沖縄県南城市の山あいにある名水百選、垣花樋川(かきのはなひーじゃー)をご紹介します。沖縄の海を見ながら、透明感抜群の湧き水鑑賞を楽しむことができるパワースポットです。まるで自然の秘密基地に来たような気分を味わいませんか?
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垣花樋川(かきのはなひーじゃー)とは?
沖縄県本島南部、南城市に位置する湧水地です。山あいに位置し、まるで秘密基地に来たような気分となるパワースポットです。
昭和60年(1985年)、当時の環境庁により、全国名水百選に指定されています。「天然の美しい川を保全して後世に伝える」という目的で推薦されました。垣花樋川の見学所要時間は、ゆっくり見て1時間~1時間半程度です。
この川はかつて、垣花村に住む人々の生活に寄り添ったスポットでした。その用途は様々で、水浴び、洗濯、野菜洗い、水汲みなどの場として重宝されました。現在は、簡易水道として、地域の飲料水等の生活用水や農業用水として利用されています。
それでは以下より垣花樋川(かきのはなひーじゃー)の楽しみ方について、5つに分けて詳しくご紹介していきます。
【楽しみ方1】透明感バツグンの湧き水に触れる
入り口には駐車場がありますので、車はそちらへ駐車し、さっそく散策をスタートさせましょう。うっそうとした森の中を5分程度進みます。視界がパッと開けると、そこが目的地となります。
見どころを下流、中流、上流と三段階に分けると見学しやすいです。下流には広めの池があり、水が浅く溜まっています。中流には、小さめの水溜りがあります。
上へ行けば行くほど水の透明感が増してきます。水質調査については、飲料水としての検査を年二回実施しています。また、地元民により定期的な清掃活動もあるのだとか。
さらに上流へ登っていくと、岩で作られた建造物と水路が出てきます。湧き水地点は森の中にあるので、直接見ることは出来ません。
苔むした様子と、水路の中を流れる豊かな水を見ていると涼しげな気分になります。残念ながら、湧き出ている水量についてはまだデータが無いそうです。
【楽しみ方2】ベンチに座って海を堪能
敷地内にはベンチがあり、垣花樋川の様子をゆっくりと望むことができます。また、遠くには南城市の海が広がっています。
敷地内はそこまで広いスペースはなく、1時間~1時間半程度もあれば十分散策可能ですが、ベンチから青い海を眺めていると、時間を忘れてしまいそうです。
遠くには、神の島と呼ばれる「久高島(くだかじま)」を望むこともできます。久高島は、琉球(昔の沖縄の名前)の創世神「アマミキヨ」が天からその地に降り立ち国づくりを始めたという琉球神話が伝わる、聖地の島です。
久高島は、海の彼方のニライカナイ(豊穣や生命の源及び神界)につながる聖地であるとされています。こうした理由により、久高島が見える垣花樋川もパワースポットとする説があるのだとか。
【楽しみ方3】生き物について学ぶ
現地では、ちょっと驚く生き物を見つけることができます。生き物の正体は「アフリカマイマイ」という世界最大級の陸産巻貝(カタツムリ)の一種です。生態は夜行性で昼間は草地に潜んでいますが、垣花樋川は木陰も多いため、昼間でも活動している様子を見ることができます。
原産地はアフリカですが、1930年代に台湾より食用目的で輸入されました。厳重な隔離管理で飼育されていましたが、沖縄戦をきっかけに逃げ出したことで、島内で野生繁殖するようになったようです。
敗戦直後は貴重なタンパク源として重宝されましたが、食糧事情が好転すると食用として利用されなくなりました。農産物を食い荒らしてしまうため、植物防疫法により有害動物指定を受けており、国内外ともに持ち出しは禁止されています。
フランスではカタツムリをよく食べる習慣がありますが、絶滅寸前のエスカルゴ(リンゴマイマイ)の代用品として、アフリカマイマイが利用されることもあります。
【楽しみ方4】歴史を学ぶ
先述した通り、かつての垣花樋川は、住民の生活の一部として欠かせない場所でした。敷地内の場所によっては、それぞれ異なる呼び名と役割があったそうです。
例えば、上流の右側から出る水を男(イキガ)川、左側から出る水を女(イナグ)川と呼んだそうです。下流の浅い池は、馬浴(ウマアミシー)川と呼ばれ、馬を洗ったり、水を飲ませる場所であったようです。
今でこそ人々の暮らしからは離れてしまいましたが、かつては湧水地へ向かうための石畳道も、村の人々が多く行き来していたのだとか。垣花樋川を散策することで、かつての人々の暮らし方に思いを馳せることができるのも、魅力のひとつです。
【楽しみ方5】山の茶屋楽水(らくすい)でお茶をする
垣花樋川を散策後は、車で10分程度の場所にあるカフェ「山の茶屋楽水(らくすい)」の訪問がおすすめです。大胆な吹き抜けの空間が特徴です。
こちらのカフェは建物の構造がユニークで、店内の壁の一部が本物の山となっています。山はもちろん、生えている植物も本物です。
店内は広々とした空間で、二階席のすぐ目の前は海です。窓に面した席からは贅沢に海を臨むことができます。
自然素材を主に使用しており、体に優しいメニューが多いです。筆者はグァバジュース(500円)を飲んでみたのですが、天然の甘さが体に染みわたりました。垣花樋川散策後の休憩として、利用してみてはいかがでしょうか?
- 山の茶屋楽水
- 南城市 / カフェ・喫茶店
- 住所:沖縄県南城市玉城19-1地図で見る
- 電話:050-5872-7110
- Web:https://sachibaru.jp/yamacha/