あらゆることが日本と異なる未知の国モンゴル。現地ではきっと、たくさんの面白い経験や珍しい発見が訪れる思います。今回はツーリストが実際に出会いそうな、モンゴルの生活や習慣についてまとめました。
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宿泊施設に電線も水道管も通ってない
大草原には電気やガス、水道などのライフラインはありません。遊牧民はそんな場所にゲルを建てて暮らしていますが、宿泊施設であるツーリストキャンプも同じ環境である場合が多いです。ツーリストキャンプとはゲルで作った宿泊施設のことであり、シャワー・トイレ・レストランなどの設備も含めてそう呼んでいます。
ツーリストキャンプでは自家発電機を使っているため、部屋の照明やスマホの充電は可能です。でも場所によっては部屋にコンセントがなかったり、電気が切れるトラブルはときどき起こります。
そしてシャワーは地下水を引いているので、水圧が極端に低かったりパイプが凍って水がでないことも珍しくありません。さらに熱いお湯が出ないこともありますが、モンゴルではこれらを楽しむ気持ちで挑みましょう。
レンタカーにはドライバーが付いてくる
モンゴルは果てしない大地が続き、見どころは街から離れていることが多いです。そして各スポットへ行くためのバスなどはないため、観光するには車がどうしても必要です。それならレンタカーがいいのでは?と思うかもしれませんが、実は車両のみのレンタルは不可能です。レンタカーは基本ドライバー付きになるので、完全プライベートでないだけでなく旅費も高くついてしまいます。
理由は郊外の道路はアスファルトが崩れて、陥没している箇所がたくさんあります。そういった場所では徐行するか、くぼみを避けて通らないと大事故につながる恐れがあります。実際にスピードを出したままくぼみにはまり、ひっくり返っている車を見るのも珍しくありません。
また草原には標識がなく、場所によってはGPSも機能しません。日が暮れれば真っ暗になり、道に迷ってガス欠になったり雨が降って泥にハマっても、周囲に人がいるとは限りません。そのため慣れない人が運転するのは危険です。そもそも短期滞在の外国人は運転を許可されていないようですが、もしできたとしてもやめた方が良さそうです。
ラムを食べるのは不可
モンゴルの食といったら羊料理がメインですが、羊肉に馴染みのない日本人は「羊といったらラムのステーキ」とイメージするかもしれません。ですがモンゴルでは生後1年未満となるラムは食べず、1歳を過ぎたマトンのみを食します。
これは羊に限らずどの家畜も同じですが、子供は殺さないという遊牧民のルールであり、美味しいとわかっていても食べるために屠殺をしたり、出荷することもないそうです。そのため旅行中にラムが食べたいとリクエストしても、出てくることは決してありません。
他人の足を踏んだら握手をする
バスの中や人混みで誰かの足を踏んだとき、または肩がぶつかったときには、見知らぬ人同士でも握手をして別れます。これは謝罪の表現であり、言葉だけでなく握手をすることで角が立たなくなるようです。
心の距離が近いモンゴルらしい表現ですが、相手がたとえ外国人であっても同じ対応をしてきます。そのためもしも旅行中に足を踏まれたときは、突然手を握られるかも知れませんが、驚かないで笑顔を向けてみてください。きっと和やかな雰囲気で終われると思います。
敷居につまずき中へ転ぶと金運アップ
モンゴルにも日本と同じで、玄関の敷居を踏んではいけないというマナーがあります。ただ敷居につまずき中へ転ぶと、「金運・財産をもたらす」といって喜ばれます。ゲルには大抵ストーブがあるので、転んだ人に薪をくべってもらうと、その家の運勢は向上するといわれています。
逆に外へ向かって転んだ場合は「金運が逃げる」という意味になり、その場合も運が出ていかないように祈りながら薪をくべります。そのため遊牧民のゲルを訪問するときなどは、その家の運を逃さないよう足元に気をつけた方がいいでしょう。ですが偶然にも中へ向かって転んだならば、縁起がいいと歓迎されるかもしれません。
遠出するときは到着時刻を決めない
モンゴル人は遠出をするとき、到着時刻を決めません。決めると不吉なことが起こるといわれているため、「日が暮れるまでには着く」といったような大雑把な予定で行動します。これは自然と共存しながら生きる、遊牧民ならではの発想かもしれません。たださすがにツアーでは、「時間があまりに曖昧で困る」ということはないので大丈夫です。
神聖な山に名前をつけない
大自然が広がるモンゴルでは、神と崇められている山がたくさんあります。ですがそれらには名前をつけず、「あの山」などと呼ばれることが多いです。そしてそれらを指差すことは、失礼になるので気をつけましょう。これは人に対しても同じですが、人差し指ではなく手を開いて向けるならばいいそうです。