異国の文化に触れることは旅の醍醐味ですね。普段とは違う世界を見ることで、視野が広がり心が豊かに変わっていくでしょう。今回はモンゴルの大草原に暮らす、遊牧民の疑問についてまとめました。私たちにはない独自の暮らしぶりを感じてみてください。
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モンゴルの大草原に住む遊牧民への疑問
遊牧民ってどんな人たち?
遊牧民は家畜を育てるために、季節ごとに住居を移動させながら暮らしている民族で、モンゴルだけでなくアジア・中東・アフリカなどに分布しています。近年ではオフィスを持たず、カフェでパソコン作業をする人のことを「ノマドワーカー」と呼びますが、語源は遊牧民を英語で「Nomad」いうところから来ています。
遊牧民はなぜ移動するの?
遊牧民は草原で多くの家畜を放牧しています。家畜の種類は主にヒツジ・ヤギ・牛・馬・ラクダといった草食動物で、頭数はひとつの家庭につき数百〜数千頭ほど。それらを育てていくには多くの草が必要ですが、一ヶ所に留まっていたのでは食べ尽くしてしまうため、季節に合わせて草のある場所へと移動をしています。
どんな家に住んでるの?
遊牧民の住居は「ゲル」といって、組み立て式のテントで暮らしています。骨組みを建てたら周りにフェルトを巻き、外側に白い布を被せてロープで固定します。床は地面の上に直接カーペットを敷き、中央には鉄製のストーブが設置されます。ゲルは大人数人いれば1〜2時間で組み立てられるそうです。
多くの家畜を連れてどうやって引っ越すの?
ゲルはばらしてトラックで運びます。家畜は後ろから追うと逃げる習性があるので、馬やバイクで追いかけながら前に進ませます。移動距離はおよそ5〜50kmくらいで、長距離の場合は家畜の身が痩せてしまわないよう数日かけてゆっくりと移動します。
電気・ガス・水道なしでどうやって暮らすの?
草原にはパイプラインがありません。昔は照明にろうそくを使っていたようですが、現代の遊牧民は自家発電機を持っているため、明かりを灯すことはもちろん、テレビを観たり携帯の充電も可能。ガスはカセットコンロを使う場合もありますが、ストーブの上に鍋を乗せて調理することが多いです。
水はゲルの近くに井戸があるため、そこから汲んで大きな入れ物にためておきます。近くといっても私たちの感覚では遠い場合が多いですが、遊牧民はあまり細かいことは気にしません。
風呂とトイレはどうしてるの?
風呂は桶にお湯をためてカラダを流します。村にはシャワー屋があるので、近くに住んでる場合はそこへ行く人もいますが、いずれにしても毎日カラダを洗う習慣はありません。トイレは地面に穴を掘り小屋を建てて作りますが、汲み取り式ではないためいっぱいになったら穴を埋め、また別の場所を掘るそうです。
遊牧民に郵便物は届くの?
遊牧民は好き勝手に放浪しているわけではありません。そのため自然災害など特別な理由がない限りは同じ場所に戻ってきます。それだけでなく周囲の人々と常に協力し合って暮らしているため、郵便物は村の人から情報を得るか、本人に直接電話をするなどして届けるそうです。
子供は学校にどうやっていくの?
学校の近くの場合は家から通いますが、通学が不可能な場合は寮に入り、休みになると家に戻って家族と過ごします。ちなみにモンゴルの学校は5月に修了式や卒業式が行われ、6〜8月は休みとなり9月から新学期が始まります。
寒い冬はどうやって過ごしているの?
モンゴルの冬は氷点下20〜40度にまでなる極寒で、厳しい環境で暮らしていくには知恵と工夫が必要です。ゲルは山のふもとなど比較的暖かい場所に建て、壁にはフェルトを多めに巻き、床には断熱効果のある家畜の糞を敷き詰めます。乾燥させた糞はストーブの燃料にも使われますが、草食動物であるためよく燃えることと、気になる匂いもありません。
食べ物はどうやって調達するの?
小麦粉や野菜は村へ買い物に出かけますが、肉は育てている家畜を捕まえて捌きます。ただ冬から春にかけては身が痩せてしまうため、この時期は基本的に屠殺を行いません。そのため脂ののった秋のうちに春を越すまでの肉を準備し、乾燥させるなどして長期間保存します。そのほか家畜の乳で作った乳製品も多く利用します。
遊牧民の暮らしが体験できるツアーも!
現地ツアーの中には遊牧民のお宅を訪問したり、宿泊できるプランも用意されています。大草原で過ごすには不便なことが多いですが、街にはない豊かさが感じられると思います。果てしなく広がる大地と大空に包まれながら、モンゴルならではの非日常を味わってみてはいかがでしょうか。