神社仏閣好きの方ならご存知、大分県宇佐市にある宇佐神宮(別名:宇佐八幡・宇佐八幡宮)は全国に約44,000社ある八幡宮の総本社(総本宮)です。神社といえば「伊勢神宮」や「出雲大社」など近年、御遷宮などで話題に挙がった有名な神社もあるのに、総本宮って?と思われる方もいらっしゃると思うので補足ですが、宇佐神宮は別名「宇佐八幡宮」とも呼ばれる通り、八幡神社・八幡宮の総本社で、伊勢神宮は、神明神社・大神宮の総本社です。同じ「神宮」と思われがちですが、実は別物でそれぞれがそれぞれの総本社なのです。
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宇佐神宮について
全国に約110,000ある神社のなかの、約44,000社ある八幡宮の総本社って、数字がすべてではないけれども、すごく格式のある神社であることがうかがえます。
そんな格式ある神社が、国宝でもある八幡宮の総本社ですが、常に人であふれているわけではありません。大分県内でも人気観光地から少し離れた場所にあるため、神社仏閣巡り目当てでもない限り、大分観光のコースから外されやすいのでしょう。
お正月さんがにちや各種行事ごとの時は、人で埋め尽くされる境内・参道ですが、筆者が訪れたゴールデンウィーク時は、自分のペースでゆっくり周れる、穴場観光スポットともいえました。
謎多き神社と言われる宇佐神宮
参道を進み、神橋を越えると、大鳥居が見えてきます。
大鳥居の手前に佇む獅子狛犬がちょっと珍しいです。
多くの狛犬は、左が吽形の雌で「子取り」、右が阿形の雄で「玉取り」の役目を担っている事例が多いのですが、宇佐神宮の狛犬は左右どちらとも阿形で、左の狛犬は「邪鬼」を踏んでいます。
そう、宇佐神宮は謎の多い神社としても有名なんです。
宇佐神宮の謎とは?
宇佐神宮参拝の前には是非、「謎多き神社」と言われる「宇佐神宮の謎」について調べてみてください。飛び交う考察の情報の渦を彷徨い、定かではない歴所の旅に出ることができるでしょう。
神社仏閣歴史好きでもない限り、ちんぷんかんぷんな神仏・伝承・神話の旅に出ることができます。興味がない方が読むと、意味を理解するのに、気が遠くなるくらいの読み込みが必要になる感じです。
正直、推考が複雑すぎて、内容をどこまで拾うか悩むので、下記にシンプルにまとめてみます。あくまで、私の読みかじりを噂話として綴りたいと思います。
悠久の歴史に思いを馳せながら宇佐神宮参拝を楽しむためのオマケ話にしていただく体で、この記事は読み進めていただければと思います。
宇佐神宮最大の謎「祭神がわからない」
「祭神がわからない」=「一番格上として、祀られている御祭神に関する史実が残っていない」=「名前以外その祀られている対象のことが人だったのか神話の神だったのか、何も判っていない」ということなのだそうです。
福岡の太宰府天満宮などは解りやすいですよね、「菅原道真」を祀ってあります。学問の神様なので、合格祈願などで訪れる方が多いです。
が、宇佐神宮の一番格上の神様は、どこの誰か何者か公にされていない、ということなのです。
現在、宇佐神宮には三人の御祭神が祭られています。
- 八幡大神(はちまんおおかみ)[誉田別尊(応神天皇)]
- 比売大神(ひめのおおかみ)[宗像三女神(多岐津姫命・市杵嶋姫命・多紀理姫命)とも言われている]
- 神功皇后(じんぐうこうごう)[息長帯姫命]
宇佐神宮は八幡宮の総本山であるからこそ、そこに祀られている「八幡大神(応神天皇)」が一番格上のハズなのだそうです。
けれども、宇佐神宮では一番格上の主神が配置されるべき場所(一般的に中央)に祀られているのが、「比売大神」で、この主神と思われる「比売大神」に関する史実が公に残っていない。
一般的に神社では、日本神話に登場する神を祭神としているか、日本神話の神と同神であるとしているため、祭神に関する神話や史実が残っているものだそうです。
そのためか、様々な憶測をよんで「比売大神」は「卑弥呼」ではないか説まであるようです。歴史浪漫ですね。興味が湧いた方は、個人的に詳しく調べてみてください。
旧い時代、天皇の皇位継承に関する発言権を持っていた
奈良時代の神護景雲3年(769年)に起きた「宇佐八幡宮神託事件」と呼ばれる史実です。
筆者がネット上で調べた情報ではありますが、奈良時代の皇位継承に宇佐神宮が御神託(神様の言葉として)を出すことにより、皇位継承者を決定したという出来事があったそうです。
そのことの何が謎とされているかというと、「伊勢神宮」でも「出雲大社」でもない、九州の一地方にある神社が、天皇の皇位継承に御神託を出し、中央政治に口出しができるだけの権力を持っていた事実、その背景が謎なのだそうです。
祭神として天皇家の人物を神として祭っている
天皇家縁の比売神(ひめがみ)を本宮にて主神として、神功皇后(じんぐうこうごう)を下宮にて、仁徳天皇(にんとくてんのう)を若宮神社にて祀っており、ここでも再び、比売神(ひめがみ)が誰なのかわからないうえに、天皇家縁のものなのに史実がないのか、そもそも、地方の神社が天皇家縁の自分たちを神として祀っているのかというところに謎があるようです。
ここにきて、再び卑弥呼ですが、神功皇后が卑弥呼であったという説が今もあるようです。
出雲大社と同じ「二拝四拍手一拝」という参拝方法である
通常の神社参拝作法は「二拝二拍手一礼」ですが、宇佐神宮の参拝方法が出雲大社と同じ「二拝四拍手一拝」であること。これが意味するものの、一説として“四拍手をたたく神社は日本中でも「宇佐神宮」と「出雲大社」しか無い”といいます。