世界各地には宗教や文化、気候や風土的観点から街がカラフルに塗られている町がいくつもあります。人工的でありながら、どこか不思議で魅力的な街ばかりですが、今回は青い街、白い街、ピンクの街をそれぞれご紹介します。
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目を奪われる青い世界が広がる「青い街」
①シャフシャウエン(モロッコ)
インスタなどを通じて日本でも一気に有名になったモロッコのChefchaouen(英語:シャフシャウエン、西語:シャウエン)は、青い街の代表格と言えます。モロッコ北部に位置するこの街は、ポルトガルの侵略と戦うための小さな要塞として設立され、旧市街が一面青一色に塗られています。
スペインのレコンキスタ後に、多くのユダヤ人がここに定住することになり、ユダヤ教で青が天や神を示す神聖な色であることから建物が青く塗られたとされると言われています。
②ジョードプル(インド)
- 出典:www.flickr.comPhoto by:Eddy Milfort ジョードプルの青い街並
街の多くの建物が青く染められている例としては、他にインドのJodhpur(ジョードプル)があります。西のシャウエン、東のジョードプルと旅人の中で言われていたりもします。
こちらの街は高級ブランドが広告に使用したことで、一躍世界的に有名になりました。「ブルー・シティー」の愛称で呼ばれるこの街の壁が青い理由は、害虫駆除のため化学塗料を塗ったところ青色に変色してしまったとのことで、元々はライム色の壁だったそうです。
③サントリーニ(ギリシャ)
また、ギリシャのSantorini(サントリーニ)も青色の部分は少ないものの、白い壁に、青いドームと地中海の青が特徴的なので青い街と言われていたりもします。
絵本から飛び出した「白い街」
④スペイン・アンダルシア地方(ミハス/フリヒリアナ/アンテケーラ/アルコス・デ・ラ・フロンテーラ他)
スペイン南部アンダルシア地方には、村全体が白く統一されていることろを多く見かけます。日本人に有名なところで言うと、Mijas(ミハス)は絵葉書のようなメルヘンな世界が広がっており、観光地化もされているので非常に整備されていて綺麗です。
しかし、ミハスだけでなく、Frigiliana(フリヒリアナ)やAntequera(アンテケーラ)、Arcos de la Frontera(アルコス・デ・ラ・フロンテーラ)など、他にも白い街はアンダルシア地方にいくつも点在しているのです。全く知られていないような小さな村も辺り一面真っ白に統一されています。
そもそもなぜ、このあたり一帯は白い街が多いのでしょうか?このあたりは、年間の日照日数が300日を超えるところも多く、家の壁を白くすることで太陽の熱を照り返して暑さを和らげるという工夫をしているそうです。また一軒だけでなく村全体で白ければ、地域の暑さ自体も和らげられる、ということが大きな理由のようです。また、石灰岩の産地でもあり、壁を安く作れる素材が充実していること、伝染病などが流行った時代には白は衛生的であるとされていたことも、この白い街並になった重要な要素なのです。
- アルコス・デ・ラ・フロンテーラ
- スペイン / 町・ストリート
- 住所:Arcos de la Frontera, Cádiz, スペイン地図で見る
⑤ウダイプル(インド)
- 出典:www.flickr.comPhoto by: tommy, 作品名:lake pichola from jagandir 湖に浮かぶ白い宮殿と白い街並み
他に白い街として知られているのが、インド北西部にあるUdaipur(ウダイプル)です。観光名所であるシティパレスをはじめ、多くの建物が白く「ホワイト・シティー」と呼ばれることも多いです。
また、湖に浮かぶ白亜の大理石でできた宮殿タージレイクパレス(ジャグニワース宮殿)は、当時の国王が避暑地として建設し、現在ではホテルとして営業しています。世界トップクラスの人気のホテルですので、なかなか宿泊するのは難易度は高いかもしれません。
- タージレイクパレス
- インド / ホテル
- 住所:Taj Lake Palace Udaipur,India地図で見る
- Web:https://www.tajhotels.com/en-in/home/
可愛らしくてエキゾチックな「ピンクの街」
⑥ジャイプル(インド)
インドのJaipur(ジャイプル)は「ピンク・シティー」の別名もあるほど、ピンク色一色の街です。インドがまだイギリスの統治下にあった時代、当時のインド統治皇帝であったヴィクトリア女王の息子がこの地を訪問するにあたり、盛大な出迎えをしようと考え、街全体はおろか建物内部に至るまでピンク色に塗ることになったのがきっかけでした。
以来、この街はずっとピンク色の街を維持し、またインドらしさを残しています。この街のシンボルとも言える風の宮殿(ハワー・マハル)は、ピンク色をした砂岩を外壁に用いた5階建ての建造物で、953もの小窓が通りに面しています。宮廷の女性たちは自らの姿を外から見られることが禁じられていたため、外に出ずとも街の様子を見たり、祭を見て楽しむことができるようこの小窓の形状になりました。
⑦マラッカ(マレーシア)
マレー半島南西部にあるマレーシアのMelaka(マラッカ)も、旧市街がピンク色をしており、多くの観光客が訪れます。東南アジアにおいて類をみないユニークな建築様式、そして文化的な町並みを構成していることが高く評価され、2008年7月、マレーシアでは初のユネスコ世界文化遺産に登録されました。
マラッカは、東西貿易の拠点となる街として栄え、オランダやポルトガルなど複数の国の支配を受けた影響が今も残っています。ピンク色の建物は、オランダ植民地時代に建てられたものがほとんどです。
行ってみたい街は?
日本ではなかなかお目にかかれないような街ばかりだったのではないでしょうか。こんな街を実際に歩いてみたいと思いませんか?なぜこうなったのか、その街の背景を学びながらお気に入りの街に出かけてみて下さい。