佐渡市

佐渡の秘境・絶景フォトスポット【大野亀】

取材・写真・文:

神奈川在住
訪問エリア:47都道府県

2021年11月12日更新

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写真:えいぶゆう/TossyPhoto

ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンに2つ星として掲載された新潟県佐渡にある巨岩「大野亀」。標高が160m近くもある、山と呼べるほどの大きさの岩なんです。大野亀が海に突き出した景色は、佐渡No.1と言っても過言ではない絶景ですよ。

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絶景の多い佐渡の海岸でも異色の存在

今回ご紹介する「大野亀」は、新潟県佐渡にある景勝地です。佐渡の海岸は、奇岩が何キロにも渡って連続する日本でもまれな地帯で、その景観を求めて多くの観光客が訪れます。その中でも特に大規模なのが「大野亀」です。どれくらいかというと・・・

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto大野亀

こちらが大野亀と呼ばれる景勝地。歩いている人と比較してみると「大規模っていうわりに小さな山だなあ」とお思いかもしれません。実はこれ、山じゃなくて岩なんです!標高167mの一枚岩が、海にぐいーんと突き出しているんです。どうです?すごく迫力ある景色でしょ?

この迫力で「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では、2つ星の評価を受けたんですよ。

どうやって出来たの?

大野亀はマグマが地表近い地中に上昇して冷え、その上の堆積物が風などで取り除かれたものです。現地ではものすごくわかりやすい図説の説明版がありましたよ。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto説明版

大野亀ができるまでを説明版に沿ってご紹介しましょう。

①マグマが上昇して浅い地下にたまる。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoマグマの上昇

②そのままマグマが地中で冷えて固まる。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoマグマの冷却

③地表近くまで固まったマグマが変動し、風化や浸食でマグマの周囲の地層が取り除かれる。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto周囲の地層の風化

こう図説するとシンプルですが、途方もなく長い長い年月をかけて大野亀に変わっていったわけで、今から3400万年前から1700万年前の火山活動によって形成されました。それが今私たちの目の前にあるなんて、地球規模の時の流れと雄大さを感じますよね。

いよいよ大野亀へ

そんな大野亀には遊歩道があって、普通のスニーカーで登ることが出来ます。こちらが遊歩道入口。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto遊歩道入口

この道の左前方に、大野亀が独立峰のように青空と海をバックに構えています。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto独立峰のような大野亀

緑が茂っているところを見ると山に見えますが、左側の岩が露出したところを注意してみると、一枚岩の荒々しさがわかりますね。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoゆるやかな遊歩道

大野亀単体で見るとすごく険しそうですが、遊歩道は石畳が敷かれていてのんびりしたものです。10分ほどで海が見渡せる場所まで登ることが出来ます。ちょっとしたお散歩気分で、大規模な自然美にアプローチできるって素敵ですね。

佐渡の有数の景勝地「二ツ亀」も見渡せる

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto高台からみた二ツ亀

海の真ん前にあるので、ちょっと登っただけでこんなふうに見渡せる場所に出ます。奥のほうに2つの島が連なっているように見えるところがありますね。あちらも佐渡の有数の景勝地で、「二ツ亀」です。数キロ北上すると、下の写真のようにもっと亀っぽく見えるんですよ。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto亀のように見える位置からの二ツ亀

ところでなんでこんなに「亀」がつく地名がおおいんでしょうね。この地では亀は「神」を意味し、アイヌ語の「カムイ」に通ずる意味として使っているそうですよ。古来から聖なる場所として信仰されていたんですね。巨岩信仰は全国のさまざまなところにありますが、これだけ大きかったら迷うことなく崇めたくなる気がします。

二ツ亀
佐渡市 / 自然・景勝地
住所:新潟県佐渡市鷲崎 二ツ亀地図で見る

どこを撮っても絵になる大野亀

さて、この辺りはどこをとっても絵になる景色だらけなのですが、一番迫力があるのは、海にぐいーんと突き出したこの景色。本当に山かと思うほどの大きさで圧倒されます。どうやら日本三大巨岩の一つらしいですよ。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto海に突き出した一枚岩

大野亀の頂上には航海の安全を守る石塔があって、以前はそこまで登れました。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto登る道と大野亀

が!2018年11月現在は崩落が発生しているため通行止め。残念!

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto通行止め

登り始めてから歩道入り口に戻ってくるまで、およそ20分間のショートトリップで楽しむことが出来ます。帰り道にはこんな風に木の鳥居が。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto鳥居

この鳥居は大野亀の頂上を向いて立っているもので、大野亀を信仰の対象として大事にしていることがわかりますよね。

大野亀ロッジ

大野亀自体は、20分程あれば絶景を楽しむことが出来ます。雄大な自然を手軽に見ることができて本当に素敵な場所です。

このまま帰ってしまうにはもったいない。そんな方には、大野亀のそばにある休憩場所にも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。その名も「OONOGAME LODGE」大野亀ロッジです。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto大野亀ロッジ

地元食材を使った食事を頂くことができるほか、次に紹介するカンゾウの花をモチーフにしたTシャツなどが販売されていますよ。この絶景を写真だけでなくお土産として持ち帰るのも素敵ですね。

大野亀ロッジ
佐渡市 / その他レストラン
住所:新潟県佐渡市願149地図で見る
Web:https://www.visitsado.com/spot/detail0346/

ベストシーズンは?

この大野亀にはベストシーズンがあります。

  • トビシマカンゾウ

こんな風に黄色の花々で埋め尽くされる5月下旬~6月上旬がベストシーズン。この黄色い花はトビシマカンゾウというもの。大野亀はトビシマカンゾウの群生地としても有名なのです。

交通手段は?

大野亀は離島である佐渡島にあります。佐渡島の両津港から車で60分ほどの場所にあるため、観光客は車でまわるのが一般的。ただしベストシーズンともなるとレンタカーの予約がとれないことも多々あります。数か月前から予約は必須です。

自家用車の場合はフェリーで渡ることができますが、こちらも予約がすぐに埋まってしまうので、いっそのこと様々な旅行会社が企画しているバスツアーを利用するのがいいかもしれません。いずれにせよ、早めの計画を心がけましょう。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoフェリー
大野亀
佐渡市 / 自然・景勝地 / ハイキング / ツーリング
住所:新潟県佐渡市願地図で見る

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この記事を書いたトラベルライター

旅はいつも心のまんなかに
知らない土地、知らない文化、知らない人。知らない何かがいつも自分の心を広げてくれます。広がったその先を見てみたい。その探求心や好奇心はそのまま「旅」として、いつも心のまんなかにあります。

えいぶゆう(文)とTossyPhoto(写真)の2人で、心のまんなかにある「旅」を切り取っていきます。

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