奈良県の田原本町に2018年春、新しい観光スポットが誕生しました。弥生時代の集落跡を整備した唐古・鍵(からこ・かぎ)遺跡史跡公園と、道の駅レスティ唐古・鍵です。公園の散策や特産品の購入、飲食も楽しめる唐古・鍵地区に立ち寄ってみませんか?
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奈良盆地の中央にある田原本町
田原本町(たわらもとちょう)は、奈良盆地のほぼ中央に位置する、人口約3万人の町です。奈良県第2の都市「橿原市」に隣接しており、一部は宅地として開発されていますが、駅周辺には古くからの家屋や商店があり、郊外には田園風景が広がる、平坦でのどかな町です。
唐古・鍵遺跡史跡公園に行こう
田原本町の代表的な観光スポット「唐古・鍵遺跡(からこ・かぎいせき)」は、2018年春に唐古・鍵遺跡史跡公園としてリニューアルオープンし、より親しみやすい施設になりました。遺跡について学び、散策できる史跡公園に行ってみましょう。
唐古・鍵遺跡とは
唐古・鍵遺跡は、田原本町の唐古から鍵にかけて存在する、弥生時代の集落跡です。国道を敷設するため調査をしたところ、土器や木製品が出土したため、以降継続的に発掘調査が行われ、日本最大級の環濠集落であることが分かりました。遺跡の面積は42ヘクタールにも及ぶそうです。
集落は、直径約400メートルの範囲が居住エリアで、その外には幾重にも環濠が巡らされた、多条環濠となっています。集落には大型建物跡、竪穴・高床住居や木器貯蔵穴などもあり、遺物も土器、石器、木製品や祭祀遺物など多彩であったため、唐古・鍵遺跡は近畿地方の盟主の集落と考えられています。
唐古・鍵遺跡は、1999年に国の史跡に登録され、2018年には道の駅の開業と同時期に、史跡公園として再整備され、さらに注目を集めています。
公園内を散策してみよう
遺構展示情報館
遺構展示情報館は、唐古・鍵遺跡の発掘調査で見つかった大型建物跡の模型や、出土した柱を展示している施設です。当時の集落の様子が分かるジオラマもありますので、まず最初に立ち寄って、遺跡について簡単に学ぶと良いでしょう。
弥生の建物広場
弥生の建物広場には、大きな柱が立ち並んでおり、弥生時代にこの場所に存在した大型建物のスケールを感じることができます。また、柱を立てる穴も再現されています。
復元楼閣
復元楼閣は、遺跡から出土した土器に書かれていた建物を復元したものです。うずまきの装飾が特徴的な建物は、近くにある国道からも見える、唐古・鍵遺跡のシンボルです。中に入ることはできませんが、すぐそばから眺めることができます。
唐古池
唐古池は、農業用のため池として江戸時代に造られました。過去の発掘調査で多数の遺物が出土しましたが、現在もここに遺跡が眠っています。池の周囲には桜の木が植えられており、美しい景観を作り出しています。
弥生の林エリア
史跡公園南東にある弥生の林エリアは、弥生時代の風景を樹木により再現した場所です。植えられている樹木は、発掘調査などにより当時生えていたと考えられるものが選ばれています。
このあたりからは、奈良盆地東部の山々や、古くからの民家が点在する田園風景を眺められます。古くから変わらないのどかな景色は、見る者の心を落ち着かせるでしょう。
- 唐古・鍵遺跡史跡公園
- 奈良 / 公園 / 穴場観光スポット
- 住所:奈良県磯城郡田原本町唐古50-2地図で見る
- 電話:0744-34-5500
- Web:https://www.karako-kagi.com/