大草原が広がるモンゴルは、日本から比較的近い場所にありながら、どんな場所なのか知らない方も多いかもしれません。今回はそんなモンゴルについての情報をまとめました。これから旅行を計画されている方は参考にしてください。
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モンゴルの基本情報
モンゴルってどこにある?
モンゴルは東アジアに位置する国で、北はロシア、南は中国に隣接しています。成田空港から直行便が出ていて、フライト時間は約5時間半。乗り継ぎの場合は北京かソウルを経由します。ロシア・中国から陸路で入国も可能であり、その際は列車かバス、または乗り合いタクシーで移動します。
首都はウランバートル
モンゴルの首都はウランバートルで、人口の半数近くが集まる大都市です。都市化が進んで街の中心部にはビルが建ち並び、高層マンションも増えています。ですが一方で上下水道すら整備されていないゲル地区と呼ばれるエリアもあり、市民の約半数がそこで暮らしています。
世界一人口密度の低い国
国土面積は日本の約4倍(1,564,000km²)、人口は東京都の4分の1以下となる約330万人で、人口密度は1km²辺りに2人の割合です。これは世界一低いとされていて、ウランバートルは密集していますが、郊外へ行けば行くほど人が少なくなり、広大な大地と手付かずの自然が広がっています。
変化の激しいモンゴルの気候
地域によって差がありますが、空気が乾燥していて気温や天気が変わりやすいのが特徴です。観光シーズンは6月上旬から9月上旬頃で、7月は緑の草原が広がります。夏は日差しが強く暑いですが、土砂降りの雨が降ることも多いです。一方冬はマイナス40度近くにまで下がる極寒で、ウランバートルは世界一寒い首都といわれています。
モンゴルの言語と文字
公用語はモンゴル語で、地域によっては民族独自の言語が使われています。文字は元々、縦書きのモンゴル文字が用いられていましたが、1940年代にロシア語のアルファベットであるキリル文字が採用され、現在はキリル文字とローマ字の両方が使われています。
英語はどれだけ通じる?
英語はウランバートル中心部のホテルでは通じますが、それ以外はあまり期待できません。郊外ではほぼ通じないと思っていいでしょう。ただ近年では小学校から英語教育が取り入れられ、第二言語として習得する若者も増えたため、レストランやバーで通じることもあるかもしれません。
モンゴルの通貨と両替
通貨はトゥグルグで、紙幣のみでコインはありません。現地の銀行では日本円の両替が可能であり、クレジットカードを使えばATMから現地通貨を得ることもできます。ただ日本にはトゥグルグを扱う銀行がないため、使い切らなかった通貨は必ず現地で両替してください。
モンゴルの水事情
水道水は飲めせん。ホテルでは茶色い水が出ることもあるため、飲料水は必ずペットボトルを買うようにしてください。郊外では井戸水を沸かしたものを飲料水にしていて、ほとんどの場合は口にしても大丈夫ですが、ときどきお腹を壊すケースもあります。旅行の際は胃腸薬を用意した方がいいでしょう。
スリに注意!モンゴルの治安
市場・駅・電車・バスなど、人の集まる場所ではスリが多いです。財布をリュックやポケットに入れたり、荷物から目を離すことはやめましょう。外国人狙いのぼったくり等もあるため、タクシーはホテルのフロントで呼んでもらい、買い物の際はお釣りをその場で数えた方がいいでしょう。それから現地ガイド無しでゲル地区に立ち入ることや、夜の外出は控えましょう。
モンゴルの文化と生活
古くから伝わる遊牧文化
モンゴルの人々は元々遊牧民族であり、草原で牧畜を営みながら暮らしてきました。都市化が進み遊牧民の数は減少傾向にあるものの、現在もはるか昔から変わらない遊牧文化は続いています。これはモンゴル最大の特徴であり、最も興味深い部分といえるのではないでしょうか。
モンゴルの宗教
宗教は主にチベット仏教が信仰され、かつては仏教寺院が学問や社会の中心となって栄えました。その後、宗教弾圧によって多くの僧侶が迫害され、建物が破壊されるなど負の歴史もありましたが、人々の中から信仰心が消えることはなかったようです。そして仏教とは別にシャーマニズムも広く根付いていて、霊界と繋がる役目を果たすシャーマンが各地に存在しています。
民族衣装「デール」
モンゴルの民族衣装はデールと呼ばれ、紀元前に存在していた匈奴(きょうど)の国から伝わったといわれています。デザインは上下が一枚になっていて、立ち襟で袖が長く、ウエスト部分に絹でできた帯を巻きます。デールを着たときは帽子をかぶるのが通常であり、正式な場ではマナーとなっています。
人気の格闘技!モンゴル相撲
モンゴルには「ブフ」と呼ばれる相撲に似た伝統競技があり、年に一度の大イベントであるナーダム祭では、各地から力士が集まり熱い戦いが行われます。背中と腕が覆われた胸の開いた衣装が特徴的で、土俵や時間制限はなく、肘・膝・頭・背中・尻のいずれかが地面についたら負けとなります。
肉中心のモンゴルの食べ物
メイン食材は、遊牧民が育てている5大家畜(羊・ヤギ・馬・ラクダ・牛)の肉や乳であり、最も多く食べられているのは羊肉(マトン)と牛肉です。代表料理は、小麦粉の皮で具を包んだボーズやホーショルなどで、乳製品は数十種類あるといわれています。
遊牧民の移動式住居「ゲル」
遊牧民は季節ごとに引っ越しをするため、解体・組み立てが可能な「ゲル」と呼ばれる家に住んでいます。内部には生活に必要な家具が置かれ、中央には鉄製のストーブが設置されています。これは暖房器具としてだけでなく、上部に中華鍋を置いて調理器具としても使われます。ゲルには特別な設備はありませんが、厳しい気候の中で生きてくための様々な知恵と工夫が施されています。