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ひたすら走る旅の始まり
パースの街を抜けると牧場風景とバンクシアの茂る並木道が交互に現れます。
約2時間ほどで最初の目的地、ワディ・ブッシュ・リゾートに到着。
ここは佐賀天文協会が昔からよく利用していた宿泊施設で、周りには建物が全く無く、夜は本当に真っ暗なので、溜息が出るほど星がよく見えます。
広大な土地に宿泊棟が点在していて、大きなホールやプールなどもありますが、現在は一般には貸し出していません。昔からの付き合いで今回特別に貸していただきました。
夜、早速Youtuberの方々がスターリンクを使ってライブ配信を行っていました。
その様子は天リフVideo/ゲリラライブ配信・南半球初ライブからご覧いただけます。
翌日は朝早く約600km先のウーラメルに向けて出発です。
※同行した星空写真家・タイムラプスクリエーター 成澤広幸さんのVLOGでは、ここまでの様子が動画にまとめられていますので、合わせてご参照ください。
Episode.2【VLOG/感動の南半球の星空】行くまでが大変だった!?いざ西オーストラリア皆既日食!
西オーストラリアドライブ事情
郊外の道は信号が全く無い直線道路で制限速度は110km。日本と同じkm表示で左側通行なので、ペーパードライバーの方でも運転しやすいと思います。ただし、スピード違反はとても厳しいそうなので注意しましょう。
また、シドニー在住の友人やレンタカー屋のおばさんにも口を揃えて言われたのが、「カンガルーやワラビーが飛び出して来ても躊躇せず、そのまま行け!」とのこと。
特にカンガルーは大きいので、焦ってハンドルを切ったりするとかえって大事故につながるそうです。道中、可哀想な姿もちょくちょく見かけました。(T_T)
OVER SIZEの恐怖
長距離を走行中に出会うのが「OVER SIZE」という黄色い看板を付けた車。
対向車線にこの車が走ってきたら、すぐに路肩に避けないといけません。
最初、交通整理のおじさんが近づいて来て「これから大きい車が通るから避けて」と言われ、『ふーん』と思って待ってたら、どひゃー!というほどでっかい物を積んだトラックが走ってくるではありませんか!!!
「OVER SIZE」の看板を付けた先導車は1台のこともありましたが、2台、3台来ることもあり、それだけでっかいのが来るよ〜!という意味らしいです。
ウーラメルのキャンプ場に到着
4月17日、9時前にワディ・ブッシュ・リゾートを後にしてひたすら走ること約9時間。
途中何度か休憩しながら、18時にはこの日の宿泊地、ウーラメル・リバーサイド・リトリートに到着しました。
ここはいわゆるキャンプサイトですが、個室もあって共同のキッチンや温泉(水着着用)も完備。電源確保のため1室だけ個室を借り、夜は満天の星空の下での夕食を楽しみました。
ここでのライブ配信「天リフVideo/ゲリラライブ配信・西オーストラリア/ウーラメルより」はこちら。
- Wooramel Riverside Retreat
- オーストラリア / キャンプ場 / 温泉
- 住所:Wooramel Station, Wooramel WA 6701Australia地図で見る
- 電話:+61499425888
- Web:https://www.wooramel.com.au/
明日4月18日は、いよいよ観測地のエクスマウスを目指します。
星空写真家・タイムラプスクリエーター 成澤広幸さんのVLOGでは、ウーラメルの美しい星空やキャンプサイトの楽しい様子が見られます。
Episode.3【西オーストラリア本気の星空】走行距離1,300kmの果てに...ついに皆既日食の地・Exmouthへ!
いざ西オーストラリア北部の半島へ!
家を出てから既に5日目を迎え、パースからひたすら北上すること約770km。
途中、カーナボンで買い出し。ここではIGAというスーパーでしたが、西オーストラリアでよく目にするのが、Colesというスーパーマーケット。他のお店に比べて断然安いです。
ガソリンスタンドにもColes系のお店が併設されていることがあるので、もし見つけたら絶対寄るべき。
カーナボンを過ぎると草原の中に何やらボコボコと盛り上がる巨大なものがたくさん。蟻塚です。触ってみるとすごく固くて岩みたいな感じでした。
途中で昼食を取り、赤土の大地と蟻塚を眺めること数時間、15時には目的地であるエクスマウスに到着。
ノースウエストケープの先端に位置するエクスマウスは人口3,000人弱の小さな町で、ダイビングのメッカとしても知られている観光地です。
先出の世界地図を見ても分かるように、今回の金環皆既日食が見られるのは西オーストラリアの中でも、このちょっと突き出した半島の一部だけなので、ここに世界各国から普段の7倍の人々が訪れるという、とんでもない事態になった訳です。キャンプ場の予約サイトがパンクするのも当然ですね。
この一大イベントに際し、地元自治体が巨大な特設キャンプ場を完備するのも納得です。蛍光色のシャツを着たスタッフが自転車で案内してくれて、Moterhome3台とランドクルーザー2台分の場所を確保すると、早速機材のセッティングが始まりました。
- エクスマウス
- オーストラリア / 町・ストリート
- 住所:Exmouth Western Australia地図で見る
- Web:https://www.westernaustralia.com/en/Destination/Ex...
