元の方の姿も多く見られるのが印象的です。
ミャンマーでは、何曜日に生まれたかという伝統歴「八曜日」が重要視されています。(水曜日は午前と午後に分かれているため、週7日より1日多い数になっています)。ミャンマーの寺院には曜日ごとの祭壇が置かれており、タウン・カラッも同様です。ぜひ事前に自分の生まれ曜日を確認して参拝しましょう。
ナッ神の姿はとても個性的
随所に現れるナッ神の人形。衣装はカラフルで、それぞれがとても個性的です。
参道入口にある建物には、37体のナッ神像があります。ナッ神の中には非業の死を遂げた後、祀られたとされるものが多いそうです。
日本でも菅原道真公が謀反の罪を着せられ太宰府に左遷。その死後、都で異変が相次いだため神として京都の北野天満宮に祀られました。
ミャンマーでも、このように怨霊を恐れ祀った日本人と共通した考えがあったのかもしれませんね。
まとめ
平原に、にょきっとそびえ立つ標高737mの岩山の上に黄金の堂塔が並ぶ寺院。遠目から見てもその独特の形に圧倒されてしまいます。頂上まで上るには体力も必要ですが、ぜひ聖地をご自身の足で上り、身近に感じてみてください。
なお、タウン・カラッまではバガンから車で約1時間半。タクシーチャーターや半日ツアーで訪れるのが便利です。