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海外からの空の玄関口、パロ県
山の国ブータンは、広い平地があまりなく、ブータンで唯一の国際空港であるパロ空港も山間の隙間の平地にあります。
飛行機が着陸態勢に入ると、ヒマラヤ山脈から吹く特有の強い風によってかなり揺れ、窓側の席の人は、すぐ目の前に山を見ることができ、若干、手に汗を握ります。
世界一危険ともいわれるパロ国際航空に着陸できる航空会社は、ブータンのフラッグキャリア「ロイヤルブータン」と「ブータンエア」、そして、同じくヒマラヤ山間のネパールで難着陸の経験豊かな「ブッダ・エア」の3社のみ。なんと、その中でもパロ国際空港への着陸資格を持つパイロットは、10人に満たないのだとか。
パロ・ゾン
パロ川を見下ろす高台に聳えるパロ・ゾンです。
ゾンも都市によって少しずつ趣が違いますね。このパロ・ゾンは、映画『リトルブッダ』の撮影地にもなった有名なゾンの一つです。
タクツァン僧院
パロの観光名所といえばタクツァン。ブータン王国を代表する僧院で、ブータンのみならず、チベット仏教の文化圏においても非常に重要な聖地です。
タクツァン僧院は、標高3,000メートルの岩山絶壁に張り付くように建てられており、一見、とてもあの場所に建物があるとは思えません。
一般の観光客も行くことができますので、麓から僧院を目指しましょう。
体力に自信のない方は中腹まで馬をチャーターできます。
パロの街自体も2,200メートルほどの標高があるため、登り始めると息苦しく感じられる方もいらっしゃるかも知れません。休み休み進んでくださいね。
中腹に差し掛かり、振り返るとこの景色。パロの街とその先の山々を見下ろす景色は、本当に素晴らしいです。
中腹の平地へ着くと、馬は降りなくてはなりません。ここから先は自分の足で進みます。
この旗のようなものは、大きいものから小さいものまでよく見かけます。書かれているのはお経です。
「オン・マニ・ぺ・メイ・フン」と書かれています。
チベット仏教のマントラで、これを唱えながらチョルテンを回ったり、寺院へ続く道を歩くことで善い行いをしたと見なされるようです。
やっと目の高さに僧院が現れます。
しかし、せっかく登ってきましたが、ここからは階段を下ります。3,000メートルの高さから、一気に500メートルくだります。
そして、また200段以上の階段を上り、やっと到着。
僧院入り口では、すべての荷物をロッカーに預けます。中はひんやりしていますので、汗をかいてここまで来た人は、荘厳な雰囲気と相まってかなり震えるかも?
タクツァン僧院への山道は舗装されておらず、土埃がかなり舞いますので、気になられる方はマスクを持参すると良いかも知れません。また、夏はかなり暑くなりますので、早朝の登山をお勧めします。
ちょっと不思議なブータンの慣習と知っておきたい豆知識
ここからは、ブータン王国の一風変わった慣習やブータンにまつわる豆知識をいくつかお届けします。
窓枠はこれで決まり!
ここまで、建物の写真をいくつか掲載して参りましたが、何かお気づきの点はありませんか。そう!
ここブータンの建物の窓枠は、寺院でも一般の家でもレストランでもどこでも、全てこの形に決まっています。
法律で決まっていますので、これ以外の窓枠にすると違法となります。
これも、ブータンの文化を守る施策の一つです。
世界一辛い!
取り立てて暑い地域ではなく、四季もはっきりしているブータンですが、郷土料理はすべて辛い!辛いの辛さが桁違い!出される大皿料理のすべてが辛い!辛いを通り過ぎて痛い!
世界一辛いといわれるブータン料理は、ヤギの濃厚チーズなどを使い、激辛な中にまろやかさもあり、多少は救われます。
ブータン人のガイドさんは、実家に買って帰るからと、コーヒー豆などを入れる大きな麻袋に、これでもかと詰められた唐辛子を、2袋、購入されてました。その量でも、2か月ほどでなくなってしまうそうです。
観光客向けのレストランなどはかなり配慮されていますが、家庭料理を体験するツアーなどでは容赦ありませんので、もし興味のある方は試してみてくださいね。
しかしなぜ、ここまで料理を辛くするのかな。
牛乳は甘い
一方、牛乳はとても濃く甘くておいしいです。国の場所が高地なうえ、放し飼いなのが良いのだそうで、ブータンの牛乳で入れるカフェラテは最高です。