海外旅行に行く際に真っ先に必要になるものといえばのパスポート。誰もが行き先や持っていくものにこそ目が行きがちですが、実はパスポートには数々の恐ろしい落とし穴が隠されているんです。誰もが大事なことはわかってはいますが、その本当の理由までわかっていますか?順を追って注意点を見ていきましょう。元航空職員が実際に見てきた海外旅行客の事例を元に、パスポートの重要性について徹底解説いたします。海外旅行に行かれる前にこそチェックしておきましょう。
この記事の目次表示
1.パスポートは第一に準備!手元になければ、航空券の発券は不可能
まだパスポートをとっていない中、旅行の行き先の計画を立てている人がいますが、これは絶対にいけません。
実は旅行会社のおおよそが、予約確定時にパスポート番号を求めます。まれに仮予約を受け付けてくれるところもありますが、航空券は必ず、パスポートがないことには発券(購入)できませんのでご注意ください。
旅行の計画や準備、航空券の手配の前に必ずパスポートがあることをまず最優先に確認しましょう。
パスポート新規作成または更新時の注意点
新しくパスポートをとって海外へ行く方や、久しぶりの海外でパスポートをとり直す方向けの情報をまとめておきます。
(1).パスポート申請時の必要書類
一般的には以下の書類がパスポート申請時に必要です。(2018年1月現在外務省サイトより抜粋)
- 一般旅券発給申請書(10年用又は5年用) 1通
- 戸籍謄本又は抄本(原本を必要とします) 1通
- 住民票の写し 1通(必要となる方)※住民基本台帳ネットワークシステムの利用を希望されない方
- 写真(縦45ミリメートル×横35ミリメートル) 1葉
- 身元確認書類(運転免許証等)
パスポートの申請から作成までの期間を長引かせる原因となりうるのが、パスポート申請時の必要書類。戸籍抄本や場合によっては住民票を、事前に手元に準備しておかなければならなりません。
必要書類や本人確認書類によって付属書類が複雑に変わることもありますので、事前にご自身の必要書類についても確認しておきましょう。詳細については、各県ごとに設けられたパスポートセンターに問い合わせしましょう。
(2).申請から完成までの期間は2週間は余裕を持つ!
誰もがパスポートが必要であることはわかっているかと思いますが、意外にも盲点となるのが、申請からパスポートが完成するまでにかかる期間のこと。
まず、申請時期は大型連休にかぶっていませんか?通常は2週間ほど期間に余裕をもてば確実に手に入れることができますが、ゴールデンウィークやお盆、年末年始によっては、作成日数がさらにプラスでかかることも予め覚悟しなければいけません。
(3).申請だけでなく受け取れる日時まで要確保!
次に重要な点が、受け取りができる日時のことです。パスポートを申請に行く日は誰もが想定できますが、もう一度きちんと、パスポートセンターへ受け取りに行かなければなりません。
初めての取得時は緊張しているためギリギリでとるなんてこともないのですが、2度目の更新時はついつい抜けがちなのがこの受取日。のんきに考えていたら出発に間に合わず、海外に行けないなんて恐ろしいことにもなりかねません。
さらにはパスポートが出来上がるのを待っている間に、ツアー募集が締め切られたり、満席になって行けない可能性もあります。パスポートの作成または更新の手続きは、最優先で準備しておきましょう。
2.そのパスポート本当に大丈夫?残存期間が不足していると、現地に入国できない可能性あり
有効期限内であればパスポートは大丈夫、なんてお考えの方が多いかと思いますが、一定の条件に加え、入国日または旅行先の出国日から3ヶ月以上または半年以上の有効期限が必要な場合があります。
つまり半年先の旅行の予定を立てる際に、半年以上のパスポートの有効期限を求める国であれば1年近くの有効期限が必要となるのです。この入国条件に関しては、毎年事細かに各国変わってくるので、事前にしっかりと把握しておく必要があります。
ブログや情報サイトではなく、きちんと各国の大使館または領事館のホームページにてご確認ください。次の旅行の行き先を考える前に、今一度パスポートの有効期限だけでなく残存期間まで確認しておきましょう。
これをクリアできなければ?
