徳島県南部にある美波町は、太平洋に面した人口約6千人の静かな町です。町内には魅力的な観光スポットが多数ありますが、特に日和佐地区には、うみがめ博物館、道の駅や有名な寺院もあり、おすすめです。美しい景色も楽しめますよ。
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美波町日和佐地区とは
美波町(みなみちょう)は、徳島県南部にある人口約6,400人の町です。現在の美波町は、もともとあった日和佐町(ひわさちょう)と由岐町(ゆきちょう)が2006年に合併し、誕生したものです。そのため現在でも日和佐地区、由岐地区と呼ばれることがあります。
日和佐地区は、JR牟岐線の日和佐駅の周辺に広がる街で、四国霊場札所の薬王寺や、ウミガメも産卵に訪れる大浜海岸などが有名です。特産品を販売する道の駅日和佐、生きているウミガメを実際に見ることができる「日和佐うみがめ博物館カレッタ」などの施設もあり、徳島県南部の人気観光エリアとなっています。
薬王寺にお参りしよう
薬王寺とは
薬王寺(やくおうじ)は、美波町にある高野山真言宗の寺院です。四国八十八カ所霊場の第二十三番札所であり、山号は医王山です。御本尊は薬師如来で、厄除けの寺として知られ、多くの参詣者を集めています。
境内を散策しよう
境内を散策してみましょう。国道に面した場所に、仁王門という山門が建っており、そこから入ります。仁王門は、天保6年(1835年)に建立されたもので、両脇には仁王像が安置されています。
仁王門をくぐり、少し歩くと急な階段が見えてきます。境内の階段は、厄坂と呼ばれています。仁王門のそばにある33段の階段が「女厄坂」、そのあとの本堂へ続く42段の階段が「男厄坂」です。
階段を登り切ると、本堂が現れます。もともとあったものは、焼失したため、現在の本堂は、明治41年に建立されたのだそうです。
本堂の裏に、肺大師と呼ばれるお堂があるので、ちょと寄ってみましょう。石像の弘法大師が祀られた祠があるのですが、その下から霊水が湧き出ています。無色透明で臭いもありませんが、ラジウムを含んでいるため、肺病などに効くとされています。階段を登った後の乾いた喉を潤すのに良いでしょう。
本堂横からさらに階段を登り、瑜祇塔(ゆぎとう)を目指します。還暦厄坂と呼ばれるこの階段は61段もあるので、少々息が切れるかもしれません。
こちらが瑜祇塔です。昭和39年に建立されたもので、高さは29メートルあります。昭和39年の弘法大師の四国八十八カ所霊場開創1150年と、翌40年の高野山開創1150年を記念して建てられた建物は、国道やJR日和佐駅からもよく見える、薬王寺のシンボルです。
瑜祇塔からは、日和佐の街が一望できます。小高い山や駅周辺の集落、美しい海が見える、のどかな景色を眺めて一息つきましょう。
こちらでは、薬師如来とのご縁を結ぶことができる「戒壇巡り」もできます。拝観料を支払い、階段を下りて入ってみましょう。真っ暗な通路はとても歩きにくいですが、左の壁に触れながらゆっくりと進むと、右手にほのかな明かりが見えてきます。ここには薬師如来と、脇仏の日光、月光菩薩がおられます。
日常の苦しみや悩みを表す暗闇で、かすかな光の如く手を差し伸べてくれる薬師如来と縁を結ぶことができる「戒壇巡り」をぜひ体験してください。
美しい海岸の景色を楽しもう
大浜海岸
美波町日和佐地区にある大浜海岸は、日本の渚百選にも選ばれている美しい海岸です。延長約500メートルの海岸には、穏やかな砂浜と松林があり、南国の雰囲気がただよっています。
こちらの砂浜は、ウミガメが産卵に訪れることで有名です。残念ながら近年では数が減っていますが、毎年5月から8月頃、アカウミガメが上陸するそうです。
こちらの海岸は、ウミガメの保護などのため遊泳は禁止されていますが、美しい海岸を散策するだけでも、気持ちの良いものです。海水浴を楽しみたい方は、町内の由岐地区にある「田井ノ浜海水浴場」が良いでしょう。海水浴シーズンには臨時の駅も開設されるので、アクセスもしやすいです。
恋人岬
大浜海岸北側の高台には、恋人岬と呼ばれる岬があります。明治から大正の海上交通が盛んだった頃には、この岬にある波切不動尊をお参りし、恋人の無事と再会を祈っていたそうです。現在でも、岬で祈願すると恋人との願いが叶うと言われているんですよ。
大浜海岸を一望する岬からの眺めは、とても素晴らしいものです。徳島県南部で多く見られるリアス式海岸と、穏やかな砂浜の両方が眺められますよ。