その構造と歴史に不可解な点が多く、世界中の人々をとりこにし続けるペルーの古代の空中都市、マチュピチュ。日本からはまさに秘境に行く旅になりますが、工夫次第で快適な旅になるはずです。マチュピチュを訪れる方はだいたい必ずクスコも合わせて観光するので、それを踏まえたペルーの首都リマからの移動の仕方、マチュピチュの歩き方、そしてマチュピチュ周辺での楽しみ方を紹介します。
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マチュピチュの魅力
インカの時代に築かれたペルーの神秘、マチュピチュ。なぜアンデス山麓の奥まった高所(標高約2,400m)に都市が作られたのか未だに謎です。インカ文明は文字を持たなかったため、今後もその歴史がすべて解明されるのは困難で、ベールに包まれていること、しかしすでに解明されている部分には古代の人々の知恵を垣間見れること、それらが訪れる人々を驚嘆させるのです。
クスコ観光を考慮に入れたマチュピチュへの行き方
多くの旅行者にとって、マチュピチュに行くならクスコも外せないという話になります。では、どちらを先に行くか?ずばり、マチュピチュ(標高約2,400m)が先です!
クスコは標高3,400mもあるので、首都のリマからそのままクスコへ移動すると、高山病にかかる可能性が極めて高くなります。高山病を避けることができればその後の旅程は快適に過ごせるはず。先にマチュピチュを訪れれば、クスコへはマチュピチュからの移動になるので、体がもう高山に慣れているでしょう。
リマからクスコはバスではなく飛行機で!
リマからマチュピチュに行くためにまずクスコに行かなければなりません。バスは4,000m級の高所をくねくねと行くルートで、所要時間丸一日、天候次第で30時間近くかかることも。料金は3,500-6,500円くらい。リマに着くころにはもうぐったりです。
一方、飛行機は1時間ちょっとで疲れ知らず。その日のうちにクスコを素通りして、午後の早い時間にマチュピチュにつくことができるよう、朝の便に乗ることをお勧めします。ローシーズンなら片道8,000円、往復で14,000円くらいで行けます。スターペルー航空がこうした安いチケットを提供しています。
クスコからはバスと鉄道で
マチュピチュへはクスコの町はずれにある「ポロイ駅」から鉄道で向かうルートが一般的とされていますが、街中からポロイ駅まで行くにもバスかタクシーでの移動が必要となるので、最初からクスコの街中からバスで「オリャンタイタンボ駅」(所要約1時間40分)まで移動したほうが楽ですし、安上がりです。しかも鉄道からの景色の見どころは「オリャンタイタンボ駅」から先です。
さて、「オリャンタイタンボ駅」からペルー、アンデスの高地を走る鉄道について。鉄道会社は2つあり、老舗で青の機関車が目印のペルーレイルとライバルで少し安めのインカレイルです。インカレイルのホームページは日本語でも見られます。行きに展望列車、帰りに安く上げるためロークラスの列車を選ぶのがお勧めです。
マチュピチュの歩き方
遺跡内に入ってすぐ、あのあこがれ続けた景色が目に入ってきます。しかし天空都市を見学する前にお勧めなのは、そこを見下ろすスポットへのミニトレッキングです。
トレッキングには2つのルートがあります。一つは、マチュピチュの風景写真で必ず背景になる後方の小高い山、ワイナピチュに登るルートです。こちらへの登山はマチュピチュへの入場料と別に入山料が必要で、一日の登山者数が限られています。
もう一方は、マチュピチュの反対側の山の峠に位置するインティプンク(太陽の門)に登るルートです。実はインティプンクの標高はワイナピチュ山頂よりも高く、よく見るあのマチュピチュの写真の絶景はインティプンク側から撮られたもの。こちらのルートへは遺跡見学のチケットのみで行けます。天空都市を上から眺めるお勧めルートです。
今回はこのインティプンク(太陽の門)に登るルートの詳細をご紹介しましょう。
インカ道を歩く
インティプンクまでのインカ道は石畳の一本道で緩やかで歩きやすく、道中も可憐な花が咲いていたり、リャマとすれ違ったりと和やかな雰囲気です。遺跡からインティプンクまで所要1時間くらいです。
インティプンクから空中都市へ
ここもちょっとした遺跡になっているインカ道の峠です。古代マチュピチュを目指したインカの人々はここまで来るとやっと都市を見ることができ、力を得て下って行ったことでしょう。そんな気持ちを少しでも味わえたらいいですね!そして下り終えると、いよいよ遺跡観光の始まりです。
いよいよ空中都市巡り
マチュピチュを神秘的であり芸術的な遺跡とならしめている大きな要素はその石組です。インカ帝国は高度な石の加工技術を持っていました。しかし都市を巡っていると、建設には使っていない未加工の巨大な石がゴロゴロあります。それがこちらです。
石切り場にこうした石がいくつも残っていることから、この空中都市はまだ建設の途上だったのではという説もあります。
こうした段々畑の景観もマチュピチュ遺跡が空中都市と言われる所以ですが、実際遺跡の総面積の3分の2ほどがこの段々畑の農地です。一段の高さは3メートルほどあり、ジャガイモ、トウモロコシ、コカをはじめ、ここで栽培されていた作物は200種類以上を数えます。空中都市を造ったインカの人々の勤勉さと、屈強さがうかがえますね。
アグアス・カリエンテスでの滞在
マチュピチュ観光の拠点となる村は、アグアス・カリエンテスです。何となく日本の温泉街に似たものがあります。それもそのはず、村の名前はスペイン語で「熱い水」、そうです温泉が湧き出てる街なのです。歩き疲れた体を癒すため、ぜひ町はずれの温泉に行きましょう。外国の温泉ですから水着を持っていくことをお忘れなく。
工夫をして楽しい観光を
南米旅行のハイライト、ペルー、マチュピチュ観光。リマからクスコへは空路で午前中に移動すること、クスコからはバスと電車に乗り、同じ日にマチュピチュまで着くこと、そして、遺跡巡りの前にインカ道を登ってマチュピチュの全容を見てから都市巡りをし、その後は疲れをいやしに温泉へ。こうした提案を参考に、予定を工夫してどうか思い出深いマチュピチュ観光になりますように。