山口県岩国市にある錦帯橋は、美しいアーチ型が特徴の日本を代表する木造橋。1674年に完成した橋は1950年の大規模台風で倒壊してしまいましたが、1953年に再建され、2002年には劣化した部分を架け替える「平成の架け替え事業」も行われました。また名勝にも指定された錦帯橋周辺には、城下町ならではの史跡や世界でも珍しい生き物に会えるスポットなど見どころがギュッと詰まっています。全て錦帯橋から徒歩圏内。半日で岩国を満喫できるスポットをご紹介します。
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錦帯橋
元々の錦帯橋の歴史は古く、江戸時代に遡ります。当時、城下町を流れる錦川には幾度となく橋が架けられましたが、ことごとく流失していました。三代藩主・吉川広嘉(きっかわひろよし)は『西湖遊覧誌』という書物に描かれた橋を見て、川に小島のような橋台を作り、そこにアーチ型の橋を架けることを思いつきます。
そして1673年ついにアーチ型の木造橋、錦帯橋が完成しました。
残念ながら初代の橋はすぐに流出してしまいましたが、1674年に改良を加え建造した橋は、1950年9月に起こった台風で流出してしまうまで残っていました。その後市民の方たちの強い要望により、錦帯橋は木造橋として再建されました。再建に伴い調査に入った技術者たちが、当時の技術が現代力学の観点から見ても何の改善の余地もない、と言ったほど構造は精工なものだったそうです。
現在の橋は、2002年から2004年にかけて行われた「平成の架け替え事業」により新たに完成されたもの。巻き金とすがいを使用した「木組みの技法」は下から見上げることができますので、ぜひ河原に降りてその圧巻の技術を見てみてください。
錦帯橋の往復には入橋料300円が必要なのですが、このあとご紹介する岩国城拝観料とそこへ行くためのロープウェイ往復チケットがセットになったセット券940円があります。その他の施設も割引になるなどお得なチケットなので、そちらの購入をお勧めします。
錦帯橋を渡ってまわろう!おすすめ周辺スポット
1.ソフトクリーム屋「むさし」と「佐々木屋小次郎商店」
岩国の有名ソフトクリーム屋さんがこの二店。その名も「むさし」と「佐々木屋小次郎」です。巌流島の戦いで有名な両者が、現在は岩国の地でソフトクリーム屋さんとしてしのぎを削っています。
「むさし」の特徴は何といってもその味の種類の数。160種を越えておりその数は日本一!中には「お茶漬け」「ラーメン」「七味」など・・・ちょっと注文するのに勇気がいりそうなものも。
「佐々木屋小次郎商店」も味の種類は豊富です。こちらはプレミアムソフトクリーム「クレミア」をはじめスイーツとして人気の高い「ティラミス」や「チーズケーキ」など高級スイーツ路線。沢山ありすぎて迷ってしまいますが、両者を食べ比べてみるのもおもしろいですね。
- むさし
- 山口 / スイーツ / ソフトクリーム
- 住所:山口県岩国市横山2-1-23地図で見る
- 電話:0827-43-6340
- Web:http://www.sky.icn-tv.ne.jp/~soft-100/
2.吉香公園
旧岩国藩主の居館跡にある公園。大きな噴水や季節の花々が咲き、観光客だけでなく近所の方たちの憩いの場になっています。観光の合間の休憩スポットとしてのんびりするのに最適です。
3.香川家長屋門
岩国藩家老の香川氏の表門。1693年に建立されたもので、当時の武家屋敷の門構えを伝える遺構として山口県の文化財にも指定されています。
この門の設計・建設を行った大屋嘉左衛門(おおやかざえもん)という大工は、元禄時代の錦帯橋架け替えの棟梁を務めた人で、嘉左衛門による現存する最古の図面(1699年のもの)を規範とし、平成の架け替え事業も行われたそうです。
4.旧目加田(めかだ)家住宅
18世紀中頃の中級武家屋敷として貴重な遺構で、国の重要文化財にも指定されています。目加田家は吉川家が岩国に移るよりも前からの家臣で、岩国藩初代藩主・吉川広家に従い岩国に移り住みました。江戸時代中頃には、既にこの場所に住居を構えていたようです。
老朽化のため昭和52年に行われた解体修理では、当時の工法が踏襲され、可能な限り資材も再利用されました。
5.岩国シロヘビの館
苦手な方にとっては避けたい場所かもしれませんが・・国の天然記念物にも指定されている真っ白な光沢のある体に真っ赤な目を持つシロヘビは、昔から岩国だけに集中して生息する貴重な生き物。この珍しいヘビをこの地の方たちは幸運を呼ぶ家の守り神として大切に保護したため、その数が増えたと考えられています。
元々このような固有種がいるのではなく、突然変異で体が白くなったアオダイショウがシロヘビの正体。ヘビがいるガラスケースの周りには、模型展示やクイズゲーム、遺伝子についての説明パネルなどがありシロヘビについて色々と学ぶこともできます。
- 岩国シロヘビの館
- 山口 / 博物館 / 一人旅
- 住所:山口県岩国市横山二丁目6番52号地図で見る
- 電話:0827-35-5303
- Web:https://www.city.iwakuni.lg.jp/site/shirohebinoyak...
6.岩国城
関ヶ原の戦いの後、岩国に転封された吉川広家によって築城されたお城。城郭は横山山頂に、その麓に居館が造られました。城郭と居館を結んでいたのが最初にご紹介した錦帯橋です。
天守のある山頂までは、ロープウェイで約3分。ロープウェイは15分間隔で運行されており、車内では岩国の歴史を紹介する音声ガイドが流れています。ロープウェイの山頂駅から天守までは整備された森林を5分ほど歩きます。
岩国城の天守は、三階よりも四階、五階よりも六階が張り出した「南蛮造(唐造)」と呼ばれる特異な造り。1608年に完成しましたが、1615年幕府の「一国一城令」により完成からわずか7年後に破却となってしまいました。
昭和37年に天守が再建されましたが、その際錦帯橋から見えるようにと景観が考慮され、本来よりも南に50メートルずらした位置に建てられました。
最初にご紹介した錦帯橋の写真、中央辺りに小さく岩国城の天守が写ってるんですよ。
錦帯橋からは山頂に建つ岩国城を。そして岩国城の最上階の展望スペースからは、逆に錦帯橋を見下ろすことができ、二つの視点で両者を楽しむことができます。街並や晴れた日には、遠く瀬戸の島々まで見渡せる絶景スポットです。