4月19日はとても美しい朝焼けで始まりました。金環皆既日食の観測本番を明日に控え、機材のセッティングに余念のない人たち以外は、特にすることもないので、サイト内をうろうろしたり、掃除したり、カモメを餌付けしてみたり、買い出しに行ったり、料理したり…(笑)。
巨大なキャンプサイトには共同の仮設キッチンが2箇所、トイレとシャワーブースも大量に設置されており、水が出る蛇口もあちこちに引かれていましたので、想像していたよりは遥かに快適でしたが、どこへ行くにも赤土の砂が舞い上がるので車内は常にジャリジャリでした。
夕方にはワディ・ブッシュ・リゾートのオーナーご夫妻も合流し、徒歩5分の所にあるWhalersで前祝い(?!)。ここはビュッフェスタイルで海の幸を使った料理が自慢。クラフトビールなども揃っていて、とてもおしゃれなお店でした。
- Whalers Restaurant
- オーストラリア / 魚介・海鮮料理 / ビュッフェ・食べ放題・バイキング / 洋食・西洋料理
- 住所:2 Murat Rd, Exmouth WA 6707 Australia地図で見る
- 電話:+61899492416
- Web:https://www.whalersrestaurant.com.au/
あなどるなかれ、西オーストラリアの虫問題
日本人の場合『北の方へ行くと寒くなる』という感覚がありますが、オーストラリアの場合は逆に北の方に行くと暑くなります。
パースから郊外へ向かう時に立ち寄ったショッピングモールで売っていた、つばから紐がたくさん垂れ下がっている帽子を面白がって被ってみたりして、ふざけていたことを激しく後悔しました。
田舎へ向かうほどハエが凄いのなんのって「どれだけ顔にハエを止まらせることができるか」なんて言ってるオジさんもおられましたが、ずっと顔の前で手を振って払い続けるしかなく、しかも普通の帽子でさえ、パースから離れるのと比例して値段がどんどん高くなっていく、ということも注意点として書いておきます。
季節にもよると思いますが、初秋はまだハエ以外に蚊なども多いので、暑くても服装は長袖長ズボンがお勧めです。それでも刺されることがあるので、虫除けスプレーやかゆみ止めなどは必需品です。
待ちに待った金環皆既日食の瞬間!
4月20日現地時間午前10時過ぎから徐々に太陽が欠け始め、皆既に近くに連れてだんだんと辺りが薄暗くなり、気温も下がりひんやりしてきます。
完全に皆既の状態になったのは11時30分。太陽の周りのコロナやプロミネンスまではっきり見えるクリアな日食でした。
以前、皆既日食を初めて見たのは2009年の中国で、この時は皆既が5分以上と長めの日食で、それなりに感動はあったのですが、あまり色は無くダイヤモンドリングもちょっとぼんやりした感じでした。
それに比べ、今回の金環皆既日食は、さすがにハイブリッドと言われるだけあって本当に美しく、ベイリービーズも見られてバキバキに鮮明なダイヤモンドリングにどよめきや嗚咽が聞こえるほど、感動的でした!
ここまでひたすら走って来た甲斐がありました(T-T)
カメラマン野田尚之氏による金環皆既日食映像はこちら
日本人22名のグループは珍しかったのか、現地メディアはもちろん、BBCやGuardianにも取材されました。
「天リフVideo/4.20 オーストラリア皆既日食ライブ配信」
感動の余韻に浸りながら、この日はみんなで祝杯をあげ、喜びを分かち合った一晩となりました。
星空写真家・タイムラプスクリエーター 成澤広幸さんのVLOGではエクスマウスでの様子と皆既日食を迎えた感動的な瞬間が記録されています。ぜひご覧ください。