国によってまちまちであり入国管理局の判断なので、断言はできませんが、入国できない可能性もあります。また、このルールに関しては、国によって厳しさが変わってくるので一概にも言えません。また法律が強化される可能性も加味し、きちんと設けられた有効期限日数以上のパスポートを持って旅行へ行くことが重要です。
3.うっかりじゃ済まされない!古いパスポートや無効なパスポートは紙切れ同然
(1).古いパスポートを持ってきしまった場合
普段慣れないパスポートをもっての海外旅行ですので、何かと忘れ物もします。そんな中、元航空職員だった私がよく見かけた事例が、古いパスポートを誤って持ってきてしまう方です。
記念にととっていた古いパスポートを、新しいパスポートと思って持っていたために起きる悲しい事故ですよね。ついつい見慣れたパスポートとスーツケースだなんて慌てて準備していたら、気づかないものなんです。
幸いにもその直後に新しいパスポートも奥から出てくれば万々歳なのですが、古いパスポートだけですとタイムオーバーで海外旅行に行けない可能性も。
有効期限が切れたパスポートはただの紙切れ同然ですので、当然それでは海外へ行くことができませんし、解決策もありません。旅行自体が全て台無しにしないためにも気をつけましょう。
スーツケースを整えた後は、再度必ず、自分が持っているパスポートが最新であるか確かめるのをオススメします!
(2).無効なパスポートを持ってきてしまった場合
元航空職員をしていた中で次に多かった事例が、無効なパスポートの所持者。無効なパスポートとはどういったものでしょう。これはパスポートとして現物は存在していても、抹消手続きがされているパスポートです。
例えば一度パスポート紛失後に、紛失届または盗難届を出したパスポートが偶然にも出てくるケースがこれに当たります。紛失の際に新しいパスポートを申請し、そのパスポートが手元にあれば問題はないのですが、新しいパスポートを作る前に紛失パスポートが偶然出てきた時などは要注意です。
残念ながら一度紛失届や盗難届を出したパスポートは抹消手続きをされ、そのパスポート現物は無効なものとなります。各国の警察と各国の出入国管理局が連携し、国際犯罪や偽装パスポートなど二次利用されないためのルールとなっています。
無くした届出を出したパスポートが偶然見つかったからと、再び使えるものではないということを頭に入れておきましょう。運良く空港のチェックインカウンターを潜れても、日本の出国管理局で出国を止められますので、何れにしても海外へは行けません。
4.パスポートを空港に持ってくるのを忘れると、最悪数十万円の損失に
絶対にパスポート忘れだけは避けるべきことです。旅行代金や全ての楽しみが、台無しになる可能性があります!元航空会社で働いていた私も、以下の通りしか案内のしようがなかったです。
(1).急いで取りに帰る
残念ながらパスポートを忘れた際には、どうやってもその場で作れるものではないため、家に取りに帰るしか方法はありません。
(2).家に家族がいる場合はすぐにでも家族に持ってきてもらう
取りに帰る時間がない場合でも、家に家族の誰かがいる場合は途中まで持ってきてもらいましょう。家までの往復時間は少なからず誰しも1時間以上かかることがほとんどです。まず航空会社の方に相談し、出発までに間に合うのであれば家族に空港まで持ってきてもらうのも手です。
所持している航空券によっては何万円というお金が、乗り遅れによってパーになってしまうことも。事の重大さを真っ先に家族伝え、自分がそれがないと海外旅行がパーになってしまうことを念頭に置きましょう。
(3).後続便や出発日の変更できないの?
応急処置としては、後続便への変更や、出発日の変更も可能ですが、必ずしも空席があるとは限りません。特に一般旅行客の多い繁忙期は、席が空いていない前提で考えていた方がいいです。
またもし乗り継ぎなどあれば、乗り継ぎ地からの空席も必要です。さらには高額な変更手数料、場合によってはチケットを取り直すことになる可能性も覚悟しなければなりません。
空港のすぐ近くに住んでいるなんてミラクルがあればいいですが、出発時間までに家と空港までの往復時間を想定してこられる方は早々いないかと思います。
家族全員での旅行であれば、途中で持ってきてくれる家族もいませんので、当然そうなると旅行へは行けないなんて悲しい結末になりますよね。